[管理番号:4874]
性別:女性
年齢:44歳
○○がんセンターにて。
2015年3月DCISにて左乳房全摘出
2015年9月左胸 TE挿入
2016年2月 エコーにて右胸に腫瘤発見
(MRIできす)
2016年3月左胸 シリコンインプラント挿入
2016年4月右胸 MRIにて線維腺腫、乳腺症と診断(半年後の経過観察指示あり)
2016年10月 右胸 エコーにて前回腫瘤が大きくなった
同月 右胸 MRIにて積極的に癌を疑う所見なしと診断(半年後の経過観察指示あり)
2017年2月 自身でしこりが気になり、予定の5月を待たず、早期に受診
エコーにて、明らかな異形成の影に成長しており、硬癌の疑い→MRI検査にて非浸潤癌→細胞針?で浸潤癌
地元、○○大学病院から、独立した、乳腺専門医(○○クリニック)にて、
セカンドオピニオンするも診断は、変わらず。
その、まま上記専門医転院し、右乳房切除+リンパ節郭清(レベル1,レベル2)+乳房再建(TE挿入)
病理組織検査結果
腫瘍径:13mm×10mm×11mm
入管内伸展:25mm×16mm
癌の種類:硬癌
組織学的グレード:2
核グレード:2
ER:陽性
PgP:陽性
HER2:陰性
Ki-67:15%
リンパ節転移:陽性
2個/22個中
5mm
1.7mm(微小転移)
内分泌反応性:高度
再発リスク:低
治療方針について
ハーセプチン治療:なし
放射線治療:なし
ホルモン治療:あり
抗がん剤治療:患者の選択
ただ、やるのなら両胸に異物があるから、
胸にポートを挿入予定。
薬は【CMF】
10年後の生存率:無治療84.7%に
ホルモン治療で+3%
抗がん剤治療で+4%
10年後の生存率
リンパ転移1個と考えると、
術後無治療87.6%
ホルモン治療で+2%
抗がん剤治療で+3%
上記結果より、私の癌のタイプからしたら、抗がん剤の効きは低い。
しかし、度重なる乳がん宣告とリンパ節転移。
私には小学生二人、退職直前の夫、介護中の母もおり、。
僅か3~4%、されど3~4%。
副作用や費用、家庭状況と再発の恐怖など、心悩ましいところです。
まず、私のこの状況であれば、先生なら同じ治療方針をされますか?
抗がん剤はやるべきなのでしょうか。
また、やる場合の抗がん剤は、【CMF】となるのでしょうか?
もしも、先生のご家族がこのような状態なら、抗がん剤治療はさせますか?
お忙しい中、長々すみません。
ご意見をお聞かせください。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まずご指摘したいのは、この○○癌センターの「MRI体質」です。
2016年2月に「腫瘤を発見」した時点で「MRIできず」とありますが、そもそも「診断にMRIは不要」です。
40代での「シコリ」なのだから当然(その時点で)「組織診すべき」だったわけです。
♯ちなみに結局「癌だった」ことから類推すると、その「線維腺腫疑い」なる所見は「明らかな良性所見(扁平な楕円形)」ではなかったと想像します。
その点が、(似ているようで)『4863 50才の線維腺腫』とは全く異なる点です。(4863では明らかな良性所見だと推測します)
○2017年2月の時点で「エコーでも(いよいよ)怪しい」と判断してまでも、
「MRIにしがみつき」、(組織診の前に)「MRIで非浸潤癌」となり、ようやく「組織診」とは!!!
ここまでMRI好き(結局3回も撮影していますね?)だと「救いがたい!!」
☆結局「癌」だったわけですが、きっと「その診断の著しい遅れ」に対する「いい訳」は、お得意の『MRI的免罪符』を振りかざした事でしょう。
「ええーい!、このMRI様が目に入らぬか! MRI様が良性と言っていたのだから、組織診をしてこなかった私には非はないのだ!」ということですね。 全く救い難い!
そもそも、この「MRI大好き医師」は『自分でエコー」してますか?
技師からのエコーレポートで「線維腺腫疑い」なるものがあったら、(憧れのMRI様に頼るより)「まずは、自分自身でエコーして確認すべき」でしょう。
随分、本質から離れてしまいました。
私は、このような診療をみると「呆れ」を通り越して「不愉快」モードとなってしまいます。(失礼しました。)
☆いかにも「癌センターらしい診療」ともいえますが、願わくば(癌センターを卒業して)市中病院で勤務するようになったら、悔い改めてもらいたいと切に願います。
それでは、本題。
「まず、私のこの状況であれば、先生なら同じ治療方針をされますか?」
⇒(OncotypeDXするまでもなく)明らかにルミナールAです。
私ならタモキシフェン+LH-RHagonistとします(全く迷いません)
「僅か3~4%、されど3~4%。」となっていますが、これは(ルミナールAとBが混ざった)「統計ソフト」でしょう。
実際はルミナールAなら0% ルミナールBなら8% というようなイメージとなります。
「抗がん剤はやるべきなのでしょうか。」
⇒不要です。
「また、やる場合の抗がん剤は、【CMF】となるのでしょうか?」
⇒CMFは「過去の標準治療」であり、おそらく(脱毛を避ける意味で)おこなって
いるのでしょうが…
もしもやるのなら、TCです。(やりませんが)
「もしも、先生のご家族がこのような状態なら、抗がん剤治療はさせますか?」
⇒抗癌剤はしません。