ここでは(画像診断で決着がつかなかった場合の)二次診断としての位置づけとなります。
「経験」による「技量」により(医師によって)大変な差が出る検査であることに注意が必要
最初に提示する「細胞診」は(差が出る)最たるものであり、それ故(時に)悲劇が生じます。
≪細胞診≫
これは、(単純に)注射器と注射針です。
針が細いので出血せずに、「最も」簡便で低侵襲な検査
何故、技量に差がでる(難しい検査)なの?
これだけが(全自動ではなく)完全手動の検査であるからなんだ。
「しこり」に針を刺しただけでは「細胞」は採れず、簡単に「検体不良」となってしまう。
この細胞診を極めるには、「しこり」の中心に針を入れる「精度」がまずは必要
更に、その「しこり」の中で(自ら)針をグリグリ回しながら「上下左右」に動かす(まさに手動)必要がある。
これが(慣れないと)結構難しい。
細胞診で「検体不良」となる最大の要因は(中心部を正確にさせない)「精度」と(針を上手く動かせない)「手動の技術」なのです。
今週のコラム 104回目 バネ式針生検の登場は、(あたかも全自動洗濯機の登場のように)現場を変えたのです。
をご参照ください
≪CNB core needle biopsy ≫
所謂「針生検」といえば、これのことを刺します。
バネ式で「ガシャン」と組織を採取するので(細胞診とは異なり)「猿」でもできます。
≪CELERO≫
CNBが「バネ式」だったのに対し、これは「吸引式」であることが異なる。
CNBより太い針で(尚且つ)「吸引圧」を用いて(組織を引き込みながら)採取するので,より「多くの」組織を採取できます。
≪MMTE≫
所謂「エコー(ガイド)下マンモトーム生検」です。
これは、CNB / CELEROとは異次元の組織採取量なので、「最強の組織診断device」の称号があります。
特に「腫瘤非形成性病変」注 2 )と言われる所見の確定診断には欠かせません。
注 2 ) 画像上、均質でない病変(病理学的にも均質ではない)
腫瘤非形成性病変
このような病変ではCNB/ CELEROでは確定診断とはなりません。
MMTEは、(強力な吸引圧で)この「病変全体を採取」できるので、
「腫瘤非形成性病変」に対する唯一の手技となります。
≪ST-MMT≫
石灰化に対する「唯一の」検査
マンモグラフィーで挟むことで「乳腺を固定」し、
(マンモグラフィー画像で)石灰化の位置を確認し、
(その位置を)コンピューターで計算し、その部位を採取します。
使い分けの実際
・ 鎖骨下リンパ節
筋肉の裏側、大血管の傍
こんな危ない位置にあるものは「細胞診」しかできません。
・ 均質なシコリ(特に良性を疑う場合)
これは「線維腺腫」ですが、CNBで十分です。
・ 均質なシコリ(癌や葉状腫瘍を疑い、CNBより「多くの」組織が必要な場合)
葉状腫瘍
葉状腫瘍は「より多くの」組織採取でグレード(良性・境界悪性・悪性)の参考とします。
・ 腫瘤非形成性病変
このような病変は「MMTE」でしか診断できません。
「組織診」の最後に
これら検査には術者による技術の差あり、そのことは常に意識すべきです。
以下、参照
細胞診
今週のコラム 105回目 「前医で細胞診良性」を信じられない私をご理解ください。
をご参照ください。
CNB
今週のコラム 72回目 何故、そんな病院(江戸川)で手術するの? うち(海沿い病院)で手術してあげるよ!
のcase 1をご参照ください
今週のコラム 106回目 「前医でCNB(バネ式)良性」を信じられない私をご理解ください。
をご参照ください
今週のコラム 208回目 「5mmと小さいから、上手くできないかも…」 そもそも、その発想に問題あり。『超音波で見えるものは、たとえ3mmでも100%確定診断しなさい』
の症例2をご参照ください
今週のコラム 229回目 『最初の一歩を間違わない』ために!
をご参照ください
ST-MMT
今週のコラム 203回目 難関症例のレベルが違うことに愕然とした3症例
をご参照ください