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トリプルネガティブ術後の化学療法について

[管理番号:4898]
性別:女性
年齢:46歳
田澤先生
初めてメールさせていただきます。
昨年検診で左胸にしこりが見つかり、3ヶ月おきに経過観察をしていたのですが、
年末に引き攣れるような違和感があり、4月の経過観察時に訴えたところ、
経過観察中(こちらは良性と診断されました)とは別に腫瘍が発見され、
細胞診・MRIの結果、トリプルネガティブ、進行が早いタイプであるとの診断が下り、
5月(下旬)日に左胸全摘手術(再建予定)受けました。
術後組織検査の結果は以下の通りでした。
—————-
浸潤性乳管癌
(pT1b,NoMo,stageⅠ)
核グレード2
ER 0,PgR 0, (陰性)
HER1- 1+  →陰性
大きさ1.0×0.8×0.9cm、
リンパ節転移なし
Ki-67 50%
ly 0
v 0
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大きさが1cmあったので、以下の①か②の化学療法をすすめられました。
① EC-DOC
② TC療法  
シングルでフルタイム勤務で働いており、副作用もかなり重いと聞いていますので、
化学療法を受けるか受けないか、また受けるとすれば①か②のどちらにするのか、
を決断するために、ご助言をいただければありがたく存じます。
・化学療法を受けた場合と受けなかった場合の再発リスクはどのくらいになるでしょうか。
・先生でしたら化学療法を勧められますか?
 その場合、先生の勧められる療法をお知らせください。
 提示されている①EC-DOC ②TC療法 またはそれ以外
[管理番号:4048トリプルネガティブの治療について]の回答(以下)も読ませていただき、
私の場合も、腫瘍径1cmですので、「化学療法を考慮する」だが、
日本の標準療法としては「5mm以上なら化学療法は必須」ということで、
化学療法を受けた方がよい、ということになるのであろうと思いつつ、
個別のケースとしてご回答いただければ幸いです。
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NCCNのガイドライン(トリプルネガティブ)では
腫瘍径≦5mm 無治療
5mm<腫瘍径≦10mm 化学療法を考慮する
10mm<腫瘍径   化学療法が必須
以上となります。
○その意味で質問者は「化学療法を考慮する」とはなりますが
(つまりNCCNのガイドラインでは化学療法は必須とは言えない)、
日本の標準療法としては「5mm以上なら化学療法は必須」となります。
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どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
質問者の理解されている通りです。
浸潤径1cmが焦点となります。
NCCNのガイドライン通り、「考慮する」程度なので(ご本人が希望しないのであれば)「無治療」とするのに、いささかの躊躇いもありません。
「・化学療法を受けた場合と受けなかった場合の再発リスクはどのくらいになるでしょうか。」
⇒17%(受けない)⇒9%(受けた場合) つまり上乗せは8%となります。
「・先生でしたら化学療法を勧められますか?」
⇒勧めます。
 ただし、希望が無ければ無治療でも構いません。
「その場合、先生の勧められる療法をお知らせください。」
⇒TC療法