Site Overlay

母が乳がんの疑いです

[管理番号:1039]
性別:女性
年齢:54歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:1045「大学病院での診療

 
 
はじめまして。
先日母(54歳・閉経間近?)が右胸下部のしこり(1円玉くらいの)を発見し、病院(乳腺専門のクリニック)でマンモとエコーと触診を受けたところ、
1.1cmほどの腫瘍が見つかり、大学病院で精密検査(生検?)を受けることになりました。
しこりを見つけたきっかけは、右胸下部のすじのようなくぼみを見つけ、触るとしこりがあったからだそうです。
色々調べましたので、手術して病理検査してみないと転移があるかなど分からないというのは理解しているのですが、確率として、1.1cmのしこりは早期と言えることが多いのでしょうか?(小さくてもステージやグレードにより進行している場合があるのは知っています)
実際触った感じよりもエコーで測ると1.1cmだったので、小さく感じるのですが、
手術してみたら思ったより大きいこともよくあるのでしょうか?
この時点で遠隔転移をしている可能性も結構あるのでしょうか?
また、リンパに転移していなくても、遠隔転移することもあるのでしょうか?
胸に横に入ったすじのようなくぼみがあって発見に至ったので、私は乳がんの可能性は高いと一応覚悟しています。くぼみがあっても悪性でない確率は結構ありますか?
またくぼみがあるので、万が一ガンだったら既に非浸潤ではないですよね?
この大きさなので、せめてステージⅠであることを願っていますが、ステージⅡやⅢであることも結構あるのですか?
あと、ステージⅠのグレードが悪いものより、ステージⅡのグレードが良いもののほうが予後は良いのでしょうか?
病院では左胸下部にもしこりは確認できないもののエコーだととても小さく映るものがあるらしいのですが(これは先生もよく分からないと言っていたらしいです)、これは転移なのでしょうか?
ちゃんと治療すれば、片胸の乳がんと予後の生存確率などは変わらないのでしょうか?
母はもともと乳腺症の持ち主で、定期検診は受けていたのですが、前回からはたまたま1年半経っていました。今までの検査では乳腺症と言われたことはあるものの(乳腺症のしこりは今回の発見箇所と大体一緒だったらしいです)、ガンの疑いで引っかかることはありませんでした。今までは見分けがつかない?とか小さすぎて見つけられなかったのかもしれませんが。
乳がんはゆっくり進行するといいますが、1年半で1.1cmに育つ可能性もあるのですか?
そうだった場合、進行が早いガンだから転移や再発の可能性は高いのですか?
母は今思い返すと、水を飲むと右胸のあたりが痛むような気がした時もあったし、右側の肩から腕の中がこるので整体に行ったこともありました。(整体に行くとよくなったそうです。また、痛くなってきてはいるそうですが)
以上のような症状もあり、しこりがたとえ1.1cmでもリンパや遠隔転移があったらととても心配しています。
今回病院ではリンパのしこり等の指摘はなかったのですが、エコーをとる時は普通医師ならリンパも確認しますか?
紹介状には右下のしこりのとこにマークがしてあるだけらしいです。
大学病院も混んでいると思うので、生検の結果がでるまでも時間がかかると思います。
一般的な回答で構いませんので、今回のような場合のステージやグレード、再発の可能性等教えてください。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 お母さんが「乳癌の疑い」で精密検査ですね。
 お気持ち、お察しします。
 「グレード」と「進行度」についてまず説明します。
○進行度=ステージ
 「腫瘍の大きさ」と「リンパ節転移の状況」で決まります。
○腫瘍の性格=(核)グレード
 核グレードは癌細胞の「核異型スコア」(顔つき)と「核分裂像スコア」の2つを足して決めます。
★進行度(ステージ)とグレードは完全に独立した因子として考えなくてはなりません。
 『グレードが高い腫瘍でも、小さい状態で見つかればステージは早期』であるし、逆に『グレードが低い腫瘍でも、(時間をかけて)大きい状態でみつかればステージは進行』となるのです。

回答

「1.1cmのしこりは早期と言えることが多いのでしょうか?」
⇒早期だと思います。
 通常1.1cmのしこりであれば、リンパ節転移の可能性は低いです。
 「リンパ節転移が無ければ」 cT1c, cN0, cStageⅠ
 「もしも、リンパ節転移があれば」 cT1c, cN1, cStageⅡA
 ♯どちらにしても早期です。
 
「小さくてもステージやグレードにより進行している場合があるのは知っています」
⇒これは、質問者の勘違いです。
 「進行」=「ステージ」です。
 ステージは「腫瘍の大きさ」と「リンパ節転移の有無」で決まります。
 ○グレードは「進行には全く無関係」です。
 
「手術してみたら思ったより大きいこともよくあるのでしょうか?」
⇒「画像診断での大きさ」と「術後の病理診断での浸潤径(顕微鏡的大きさ)」は通常はそれ程大きな違いはありません。
 
・「病理診断での浸潤径」<「画像診断での大きさ」となる場合 
 腫瘍の大部分が非浸潤癌であり、「浸潤部分が小さい」ケース
・「病理診断での浸潤径」>「画像診断での大きさ」となる場合
 「画像で腫瘍と判断」した範囲を超えて「画像で見えない」細かい浸潤が「顕微鏡で明らかとなる」ケース
 
「この時点で遠隔転移をしている可能性も結構あるのでしょうか?」
⇒私の経験上、この段階で「遠隔転移の可能性」は「ほぼゼロ」です。考える必要はないでしょう。
 
「また、リンパに転移していなくても、遠隔転移することもあるのでしょうか?」
⇒あります。
 リンパ節転移(リンパ行性転移=リンパ管を通っての転移)と遠隔転移(血行性転移=血管を通っての転移)は全く別物です。
 ♯「リンパ節転移」は遠隔転移の「リスク因子」の一つにすぎません。
 
「くぼみがあっても悪性でない確率は結構ありますか?」
⇒実際に診察している訳ではないのですが、おそらく「dimpling sign」だと思いますので、「癌の可能性」が高そうです。
 
 
「またくぼみがあるので、万が一ガンだったら既に非浸潤ではないですよね?」
⇒その理解で正しいです。
 
 Dimpling signは「癌のクーパー靭帯の引っ張り込み」により起こります。
 クーパー靭帯を引っ張り込むためには「癌細胞が乳管内からクーパー靭帯が存在する皮下脂肪層に浸潤」する必要があるのです。
 
「この大きさなので、せめてステージⅠであることを願っていますが、ステージⅡやⅢであることも結構あるのですか?」
⇒可能性は低いです。
 強いて可能性を言えば★となりますが、11mmの腫瘍では「リンパ節転移は無い」確率が高いです。(ステージⅡbやⅢは考える必要はありません)
 cStageⅠはcT1, cN0
cStageⅡAはcT2, cN0もしくは★cT1, cN1
cStageⅡBはcT2, cN1もしくはcT3, cN0
cStageⅢはcT3, cN1もしくはcN2もしくはcT4となり現実的ではありません。 
 ♯ T1(腫瘍径≦20mm), T2(20mm<腫瘍径≦50mm), T3(50mm<腫瘍径), T4(潰瘍形成や胸壁固定など)  N1(通常のリンパ節転移), N2(リンパ節転移が高度である状態)   「ステージⅠのグレードが悪いものより、ステージⅡのグレードが良いもののほうが予後は良いのでしょうか?」
⇒例外はありますが、
 基本的に「ステージが予後と相関する」と考えてください。
 
「これは転移なのでしょうか?」
⇒乳癌が「対側乳腺に転移することは」ありえません。
 万が一癌だとしても「それは、右とは全く別」です。
 
「ちゃんと治療すれば、片胸の乳がんと予後の生存確率などは変わらないのでしょうか?」
⇒その通りです。
 (万が一)両側乳癌だとしたら、「その内の進行度の進んだもの」が予後の対象となります。
 
「乳がんはゆっくり進行するといいますが、1年半で1.1cmに育つ可能性もあるのですか?」
⇒11mmであれば、1年半前に「画像上はっきりしない」ことも十分あります
 
「そうだった場合、進行が早いガンだから転移や再発の可能性は高いのですか?」
⇒1年半で11mmというのは「決して進行が早くはありません」
 
「エコーをとる時は普通医師ならリンパも確認しますか?」
⇒通常は行います。
 
「今回のような場合のステージやグレード、再発の可能性等教えてください」
⇒腫瘍径11mmからだけでは
 「ステージ」がおそらくⅠ期(ⅡA期の可能性もあり)と言う事しかわかりません、。
 
 「グレード」は「針生検など組織検査」をしなくては不明です。予測は不可能です。
 「再発の可能性」も「リンパ節転移の有無」と「核グレード」が不明では予測不可能です。
 ♯針生検の結果「核グレード」と腋窩超音波の結果「リンパ節転移の有無」が判明したら、解りますので「再度QandAしてください」

Scroll Up