「オオカミと森の研究所」
今朝、お気に入りのVoice of Forestを聴いていたら流れてきました。
朝倉氏曰く「日本の森にオオカミを戻そう!」との活動のようです。
走りながら聴いていて「日本オオカミって、絶滅したよな? 夢物語?」
イエイエ、違いました。
確かに「日本」からはオオカミは姿を消しましたが、同じ種は世界には居るらしい。
でも、そんなオオカミを日本の森に放しても大丈夫?
どうやら、増えすぎた鹿や猪に対して食物連鎖的に好ましいようです。
ただ、私の頭の中では途中から妄想モードに入っていました。
オオカミを見て、(人間に飼いならされてしまった)犬達は、どう思うのだろう?
皆さん、犬の先祖はオオカミであり「ヒトがオオカミを飼いならすことで犬が生まれた」ことはご存知ですか?
(牙を抜かれた)犬達の眼には「オオカミ」はどう映るんだろう?
「安全な住処」と「美味しい食事」を約束された飼い犬達の眼には、オオカミはどう映るのだろう?
自由を求めて「再び人間に牙を剥いた犬」と(人への恩義に厚く)「人間側に立った犬」との闘い。
自分は「どちら側に立つのだろうか?」
そんな妄想をしながら、夜明け前の江戸川沿いのコースを(犬のように)走っていました。
さて、前回の続きです。
術前組織診から2 grade upした残りの2症例を紹介します。
(どちらも)良性葉状腫瘍⇒悪性葉状腫瘍
症例3 40代 東京(閑静な住宅街)
△年9月 某大学病院受診 2cm 線維腺腫の診断
(△+2)年10月 某大学病院再診 4cmに(明らかに)増大
針生検でfibroepithelial tumor(線維腺腫もしくは良性葉状腫瘍)
明らかに増大し、(良性)葉状腫瘍の可能性もあるとのことで「腫瘍切除」を勧められた。
(△+2)年11月、当院を受診 腫瘍は6cmを超えており、僅か1カ月での急速増大
手術病理
Phyllodes tumor malignant
Size 3.5×2.8×6.5cm
①間質細胞の細胞密度:high
②核異型:high
③核分裂:high
④浸潤性増生:+
症例4 80代 関西
△年4月はじめに「しこり」自覚(検診歴なし)
△年4月、某大学病院受診 8cmの腫瘍 「乳癌」を疑い細胞診を施行(class 3)
△年5月、当院受診。腫瘍は10cm大であり手術以外の選択肢は無かったが組織診の希望があり、MMTE施行:
生検病理 (△年5月) ⇒ 手術病理(△年6月)
Phyllodes tumor benign phyllodes tumor malignant
①間質細胞の細胞密度:low ⇒ moderate to high
②核異型:low ⇒ moderate
③核分裂:low ⇒ (11/10 HP)high
④浸潤性増生:- ⇒ +
僅か1カ月で、これだけの乖離が生じた理由(ワケ)は、腫瘍が大きすぎて「benign(大人しい)部分」と「malignant(激しい)部分」が不均一に混じっていた。と解釈しています。
★まとめ
葉状腫瘍の診断(線維腺腫との鑑別及び、グレード)が、術前に難しい事を紹介しました。
このような背景により、私は葉状腫瘍には「2グレード上であってもいいような」手術を心がけることとなったのです。
「できるだけ小さくて、目立たない傷で」という女性の要望があることも理解しているつもりです。(そのような方には、より「美容」にふった病院をお勧めします)
私は「葉状腫瘍の厄介さ」をご理解していただけることを望んでいます。