[管理番号:1775]
性別:女性
年齢:44歳
先日、がんの診断が下されました。
それ以来、こちらのページを見て励まされております。
海外在住なので、診断書を日本語に訳して頂いたのですが…
「浸潤性乳管がん 一部中級非浸潤性乳管がん成分を伴う」
との記載がありました。
非浸潤性と浸潤性が混在している。と言うことでしょうか?
しこりの大きさは1.2×0.8 ですが、一部非浸潤性を伴うのであれば実際
の浸潤径はしこりより小さくなるのともありますか?
ER>99%+ PR>95% HER2 2+ ki6710%+
ERとPRは術後の病理で陰性に変わると言うことはありませんか?
海外在住なのでこれから日本に帰りの治療予定です。
手術の日程なども決まっておりません。
手術は12月末ごろになりそうですが、其の間に病状が悪くならないかと
不安でいっぱいです。
まとまりの無い文書で申し訳ありません。
よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「非浸潤性と浸潤性が混在している。と言うことでしょうか?」
⇒その通りです。
それは珍しい事ではありません。
ちなみに「中級」という表現は(核グレードが)「中等度異型」と読み替える必要があります。
「しこりの大きさは1.2×0.8 ですが、一部非浸潤性を伴うのであれば実際の浸潤径はしこりより小さくなるのともありますか?」
⇒(可能性としては)あります。
「ERとPRは術後の病理で陰性に変わると言うことはありませんか?」
⇒それは絶対にありません。
(万が一、そのようなことがあったら)「手術標本のホルマリン固定負不良」など「手術標本の結果の方を疑わなくてはなりません」
「手術は12月末ごろになりそうですが、其の間に病状が悪くならないかと不安でいっぱいです」
⇒「リンパ節についてのコメント」がありませんが…
腫瘍径や「luminalAであること」など「急速に進行」とは「無縁」と思います。
12月中であれば、「全く心配無用」と思います。
質問者様から 【質問2】
先日はご回答頂きありがとうございました。
実家に戻り公○病院で診察して頂きました。
手術の日にちが決まりホッと一息なのですが、温存か全摘かで迷っております。
私としては、毎日放射線治療に通うのが辛いので全摘を希望していますが、もしリンパ節への転移があった場合(4本以上、と、このページで勉強させて頂きました)放射線治療が必要となりますよね。
現在、エコーの検査ではリンパ節に異常はないので全摘を希望していますが、実際手術してみたらリンパ節への転移があり、放射線治療が必要になるのであれば、温存したいと考えております。
そこで、質問なのですが…
実際、リンパ節への転移の数が分かるのは術後の病理でしか分からないものなのでしょうか?
放射線治療を回避するために 全摘 を選択しても結局、リンパ節への転移があり、放射線治療をするのであれば温存したい。
と言う、考えに至りました。でも、これは無理な事なのでしょうか?
(術後病理でしか転移の状況が分からないから)
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
公○病院での手術なのですね。
実家が仙○だったのですね。
幸運と言えます。
「もしリンパ節への転移があった場合(4本以上、と、このページで勉強させて頂きました)放射線治療が必要となりますよね」
⇒その通りですね。ただ「4本」ではなく「4個」と変更させてください。
「リンパ節転移1個~3個」推奨度B
「リンパ節転移 4個以上」推奨度A
となります。
医師によっては「推奨度B」でも勧めるかもしれません。
「実際、リンパ節への転移の数が分かるのは術後の病理でしか分からないものなのでしょうか?」
⇒解りません。
術前の画像診断では限界があります。
「明らかにゴロゴロした転移がある」場合は明確ですが「無い事を証明」することは不可能です。
♯「探し物」を探す際に(見つかれば)「あることは証明」できますが、(見つからない時に)『本当に(その部屋に)無いのか? それとも、ただ単に探せていないだけのか?』証明することは非常に困難なのです。
「放射線治療を回避するために 全摘 を選択しても結局、リンパ節への転移があり、放射線治療をするのであれば温存したい。と言う、考えに至りました。でも、これは無理な事なのでしょうか?」
⇒これに対しては「一つだけ、方法」があります。
それは、「術前に」センチネルリンパ節生検だけを行う方法です。
これであれば、「予めリンパ節転移の有無が判明」できるので迷う必要は無くなります。
ただ「全身麻酔の手術を2回受ける必要」があることと「公○病院では、あまり変速的な事をしたがらない」という2つの問題点があります。
○その方法を勧めている訳ではありません。あくまでも「選択肢の一つ」ということです。