[管理番号:1773]
性別:女性
年齢:50歳
来月12月中旬に大学病院にて乳ガンの手術を予定しております。
昨年9月、今年3月と乳腺専門医の開業医の元でマンモ、超音波検査をしていましたが(左胸乳首の少し上部に石灰化があるということで、念のために経過観察、シコリはなしでした)なのに、3月の検診後まだ半年の今年9月に超音波で8ミリのシコリが確認され、細胞診で悪性となり、現在受診中の大学病院に。
大学病院での針生検の結果
判定区分 悪性 推定組織 硬癌 ホルモン受容体 ER 90% Pgr20% ki67
20% Hercep Test 1+
E cadherin 弱陽性
です。
また、シコリの大きさはMRIの結果17ミリまでになっていました。
こんなに急速に大きくなっているので、とても悪いものではないかと心配です。
担当医は温存+放射線治療+ホルモン療法で大丈夫だとおっしゃってますが、信用しても大丈夫なのでしょうか?
ご回答、よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「こんなに急速に大きくなっているので、とても悪いものではないかと心配」
⇒違います。
①「3月にシコリ無し」⇒②「9月に8mm」⇒③「11月?17mm」
質問者はこの①から③までの変化について「急速に大きくなっている」と考えていらっしゃるようですが、これには「カラクリ」が存在します。
まず①の時点で「本当にシコリが無かったのか?」超音波は「技量に差がある」ので注意が必要です。
また③は「あくまでもMRIでの所見」です。 「(超音波よりも)MRIの方が正しいか?」と言う問題は置いておくとして、(この差は)「超音波とMRIの見え方の違い」にすぎません。
サブタイプが「ルミナールA」ですので、「そんなに急速に大きくなる」とは思えません。
「担当医は温存+放射線治療+ホルモン療法で大丈夫だとおっしゃってますが、信用しても大丈夫なのでしょうか?」
⇒大丈夫です。
MRIを撮影しての「拡がり判断」なので問題ありません。
質問者様から 【質問2】
おはようございます。
解りやすいご回答ありがとうございました。
3月の時点でシコリが既にあり、半年の期間で急速に大きくなったのではないのなら、こんなに心配しなくてすむのですが、担当医師にそのことが一番きがかりで、このスピードで大きくなるなら、手術の時にはもっと大きくなっていて温存では取り残しになるのではとか、質問しても「大丈夫」だけで、一番気になってる点(短期間でシコリが)については曖昧にされてしまいます。
もう一つ疑問点があるのですが、術前の針生検のときに、担当医師ではなく経験浅そうな医師に超音波の画像のシコリがと
ても色が淡くて小さいので、ちゃんと採れてなかったら、次回またやり直しさせて下さいと言われましたが、やり直しはなく検査結果が出てるということは、それについては問題ないのでしょうか?(やり直しになるかもしれないと言ってたので、不十分で結果に正確さが欠けることがある?)
そのため、術後の病理検査と極端に結果が変わる可能性はあるのでしょうか?
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「やり直しはなく検査結果が出てるということは、それについては問題ないのでしょうか?」
⇒問題ありません。
「そのため、術後の病理検査と極端に結果が変わる可能性はあるのでしょうか?」
⇒その心配はありません。
質問者様から 【質問3】
12月10日に温存手術を終え、結果がでました。
術前、2センチないと言われたものが3センチで術中検査をして陰性でしたが、結果乳頭側に断片陽性となりました。
またリンパの転移もまずないと断言されてましたがセンチネルリンパ一個摘出して、その中に転移がありました。
主治医は取残しについては、部分麻酔で少し摘出すれば大丈夫だと。
また、センチネルリンパも一個しかなかったので、奥のリンパにまで転移はないと思う…と。
色々、不安や不信感が出てきてこのまま主治医の言われるとおりに治療を進めていいのか心配になってきました。
なので先生に診察、相談をうけたいのですが、紹介状やいまの病院の画像データなどなくても、よろしいでしょうか。
診察していただけますか?
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「術前、2センチないと言われたものが3センチで術中検査をして陰性でしたが、結果乳頭側に断片陽性となりました。」「またリンパの転移もまずないと断言されてましたがセンチネルリンパ一個摘出して、その中に転移がありました。」「主治医は取残しについては、部分麻酔で少し摘出すれば大丈夫だと。また、センチネルリンパも一個しかなかったので、奥のリンパにまで転移はないと思う…と。」
⇒このあたりは、「断端陽性の程度」や「センチネルリンパ節転移が微小転移なのか肉眼的転移なのか」によっても異なると思います。
♯「センチネルリンパ節転移の術中迅速病理診断による取り扱(追加郭清の基準)」については、術前に合意がなされている筈ですが…
「なので先生に診察、相談をうけたいのですが、紹介状やいまの病院の画像データなどなくても、よろしいでしょうか。診察していただけますか?」
⇒セカンドオピニオンですね。
大丈夫です。
ただし「時間枠の問題」で予約はお待ちいただくとは思います。
ご理解をお願いします。
質問者様から 【質問4】
来月○日にセカンドオピニオンの予約が取れましたので、その際はどうか宜しくお願いします。
現在かかっている病院に江戸川病院宛の紹介状と必要データもそれまでに準備してもらえるよう手続きも済んでいます。
術前の治療予定では放射線+ホルモン療法でしたが、断端陽性と病理検査の結果
センチネルリンパ1個摘出に転移が、確認されたため抗がん剤を薦められ、断端陽性に対し対しても抗がん剤+放射線をすれば追加手術は不要だと言われました。
私自身、抗がん剤に抵抗があり、オンコDX検査を申し込みました。
オンコDXの検査がわかるのが今月末で、現在無治療状態なので、断端陽性、リンパ転移のことがとても不安(遠隔転移してしまわないか、のこりのリンパに転移しないか)なのですが、大丈夫でしょうか?
もう1つ気になっているのは温存手術後一ヶ月過ぎましたが、腫瘍があった場所やメスの切り口がある乳輪近くをお風呂の時に手でさわったり、軽く押さえるとまだ痛みがあり、脇の下や腕、背中あたりに時々、なにか腫れぼったいような違和感を感じることもあります。
この様な症状は一般的にどのぐらい続くのでしょうか。
ご回答よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「乳頭側断端陽性」と「センチネルリンパ節転移陽性」ということでしたね。
焦点は、「センチネルリンパ節転移の程度」となりそうです。
「微小転移(≦2mm)」であればいいですが、「肉眼転移(≧2mm)」の場合は追加郭清も選択肢となります。(施設基準により異なります)
「センチネルリンパ1個摘出に転移が、確認されたため抗がん剤を薦められ、断端陽性に対し対しても抗がん剤+放射線をすれば追加手術は不要だと言われました」
⇒「ルミナールA」なので、「リンパ節転移1個で抗がん剤」というのは、どうでしょうか?
それよりは「センチネルリンパ節転移は局所の問題」として「全身療法(薬物療法)」と切り離して考えるべきと思います。
○質問者は「オンコタイプDX」をされているようなので、(最終的には)それを参考にしてもいいでしょう。
「断端陽性、リンパ転移のことがとても不安(遠隔転移してしまわないか、のこりのリンパに転移しないか)なのですが、大丈夫でしょうか?」
⇒それは全く問題ありません。
遠隔転移は全く考える必要ないし、「リンパ節も(もし残存しているとしても)急速にすすむことはありません」ご安心を
「温存手術後一ヶ月過ぎましたが、腫瘍があった場所やメスの切り口がある乳輪近くをお風呂の時に手でさわったり、軽く押さえるとまだ痛みがあり、脇の下や腕、背中あたりに時々、なにか腫れぼったいような違和感を感じる」
⇒1カ月では「仕方が無い」と思います。
2~3カ月は様子をみてください。
質問者様から 【質問5】
田澤先生、こんばんは。
いつもお世話になっています。
12月の温存手術後の病理検査の結果、断端陽性とセンチネルリンパ陽性になり、2月○日に田澤先生にセカンドオピニオンをお願いしているものです。
田澤先生のご意見を伺ったあと早急に今後の治療方針を決めないといけないので、こちらのサイトで毎日勉強させて頂いています。
担当医師からはリンパ節転移があるため、抗がん剤を勧められ抗がん剤をすれば断端陽性も追加手術しなくてよいとだけ言われましたが、ルミナールAではリンパ節転移の数によっては抗がん剤を使用しなくても良いのですね…。
ただ私の場合、センチネルリンパ節自体が一個しかなかったので、その一個に転移があったとしても、それ以上は摘出できないので術中検査もしなかったそうです。
なので、
まったくリンパ節転移の数がわかりません。
追加でリンパ節郭清するしか方法はないのでしょうか?
担当医師は転移していれば大きくなってきて年に一回の画像検診のときに見つかるから、その時に摘出すれば良いと言ってましたが…?
田澤先生なら、超音波検査で残りのリンパ節の転移の有無を診断していただけるのでしょうか。
もしそうであるならば、セカンドオピニオンの日に、セカンドオピニオンとは別枠で診察もして頂くことはできますでしょうか?
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
「担当医師からはリンパ節転移があるため、抗がん剤を勧められ抗がん剤をすれば断端陽性も追加手術しなくてよいとだけ言われました」
⇒どうも「抗がん剤を免罪符にしようとしている」ように見えますが、実際は全く別次元の問題です。
「ルミナールAではリンパ節転移の数によっては抗がん剤を使用しなくても良いのですね…。ただ私の場合、センチネルリンパ節自体が一個しかなかったので、その一個に転移があったとしても、それ以上は摘出できないので術中検査もしなかったそうです。」
⇒以前の回答でもコメントしましたが…
本来、「センチネルリンパ節生検については、施設としての方針」があり、「術前に患者さん側と合意がされている」必要があります。
質問者の「センチネルリンパ節転移の状況」が「微小転移なのか肉眼的転移なのか」は不明ですが…
「微小転移ならば追加郭清は省略する」とか「肉眼的転移でも3個以内ならば追加郭清は省略して、その代わり放射線照射を行う」とかです。
どうも、「その点が曖昧」に見えます。
「まったくリンパ節転移の数がわかりません。追加でリンパ節郭清するしか方法はないのでしょうか?」
⇒もしも「微小転移」だったとしたら「それ以外には無」としていいと思いますが、「肉眼的転移だった場合には、そうなります」
「担当医師は転移していれば大きくなってきて年に一回の画像検診のときに見つかるから、その時に摘出すれば良いと言ってましたが…?」
⇒「年に1回」では、あまりにも「無責任」でしょう。
もしも「心配なら、3カ月に1回、自ら超音波をする」責任があります。
「田澤先生なら、超音波検査で残りのリンパ節の転移の有無を診断していただけるのでしょうか。」
⇒有る程度、判断はできると思います。
○特に勧める訳では無いですが(もしも心配ならば)「術後暫くしてからPETを撮影する」という手はあります(術後直ぐでは、手術操作部位に取り込みが出てしまい無意味です)
「もしそうであるならば、セカンドオピニオンの日に、セカンドオピニオンとは別枠で診察もして頂くことはできますでしょうか?」
⇒過去にもそのように希望されたケースがありましたが、「制度上、無理」なのです。
また後日となります。
質問者様から 【質問6】
田澤先生、こんばんは。
2月4日にセカンドオピニオンを受けた者です。
その折は、ありがとうございました。
その時の内容は、断端陽性の追加切除が必要かどうか(放射線治療が遅れてしまうが)、病理結果でリンパ節陽性、2年前に子宮摘出しているため閉経が定かでない場合のホルモン療法についてでした。
○○日に部分麻酔で追加切除をしました。
その日の診察時に再度、主治医に血液検査をして欲しいとお願いしましたが、きっぱり血液検査はしないと言われました。
その理由はSOFT試験のデータであまり関係ないことがわかってるので、50才の私は閉経後の治療になる。
SOFT試験をネットで検索してみましたが、読んでも理解できず、それが50才の私が閉経前だろうが後であろうが関係なく閉経後のホルモン療法になるのか、わかりません。
また、3ヶ月毎のエコー検査も必要ないと言われてしまったので、放射線治療が始まる前に3月か4月に、田澤先生にエコー検査と血液検査をお願いしたいのですが。
江戸川病院では血液検査の結果は、すぐにわかるのでしょうか?
自宅から江戸川病院まで約二時間程かかるので、できれば診察当日に血液検査の結果もわかると嬉しいのですが。
午後の診察予約でも、大丈夫なのか教えて下さい。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答6】
こんにちは。田澤です。
「主治医に血液検査をして欲しいとお願いしましたが、きっぱり血液検査はしないと言われました。」「50才の私は閉経後の治療になる。」
⇒これは「明らかな誤り」です。
乳癌学会のガイドラインでも「閉経前乳癌に対して、アロマターゼ阻害薬の単独使用は行うべきでは無い」推奨度D であり、
更に「閉経期に対しても、アロマターゼの単独使用は基本的に勧められない」推奨度C2 となっています。
○よって、「閉経を確認」しないかぎり「閉経後の治療=アロマターゼインヒビター」は行うべきでは無いのです。
それを確認せずに「年齢が50歳だから、閉経として」治療を行うとは「とんでもない」ことです。
「3ヶ月毎のエコー検査も必要ないと言われてしまった」
⇒「追加郭清していないけど、リンパ節は腫れてきたら摘出すればよい」と言っているのに「大変、無責任な診療」と非難されるべきです。
ただ、そもそもホルモン療法で「3カ月に1回通院」するわけだから、その際に「腋窩を超音波で見る位」何故できないのか?
「江戸川病院では血液検査の結果は、すぐにわかるのでしょうか?」
⇒「エストラジオール」は「外部委託」なので「結果は後日」となります。
「午後の診察予約でも、大丈夫なのか教えて下さい。」
⇒(残念ながら)午前でも、午後でも「診察当日には結果は出ない」のです。
質問者様から 【質問7】
こんばんは、田澤先生。
いつもお世話になっています。
2月にセカンドオピニオンをして頂いたときに、
断端陽性の追加手術から放射線治療までかなり日があきそうなので、
放射線治療前に先生に超音波検査をお願いし、江戸川病院に予約を入れたのですが、
思ってたより放射線治療が早く開始でき江戸川病院の予約前になったので一度キャンセルしました。
本日、30回の放射線治療が終わり照射部分は赤茶色になりヒリヒリ痛痒い状態で保湿クリームとリンデロンを処方されました。
今回は先生に3つ質問したいことがあります。
よろしくお願いします。
1、放射線治療後の皮膚がどのような状態になれば超音波検査は可能でしょうか?
2、江戸川病院にはセカンドオピニオンの時に持参したデータがあると思いますが交通の便から、メディカルプラザ市川の予約を取りたいのですが、よろしいでしょうか?
3、子宮摘出のため閉経を確認するための血液検査ですが、大学病院の担当医に拒絶されたので自宅近くのクリニックで血液検査をしてきました。
結果はエストラジオールE2 5未満、卵胞刺激ホルモン52,8 、黄体形成ホルモン27、5で閉経してるでしょうと言われました。
この結果から、ホルモン療法に使うお薬はアロマターゼ阻害薬のみで良いのでしょうか?
抗エストロゲン薬は不要ですか?アロマターゼ阻害薬は、田澤先生でしたら、どのお薬がお薦めでしょうか?
来週、乳腺外科の放射線治療後の診察がありホルモン療法が開始、処方される予定なので何がよいのが知っておきたいのでよろしくお願いします。
田澤先生から 【回答7】
こんにちは。田澤です。
「1、放射線治療後の皮膚がどのような状態になれば超音波検査は可能でしょうか?」
⇒赤みがとれて、「入浴時にヒリヒリしない」状態です。
照射後「2カ月」もすれば大丈夫でしょう。
「2、江戸川病院にはセカンドオピニオンの時に持参したデータがあると思いますが交通の便から、メディカルプラザ市川の予約を取りたいのですが、よろしいでしょうか?」
⇒大丈夫です。
ただ、その電話予約の際に、スタッフに「江戸川病院に資料があります」とお話してください。
そうすると(事前に)取りよせできます(画像データは共有していますが、カルテは取り寄せが必要なのです。
「エストラジオールE2 5未満、卵胞刺激ホルモン52,8 、黄体形成ホルモン27、5で閉経してる」
⇒その通りです。
「この結果から、ホルモン療法に使うお薬はアロマターゼ阻害薬のみで良いのでしょうか?」
⇒その通りです。
「抗エストロゲン薬は不要ですか?アロマターゼ阻害薬は、田澤先生でしたら、どのお薬がお薦めでしょうか?」
⇒アナストロゾール(アリミデックス)です。