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ステージ3の再発不安

[管理番号:8266]
性別:女性
年齢:71歳
病名:乳癌
症状:
投稿日:2020年1月31日

病名  乳癌浸潤癌
手術日 2019・5・13 右乳癌全摘 腋窩リンパ郭清レベルⅡ
病理結果 浸潤部26ミリ  脈管侵襲 ly(-) v(-)  断端(陰性)
     リンパ転移(9個中5個)  乳癌の顔つきHG (2)
     ホルモン感受性 ER(+) PGR(+)  HER2 (発現無し)
     ki67(20%)
補足説明 ステージ3A (エコーガイド下乳房針生検では2Bとの説明だったが、リンパ転移数が
     5個でステージが上がった)
     サブタイプはルミナルAとBの間
     ki67は高いとも低いとの言えない、基準が確立していない
     リンパ転移数でオンコタイプDXの対象外

術後の治療 ステージ3Aの標準治療を提案されて受けた
      2019・6月初旬からパクリタキセル12週
      2019・8月末から3週間毎に4回 ドキソルビシン・シクロホスファミド
      2019・11月末から放射線25回
      2020・1月10日からホルモン治療 レトロゾール内服
           (ホルモン感受性はMAXと病理で出ているとの説明があった) 

乳癌手術までの経過
      2019・1月に地元病院で心臓のCT検査を受けた際に肺癌の疑いが指摘されて
      ガン専門の拠点病院に紹介状がでた。2月(上旬)日受診。

      様々な検査を受け、2月末のPETCT検査で右乳房に異常有りの指摘。乳腺外科受診。

      肺癌は左肺腺癌の初期との診断で3月(下旬)日に胸空鏡手術。

      左肺上葉切除・縦郭リンパ節郭清
      病理結果はステージ1A2で術後治療はなし
      その後、乳癌の手術を5月(中旬)日にうけた
      肺癌も乳癌も原発の多重ガンでした

質問1・浸潤癌としか聞いていません。
皆さんの質問を見ていると、硬がんとか乳頭腺管ガンとか小葉ガンとかのガンとかの詳しい記載が見られます。
浸潤癌でも種類によって治療法は変わるものなのですか。

これからでも浸潤癌のどういう種類だったのか、主治医に聞いた方が良いでしょうか。

ステージ3Aの私が受けた標準治療は現在のエビデンスからは妥当なものと受け止めて良いですか。

質問2・放射線治療は術後5か月以内に始めた方が良いという記載をみました。
私は6か月半後のスタートでした。
既に終わってしまった放射線治療です
が、この点は再発転移への影響など、今後に何かリスク要因となりますでしょうか。

質問3・リンパへの転移数を見ると、患者の中には16とか20以上のリンパをとり、その中の何個に転移というような記載があります。
私は9個で5個の転移でした。
郭清の際のリンパ数とはこれほど人によって違いがあるのですか?
私は自分が総数が少ないと感じました。
転移したリンパが郭清されずに残残ってしまったのではないかとの不安がよぎるのです。

リンパ節転移の数は予後因子としては一番大きいという事ですが、
リンパ節転移数が多い事をどう受け止めたら良いのでしょうか。

質問4・先生のコラム185回 2019・5・19を読むと、リンパ節転移は通常リンパ管を通って次のリンパ節へしか進展しないのだが、節外浸潤するとその浸潤巣から血管へ入りり、血行性転移への原因となりうると書かれています。

血行性転移のリスクや転移したという事は、どのようにしてわかるものなのでしょうか。

私の病理結果では、脈管侵襲はマイナスでした。
これは血行性転移が起こってないと考えて良いのでしょうか。

質問5・ステージ3Aの再発率、5年生存率を教えてください。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「質問1・浸潤癌としか聞いていません。
皆さんの質問を見ていると、硬がんとか乳頭腺管ガンとか小葉ガンとかのガンとかの詳しい記載が見られます。
浸潤癌でも種類によって治療法は変わるものなのですか。」

→変わりません。

「これからでも浸潤癌のどういう種類だったのか、主治医に聞いた方が良いでしょうか。」
→あまり意味がありません。(組織型はどうでもいいものです)

「ステージ3Aの私が受けた標準治療は現在のエビデンスからは妥当なものと受け止めて良いですか。」
→そのようです。

「質問2・放射線治療は術後5か月以内に始めた方が良いという記載をみました。
私は6か月半後のスタートでした。
既に終わってしまった放射線治療ですが、この点は再発転移への影響など、今後に何かリスク要因となりますでしょうか。」

→皆さん、勘違いされる方が多いですね!(困ったものです)

 5か月以内とは、あくまでも「抗がん剤しない場合」です。
 抗がん剤(特にanthracycline+taxaneはそれ自体6か月もかかります)をすると、
「当然ながら」5か月を過ぎます。それは当然のことなのです。

「質問3・リンパへの転移数を見ると、患者の中には16とか20以上のリンパをとり、その中の何個に転移というような記載があります。
私は9個で5個の転移でした。
郭清の際のリンパ数とはこれほど人によってによって違いがあるのですか?私は自分が総数が少ないと感じました。
転移したリンパが郭清されずに残残ってしまったのではないかとの不安がよぎるのです。」

→これも勘違い。

 正常リンパ節は人によっては「認識できない位小さい」こともあるので、郭清したリンパ節全てを病理に提出しているわけではないのです。
 正常リンパ節もある程度(反応性に)認識できる位コロコロしている患者さんの場合には「必然的に」総数が多くなります。
 

「リンパ節転移の数は予後因子としては一番大きい」
→ステージを考えれば解りますが…(ステージは浸潤径とリンパ節転移で決まります)

 「腫瘍の大きさ(浸潤径)」と「リンパ節転移の個数」が予後に影響します。(だからステージなのです)
 リンパ節転移だけに注目する必要はありません。

「リンパ節転移数が多い事をどう受け止めたら良いのでしょうか。」
→ステージに関係する以上
 「ステージ相応のリスク」と捉えて(やるべき)治療をするしかないのです。

「血行性転移のリスクや転移したという事は、どのようにしてわかるものなのでしょうか。」
→リスクは…
 ステージ相応

 転移したという事は…
 腫瘍マーカーや画像診断でないと解りません。

「私の病理結果では、脈管侵襲はマイナスでした。
これは血行性転移が起こってないと考えて良いのでしょうか。」

→脈管侵襲は無関係(参考程度)

「質問5・ステージ3Aの再発率、5年生存率を教えてください。」
→再発率と5年生存率は一緒ですが…

 全ての治療をすれば 70~80%の5年生存率(再発率は20~30%)位だと思います。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

予後因子ついて
性別:女性
年齢:71歳
病名:乳癌浸潤癌
症状:ステージ3の乳癌
投稿日:2020年2月13日

1月31日に初めて投稿しました。
丁寧な回答を有難うございました。
いつも質問がクローズになってしまうので急いで書いて送信しました。
お願い文もご挨拶分もつけずに失礼いたしました。

肺と乳癌という多重癌の告知をうけて、ショックと絶望感で心のバランスを崩し、食べられず眠れない日々が続きました。
精神腫瘍科のカウンセリングと処方を受けながら、二つの手術と乳癌の標準治療を受けてきました。
2月(上旬)日で告知から1年が経過しました。
最近やっと心が落ち着きつつあり、何とか病と向き合えるようになりました。

肺癌は早期で治療は不要で経過観察に入っていましたが、乳癌も2月(上旬)日から3か月おきの経過観察に入りました。
治療から解放された安堵感の一方で、
主治医に会う機会が間遠くなり、体に変化を感じると不安に襲われる日々です。

先生のコラムは全て読みました。
記憶力の低下で覚えられない事の方が多いですが、解説で知識も得られ安心もできました。
時々読み返しています。
皆さんのさんの質問も毎日読んでいます。
みんな頑張っている、私も頑張らないと元気づけられます。

1月31日の質問に続いていくつかお尋ねしたいことがあります。

宜しくお願い致します。

主治医は信頼できると思っています。
相性も悪くありません。

でも振り返ると、私が心を病んでしまったから、先生はあまりショックを与えるような話はしないようにと気を使っていたように思います。

病理結果の説明も書面通りで淡々としていました。

私も質問する余裕はありませんでした。
今頃になっていろいろ私なりに疑問や不安が芽生えています。

質問1・浸潤徑と転移リンパ個数が予後に影響するとの事ですが
浸潤徑が26ミリというのは、大きいのでしょうか。

リンパ転移数は5個でした。
これもかなりリスクの高い数なのでしょうか。

質問2・高齢者の癌の再発転移は、リスクが若い方に比して低い、遅いという情報もあれば
全くそのような事はないという情報も目にします。
多くの患者さんを診ている先生の経験からはどのような感じでしょうか。

質問3・放射線治療は頸部から鎖骨までかなり広範囲でした。
主治医はリンパから最も近く再発転移の懸念あり、治療した。
標準治療との説明でしたが、その部位への再発は多いのですか。

質問4・2か月前から左胸のうしろの方に背部痛があります。
鈍い痛みで我慢できないものではありませんが気になります。
外用薬のロキソニンテープを貼ってもその時は軽快しますが、貼らないと痛みを感じます。
抗がん剤治療を終えて1か月半が経過していて、骨転移の不安が芽生え12月中旬に乳腺腫瘍内科を受診。
医師は筋肉痛ではないかとの事でした。
都度検査を実施するのが良い訳ではないし、今後の経過観察の中で腫瘍マーカーや必要なら検査を実施する、あまり考えすぎず暮らした方が良いと言われました。

2月6日の血液検査では、ALPが383でした。
前回11月(上旬)日は348
 10月(中旬)日は258と
抗がん剤治療中から毎回数値が上がっています。

CAはずっと9前後で推移してきました。

CA15-3は抗ガン剤治療中、ずっと基準値内で11月(上旬)日は9・1でした。

CEAも基準値内で11月(上旬)日は2・5でした。

2月(上旬)日の外科診察時には特段この数値に触れる話はなく、5月に腫瘍マーカーの血液検査と左乳房のエコーとマンモを実施すると言われました。

この程度の数値の変化は骨転移を疑うような数値ではないのでしょうか。

骨転移は数値に表れず、痛みが先にでて発症することはないのでしょうか。

右乳房を全摘しましたが、体のバランスがやや崩れて左側に負担がかかり、左背部、背骨などに痛みを生じるような患者さんはいるでしょうか。

質問5・私はステージは3Aでした。
ステージ3はABCと分かれますが、ひっくるめてひっくるめて5年生存率は70%という事ですね。

初期治療時ステージ3の人のうち7割の人が5年生存しているということは、
その7割とは再発転移なく5年経過した人、転移して治療中だが生存している人、元気な人も厳しい状況の人も様々な人が含まれるという事ですか。

それとも治療中に遠隔転移した時点で、そこからステージ4の生存率を見るのでしょうか。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「質問1・浸潤徑と転移リンパ個数が予後に影響するとの事ですが
浸潤徑が26ミリというのは、大きいのでしょうか。
リンパ転移数は5個でした。これもかなりリスクの高い数なのでしょうか。」

→26mmは比較的小さい部類です。
 リンパ節転移4個以上は「中等度」リスクと言えます。(これで3期となるわけですから)

「質問2・高齢者の癌の再発転移は、リスクが若い方に比して低い、遅いという情報もあれば
全くそのような事はないという情報も目にします。
多くの患者さんを診ている先生の経験からはどのような感じでしょうか。」

→年齢は無関係です。

「質問3・放射線治療は頸部から鎖骨までかなり広範囲でした。
主治医はリンパから最も近く再発転移の懸念あり、治療した。
標準治療との説明でしたが、その部位への再発は多いのですか。」

→多くはありませんが、標準治療です。

「この程度の数値の変化は骨転移を疑うような数値ではないのでしょうか。」
→その通り。
 腫瘍マーカー「だけ」気にすればいいのです。

「骨転移は数値に表れず、痛みが先にでて発症することはないのでしょうか。」
→痛みが強くなれば検査してもらいましょう。

「右乳房を全摘しましたが、体のバランスがやや崩れて左側に負担がかかり、左背部、背骨などに痛みを生じるような患者さんはいるでしょうか。」
→それが一番ありそうな解釈です。

「質問5・私はステージは3Aでした。
ステージ3はABCと分かれますが、ひっくるめて
ひっくるめて5年生存率は70%という事ですね。」

→そんなイメージです。

「初期治療時ステージ3の人のうち7割の人が5年生存しているということは、
その7割とは再発転移なく5年経過した人、転移して治療中だが生存している人、元気な人も厳しい状況の人も様々な人が含まれるという事ですか。」

→「生存率」とはその通りです。

 ただ「無再発生存」で70%位だと思います。

「それとも治療中に遠隔転移した時点で、そこからステージ4の生存率を見るのでしょうか。」
→違います。

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