[管理番号:3311]
性別:女性
年齢:46歳
はじめまして。
7月の検診エコーの結果、右手カテゴリー4でした。
レポートには
レポートには、D領域に6ミリ大の境界部不明瞭、
内部エコー不均一、血流なし。
エラスト固い。
低エコー
域認める。
前方境界線の断裂あり。
触診でも固い。
これは、浸潤性のがんと考えて間違いないでしょうか。
乳腺外来受診し、再度エコーとマンモんを実施。
医師は嚢胞が多数ある。
去年まで検診でなにもなかったのに急にできたのが、気になるとのことでした。
細胞診をやり結果待ちです。
今になって、針生検をお願いすればよかったと後悔しています。
細胞診でグレーだとしたら、針生検をした方がよろしいでしょうか。
ご回答いただけると、幸いです。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
エコー所見ですね。
やはり気になるのは「前方境界線の断裂あり」です。
本来「前方境界線の断裂」というのは「腫瘍が(乳腺内から)脂肪層へ浸潤している
所見」なので、カテゴリー5とすべきものです。
「これは、浸潤性のがんと考えて間違いないでしょうか。」
⇒残念ながら…
所見としては合致します。
6mmであれば、間違いなく「早期発見」です。
○早期発見早期治療してしまいましょう。
「細胞診でグレーだとしたら、針生検をした方がよろしいでしょうか。」
⇒当然です。
と、いうか… 考え方としては
(画像所見で癌を疑う場合)
1.細胞診で良性と出た場合⇒細胞診が「サンプリングエラー」である可能性が高いです。
「経過観察とかMRI」とする「不届きものの医師」がいますが(注意が必要です)、決して「そうさせない」様にする事が重要です。
必ず「針生検」してもらいましょう。
2.細胞診でグレーだった場合⇒当然「針生検」です。
3.細胞診で悪性と出た場合⇒これも(確定診のためには)「針生検すべき」です。
○お解りでしょうか?
画像所見で「悪性の可能性がある」以上、『細胞診は無駄な検査』となるのです。(最初から「針生検すべき」なのです)
♯それでは「細胞診が許される」場面とは?
・嚢胞内腫瘍(針生検では中身が散らばる可能性)
・(画像上)良性を強く疑う場合(あくまでも念のためという目的)
「今になって、針生検をお願いすればよかったと後悔しています」
⇒正に「その通り」です。
ただし、本来それは「医師自身が理解しているべきこと」です。(患者さんの方から指摘されるものではなく)
何故、その場面で「細胞診を選択したのか?」
針生検に自信が無いのか?針生検をそもそもしていないのか?(単に)診療センスが無いのか?(厳しい様ですが、どちらにしても乳腺外科医としては失格です)