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全摘か温存か

[管理番号:6809]
性別:女性
年齢:32歳
病名:乳癌
症状:胸のしこり しこり側の肩から脇の違和感

初めまして。

小さい子供2人を抱えての乳癌告知で途方に暮れていた時、こちらを知り田澤先生のコメントを読み、恐れなくていいんだと勇気を頂きました。

私の場合、7月末に会社の健康診断にてオプションで乳がん検診。
マンモで異常なく、触診でしこりを指摘されました。

翌日精密検査を受け、エコーで境界不明瞭とのことで針生検を2本取られました。

10日後に出た結果は悪性を否定できないとのことで、追加の染色検査と市内の総合病院への紹介を受けました。

一週間後の総合病院の初診ではエコーを受け、8月下旬に再度エコー。

乳腺の状態から9月初旬にMRIと2度目の針生検4本を取りました。

その一週間後に出た結果です。

しこりの大きさ 14.5×9
浸潤癌
グレード1
ホルモン受容体あり
HER2おそらくなし(追加検査中)
ki67低い
リンパへの明らかな転移なし
ステージ1

MRIにて対側ももやもやした部分があり針生検しました。

今日その結果と、CT、骨シンチをする予定です。

今の時点ではリンパへの転移は見られないし、現状での遠隔転移は心配ないだろうとのことでPETはしないそうです。

そこで田澤先生のご意見を頂きたいです。

乳房に関しては全く思い入れもなく、それよりも再発リスクを下げたいという思いから私の状態では必要ないかもしれませんが全摘を希望しています。

左も癌であれば両胸全摘で、落ち着いた頃に再建すればいいと思っています。
ですがもともと伸びにくい皮膚のようで妊娠線がものすごく出たので、ちゃんと伸びるのか少々心配もあります。

乳頭温存の場合はどれくらい再発リスクがあるのでしょうか。

乳腺だけ全摘すればある程度は再発リスクは下がるのでしょうか。

先生は乳頭温存は勧められますか?

車で40分くらいのところに実家がありますが高齢の母のためあまり負担を掛けられません。
子供たちをちゃんと育て上げるまで出来る限り再発リスクを下げておきたいのです。

よろしくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

物事はシンプルに考えましょう。
まず「再発」を「局所再発」と「遠隔転移再発」に明確に分けて考えなくてはいけません。

温存は「乳房内再発のリスクは上げる(全摘には乳房が無いのだからリスクはゼロ)」が「遠隔転移再発のリスクは同じ」

「乳頭温存の場合はどれくらい再発リスクがあるのでしょうか。」
「乳腺だけ全摘すればある程度は再発リスクは下がるのでしょうか。」

→上記通り。

 再発と一括りにせず、「乳房内再発」と「遠隔転移再発」に分けることから始めましょう。
 「乳頭を温存」すれば、「乳頭に再発するリスク」があります。

「先生は乳頭温存は勧められますか?」
→全摘とは本来「乳腺を全摘」することで、「局所再発を避ける」ために行うのだから「乳頭も含めた切除とすべき」と思います。

 
 

 

質問者様から 【質問2 MRIで写らない病変】

性別:女性
年齢:33歳
病名:乳癌
症状:胸のしこり、肩こり

先生お世話になります。

前回「全摘か温存か」で質問したものです。

誕生日を挟みましたので年齢が変わっています。

先生に乳腺は切除すべきとのお返事を頂き心が決まりました。

乳頭を残せるなら再建ももう少し楽になるかな?とつい悩んでしまいましたが初心に返り、なぜ全摘を選択したのかを思い返すことができました。

数日前に手術前最後の診察があり、あとは入院を待つばかりの状態です。

当初は腫瘍径14.5mm×9mm、あきらかなリンパ節転移も無いのでステージ1とのことでした。

ですが先日の担当医から執刀医への引き継ぎで執刀医より、
「しこり自体は足が伸びているようになっていて2cmくらいありそうだし、超音波技師からは全体で4cmくらいあるかもと言われている」と言われ少し動揺してしまいました。
入院後に執刀医が再度エコーで見るとおっしゃっています。

MRI後に2cmくらいかもとは担当医から言われていたのでステージが1つ上がるのか…と少し気落ちしましたがでも田澤先生もステージ2も初期と仰っているしあとは治療するだけ!と気持ちを持ち直したのに…です。

これで4cm全てが浸潤とは思いませんが、リンパ節転移の可能性が高くなっているかと思うと気持ちが沈みます。

MRIは広がりの確認に使われるとのことでMRIに写っている部分だけだと思っていたのに、エコーでしか確認できないこともよくあるんでしょうか?またMRIで写らないガンもあるという事でしょうか?
主人が心配で沈んでしまって…。

安心させる材料がほしいです。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

申し訳ありませんが…
明らかに「物事の本質を外して」無意味なことを考えています。

全摘するのだから、「乳房内の拡がりはどうでもいい」ことであり、術後の病理結果に関しては「MRIだろうがUSだろうが」病理学的所見(病理学的浸潤径)を予測することは不可能なのです。

★余計なことを心配することなく、やるべきことをやる。私がアドバイスできるのはそれだけです。

 
 

 

質問者様から 【質問3 センチネルリンパ節への転移なし】

性別:女性
年齢:33歳
病名:乳がん
症状:右乳房しこり

田澤先生、お世話になります。

温存か全摘かで質問させていただいている者です。

この度無事に手術が終わり、センチネルリンパ節生検で4個中転移0個で同時再建もしました。

現在病理結果待ちですが、術前の病理とサブタイプが同じだった場合ホルモン治療のみで良いのでしょうか。

仮に病理結果でセンチネルリンパ節への微小転移があった場合は放射線治療もした方がいいのでしょうか。

腫瘍径2cm程度
ホルモン感受性あり
HER2陰性
ki67低い
ルミナールA

腫瘍径が同じだった場合、センチネルリンパ節に転移がありとなしでは
再発リスクはどれくらい違うものなんでしょうか?

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「この度無事に手術が終わり、センチネルリンパ節生検で4個中転移0個」
⇒おめでとうございます。
 良かったですね!

「術前の病理とサブタイプが同じだった場合ホルモン治療のみで良いのでしょうか。」
⇒そうなります。

「仮に病理結果でセンチネルリンパ節への微小転移があった場合は放射線治療もした方がいいのでしょうか。」
⇒微小転移では放射線は不要。

「腫瘍径が同じだった場合、センチネルリンパ節に転移がありとなしでは
再発リスクはどれくらい違うものなんでしょうか?」

⇒全く無意味。

 迅速診断で転移無なのだから、無意味なことを考えるのは止めましょう。

 
 

 

質問者様から 【質問4 病理結果】

性別:女性
年齢:33歳
病名:乳がん 充実腺管がん
症状:しこり

先生、いつもお忙しい中ありがとうございます。

全摘後、病理結果が出ました。

乳房切除術
センチネルリンパ節生検 陰性(2個中0個)
腋下リンパ節郭清 なし
浸潤がん(充実腺管がん)
エストロゲン受容体 陽性 スコア3b
プロゲステロン受容体 陽性 スコア3b
組織学的異型度 グレード1
ki67 16%
脈管浸潤 あり
腫瘍全体の大きさ 50×30ミリ
浸潤径 18ミリ
HER2スコア 2+
FISH法 陰性
切除断端 陰性
臨床病期 ステージ1

予想外に全体の大きさがあったことと、先生に相談させて頂いた乳頭部にスキップして非浸潤がんが存在しており結果的に全て切除して正解でした。

相談して本当に良かったです。

今後はタモキシフェン20mgとゾラデックスでの治療の予定です。

ゾラデックスとリュープリンの差はあまりないと言われましたがリュープリンは注射の針部分に少しだけ薬剤が残るから気分的にはゾラデックスの方がいいけどねとの主治医の言葉からそちらを選択しましたが、田澤先生はどちらを勧められますか?

術後の病理結果が出るまでずっと術前と結果が変わっていたらどうしようと不安でいっぱいでした。

結果、浸潤径も2cmを下回っておりほっとしたところです。

大丈夫!と安心してもいいですか?
治療以外に気をつけることはありますか?

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

「田澤先生はどちらを勧められますか?」
→どちらも一緒でです。

「治療以外に気をつけることはありますか?」
→ありません。
 考えすぎるのはやめましょう。

 
 

 

質問者様から 【質問5 ホルモン治療の副作用?】

性別:女性
年齢:33歳
病名:乳がん
症状:腰痛、背痛

いつも勉強させて頂いています。

前回管理番号6809にて全摘か温存かで質問させて頂いたものです。

現在術後5カ月目、ゾラデックス +タモキシフェン にて治療中ですが少し時間も経って落ち着いてきたところでお聞きしたいことが出てきましたのでお願いします。

10月中旬に右側全摘し同時にエキスパンダーを挿入しました。
術後少ししてから術側の胸骨と肋骨の継ぎ目あたりが時々ツキンと痛むようになり、現在でも続いています。

痛みは数分続き治ります。

最初は術後だからかなと思っていましたし、その後は神経の回復のせいかな?など自分に言い聞かせていますが、ホルモン治療前からなので治療の影響ではなさそうだし長く続くのでなんとなく気持ち悪いです。

術後1ヶ月後からホルモン治療が始まりましたが、3ヶ月後の今年1月頃から腰痛、背痛、骨盤周りが痛むようになってきました。

痛いと言っても激痛ではなく、生理中のような鈍痛。
お風呂に入るとあまり気にならなくなります。

浸潤径18ミリ、リンパ節転移なし、ルミナールAのT1cN0M0の早期(ですよね?)なので術後こんなに早くの転移などないだろうと思ってはいても、やはり少々心配になります。

これらの症状はゾラデックス、タモキシフェンどちらかの影響と思っていて良いのでしょうか?
私は腫瘤がD領域の乳腺の端ギリギリのところにありD領域の広範囲に非浸潤部が広がっていました。
この部分からは胸骨方向へは流れにくいですか?先生の見てこられた中でD領域腫瘤から胸骨傍リンパ節のみに転移した例はありますか?
センチネルリンパ節生検は陰性でしたが痛みのせいでついつい胸骨転移や、胸骨傍リンパ節への転移が不安になります。

また、術後に主治医から非常によく動くしこりだったから胸筋側への影響も心配ないでしょうと言われましたが、病理結果では深部断端までが4ミリでした。
問題ないですか?

1月に胃の内視鏡を受ける際に一緒に腹部エコーをしてもらった結果、異常無しでした。
腹部エコーではどの部分の異常がわかりますか?肝転移くらいですか?

まとまりのない文ですみません。
よろしくお願いします。

 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。

まずは、重要なことを指摘しておきます。
「リンパ節転移に症状(痛みなど)は、絶対に無い」

「センチネルリンパ節生検は陰性でしたが痛みのせいでついつい胸骨転移や、胸骨傍リンパ節への転移が不安」
→全くナンセンス!(上記コメント参照)
 ご安心を。