[管理番号:7307]
性別:女性
年齢:33歳
病名:乳癌
症状:
田澤先生こんにちは。
いつも田澤先生のQ&Aを参考にさせていただいております。
ステージIIIc
腫瘍 12×14×18mm
リンパ節転移12(腋窩)
核グレード3
ki67 80%
高度リンパ管侵襲あり
v0
ホルモン感受性 90%
HER2 陰性
全摘とリンパ節郭清済み。
術前ステージ1か2との診断から、術後のリンパ節転移数でステージIIIcとなりました。
年齢やリンパ節転移数などからハイリスクとのことで、ddEC×4回、ドセタキセル×4回、放射線、ホルモン療法のフルコース予定です。
質問①田澤先生の回答で腫瘍径が小さいのは最大の武器というのをお見かけしますが、それは私のような場合にも該当するのでしょうか。
病理結果とステージから再発が不安です。
質問②大人しいタイプでは無い方が抗がん剤で叩きやすいのでしょうか。
現在、腫瘍が小さめだったこと以外に希望を持てる所がなく、今後の治療を頑張るモチベーションに繋げたいです。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「質問①田澤先生の回答で腫瘍径が小さいのは最大の武器というのをお見かけしますが、それは私のような場合にも該当するのでしょうか。」
→その通り。
「質問②大人しいタイプでは無い方が抗がん剤で叩きやすいのでしょうか。」
→抗がん剤のターゲットは「DNA合成や細胞分裂」そのものなので、「大人しいタイプではない=抗がん剤のターゲットとなる(効きやすい)」という図式は間違いありません。
「現在、腫瘍が小さめだったこと以外に希望を持てる所がなく」
→このように考えたらいいと思います。
ステージと予後は関係する。これは間違いあまりません(これを否定したら「何のためのステージ?」となるからです)
ただし、私が「小さいことは最大の武器」とコメントしているのには「理由」があります。
本日そのことについて「ブログ」にあげるので一読ください。
「今後の治療を頑張るモチベーション」
→リンパ節転移は血行性転移とは違います。
その状態はあくまでも「局所」なのです。
今のうちに「最大限の努力」をすることで、「最大限の効果(再発率の低減)」を上げられる=モチベーションが持てる
そういうことです。
質問者様から 【質問2 】
再発率と今後について
性別:女性
年齢:34歳
病名:乳がん
症状:
田澤先生
前回は回答いただきありがとうございました。
ステージ3CのルミナールBですが、dd ECとddパクリタキセル 、放射線、ホルモン治療10年と全てを行なった場合、再発率は通常のステージ3の20~30%程と考えて良いのでしょうか。
リンパ節転移10個でも20個でも予後が良いのが乳がんという他の方への回答から、自分に当てはめて考え、おおよそのパーセンテージを知りたいと思いました。
また、今後ホルモン療法をしていく上で、このようなステージでも治療10年の途中で中断し、妊娠を希望することは可能なのでしょうか(卵子凍結はしておりません)。
年齢のこともあるので、10年後では難しいと考えております。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「ステージ3CのルミナールBですが、dd ECとddパクリタキセル 、放射線、ホルモン治療10年と全てを行なった場合、再発率は通常のステージ3の20~30%程と考えて良いのでしょうか。」
→そう思います。
「10年の途中で中断し、妊娠を希望することは可能なのでしょうか(卵子凍結はしておりません)。」
→可能です。
抗がん剤による卵巣毒性を考えれば卵子凍結すべきだと思います。
質問者様から 【質問3 】
リンパ節転移に関して
性別:女性
年齢:34歳
病名:乳がん
症状:
田澤先生
こんにちは。
いつも回答いただきありがとうございます。
また質問させて頂きます。
リンパ節転移が多くても予後が良いのが乳がん、ということは理解しました。
ですが、そこで1つ疑問があります。
田澤先生は「リンパ行性転移と血行性転移は別物」と仰っていますが、それではなぜリンパ節転移の数が多いほどステージが上がるのでしょうか。
これは、通常は腫瘍の大きさとリンパ節転移の進行具合は比例するという考えからなのでしょうか。
(ステージ3Cは腫瘍の大きさに関係なく、となっていますが、、)
「リンパ節転移していると全身に回っているから遠隔転移しやすい」というような情報も見かけますが、リンパ行性と血行性が別であればそれは違うのではないか、と思うのですが。
(最近はこちらのサイト以
外はもう見ないようにしておりますが)どうぞよろしくお願いします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「なぜリンパ節転移の数が多いほどステージが上がるのでしょうか。」
⇒これは理屈ではありません。
「予後因子」として統計学的に調べた際に「腫瘍径」と「リンパ節転移の数」が有
意差があったのです。
★それ以外の因子(皆さんの好きな「グレード」とか、「脈管侵襲」は予後因子としては不十分だったのです。 だから「参考程度」なのです)
回答としては上記となります。(単純に「事実だから」ということです)
ただ、(これだけでは「素っ気なさすぎる」ので)「何故、そうなるのか?」解釈すると…
「大きさ」も「リンパ節転移」も単純に、「時間軸=癌が臓器転移を起こすだけの余裕を与えてしまった」と結びつくからだと思います。
「リンパ節転移していると全身に回っているから遠隔転移しやすい」
⇒理論上「全くの誤り」です。(リンパ節転移をしている≠血管の中を癌細胞が巡っている)
「リンパ行性」と「血行性」は全く別物。
事実は「リンパ節転移をしている」=「(リンパ節転移をしている人よりは)腫瘍が血行性転移を起こすだけの時間的余裕があった」=「(リンパ節転移のない人よりは)遠隔転移の確率が高い」
質問者様から 【質問4 】
注射を開始するタイミングについて
性別:女性
年齢:35歳
病名:
症状:
投稿日:2020年4月6日
田澤先生
こんにちは。
いつも回答いただき、ありがとうございます。
注射を開始するタイミングについて質問です。
化学療法で止まっていた月経が再開したら、注射を打ち始めるので受診してくださいと言われておりました。
この受診するタイミングというのは一般的に、月経が再開して一度終わり、次の月経までの間のことを指すのでしょうか。
いつ、というのを明確に伺っていなかったため、どうしようかと考えております。
よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「この受診するタイミングというのは一般的に、月経が再開して一度終わり、次の月経までの間のことを指すのでしょうか。」
⇒いつでも構いません
タモキシフェンを3か月毎に処方されている筈ですから、(定期受診の)まで「1か月ない」のであれば、(そのまま)定期受診時でいいと思いますが、(次回の定期受診まで)「1か月以上ある」のであれば、それまでに受診しましょう。