[管理番号:3567]
性別:女性
年齢:54歳
初めまして、いつもこちらのサイトを拝見し勉強させていただいております。
6月に乳がんが確定し、8月上旬に温存手術をいたしました。
先日病理結果が出ましたので、質問させて頂ければと思います。
宜しくお願いします。
右乳がん pT1cNOMO stage1,LuminalB(HER2-)
浸潤性乳管癌(硬癌)
浸潤径 1.5cm
摘出リンパ数4、転移0
ER:3+ >90% 強 Allred 5+3=8
Pgr:1+ <1% 中 Allred 1+2=3
Her2:1+
Ki67 index:36.2%
核異型度 2
組織異形度 2
リンパ管、脈管侵襲 無
Ki67が高値、Pgrのマイナス?(低値?)のため、絶対とは言えな
いが抗がん剤(AC療法3か月)を勧められました。
抗がん剤をしない決断は、ハイリスクとなりますでしょうか?
オンコタイプDXも検討しておりますが、スコアが中間だった場合、また悩むのでは?と思っております。
アドバイスをいただければ幸いです。
また、10年生存率と再発率を教えていただけますか?
どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「Ki67=36.2%」であれば、迷うのは当然と思います。
「ER, PgR, HER2, Ki67だけで判断」するのであれば、抗ガン剤(ACよりはTCを
選択すべきだと思いますが…)を選択するべきですが…
実際にはOncotype DXすると「ハイリスクとはならない=抗がん剤は不要」となる可能性も十分にありそうです。
「オンコタイプDXも検討しておりますが、スコアが中間だった場合、また悩むのでは?と思っております。」
⇒質問者は誤解しています。
「中間リスクでは抗ガン剤による上乗せはない」ということが解っています。
つまり「中間リスクなら、ホルモン療法単独とすべき」です。 ハイリスクの場合だけ(モチベーションを高くして)抗癌剤をすればいいのです。
「アドバイスをいただければ幸いです。」
⇒迷うのならば「Oncotype DXすべき」です。
「また、10年生存率と再発率を教えていただけますか?」
⇒OncotypeDXするのであれば無意味です。(結果のレポートに「より正確な数字」が載ってくるからです) NewAdjuvant.comの数字が劣るのは仕方がないことです。
(遺伝子検査とは情報量が違いすぎるからです)
質問者様から 【質問2】
先日、質問をさせていただきました。
その後、先生からのアドバイスもありオンコタイプDXをいたしました。
結果は、スコア40と思っていた以上の高リスクとなってしまいかなり動揺して落ち込んでおります。
ステージ1、リンパ転移無でもかなりハイリスクな状況なのでしょうか?
でも、先生からの「モチベーションを高くして」というお言葉を励みにできる限り気持ちを切り替えて抗がん剤治療をしたいと思います。
担当医からは前回同様AC×4回というお話ですが、私のタイプにあっているからでしょうか?こちらのQの中では、ルミナールタイプはTCをされている方が多く見受けられ、先生もTC>ACと幾度となくおっしゃっていたように記憶しています。
前回の回答ではTCをお勧めいただきましたが、再度オンコスコア高リスクの私の場合、病理結果を踏まえて先生のお考えをお聞かせいただけますでしょうか?
また、温存手術後の結果で断端近い状態の為、放射線は25回+5回(ブースト)予定です。
抗がん剤後での開始で問題はありませんか?
同時に、閉経後の為アロマターゼの投与開始となるとのことです。
どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
Oncotype RS 40でしたか。
残念な結果と言えるかもしれませんが、(裏返せば)それだけ「化学療法の上乗せが大きい」と言えます。
モチベーションをもって頑張りましょう。
「前回の回答ではTCをお勧めいただきましたが、再度オンコスコア高リスクの私の場合、病理結果を踏まえて先生のお考えをお聞かせいただけますでしょうか?」
⇒(ご本人も承知されている様に)
TC>ACであることは明らかな事実ですから、TCの方がいいと思います。
「また、温存手術後の結果で断端近い状態の為、放射線は25回+5回(ブースト)予定です。抗がん剤後での開始で問題はありませんか?」
⇒勿論です。
抗癌剤が放射線照射に先行することは「衆知の事実」です。
「同時に、閉経後の為アロマターゼの投与開始となるとのことです。」
⇒ホルモン療法の併用も全く問題ありません。