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浸潤性小葉癌

[管理番号:6400]
性別:女性
年齢:63歳
先生、いつも参考にさせていただいています。
本当にありがとうございます。
63歳の母の事で相談させて下さい。
1月にシコリを見つけて、4月の初めに左乳房全摘手術を受けました。
リンパ節郭清もありました。
先日、術後の病理検査の結果が出て母が聞いてきたのですが、母に確認しても良くわからないので、いただいてきた用紙を元に先生に質問させて下さい。
左乳癌
浸潤性小葉癌
リンパ節転移あり(1/11)
HER2蛋白スコア 1+
切除断端 陰性
腫瘤径 4.2cm
組織HG II
エストロゲン受容体 陽性
プロゲステロン受容体 陽性
増殖能(ki-67)10%
上記の結果を受けて、術後の治療は今月末から抗がん剤+ホルモン療法をすることになったそうです。
TC療法(3w×4回)
タキソテール+エンドキサン
この状態というのは、どう言う状態なのでしょうか。
ステージはいくつですか。
小葉癌とは細胞が細かくて身体に散らばりやすく再発、転移しやすいのでしょうか。
HG II とはグレード2ということで、リンパにも転移があったし予後は良くないのでしょうか。
5年、10年生存率はいくつになるのでしょうか。
昨年父を胃ガンで亡くしたばかりで、今度は母まで亡くなると考えたら悲しくてしかたないです。
沢山聞いてしまい、質問も的を得ていないかもしれません。
申し訳ありません。
先生どうか教えてください。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
私には…
何故抗癌剤をするのか?全く不明です。
☆「リンパ節転移が1個あった」とか「腫瘍径が大きかった」からと言って抗癌剤が効くこととは無関係です。
 抗癌剤が効くタイプ(性質)ならば、(リンパ節転移や腫瘍径にかかわらず)抗癌
剤は効くし、効かないタイプ(性質)ならば、(リンパ節転移がどうであれ)「抗癌剤は効かない」のです。
 『今週のコラム 131回目 「進行しているから」と言う理由で「効かない筈の治療に我慢する」それでいいのですか? (付記)「ホルモン療法と抗癌剤」は全く別の作用であり、「強い、弱い」ではないのです。
「上記の結果を受けて、術後の治療は今月末から抗がん剤+ホルモン療法をすることになったそうです。」
⇒Ki67=10%はルミナールAとして「抗癌剤による上乗せはない=抗癌剤は無意味」と思います。
「この状態というのは、どう言う状態なのでしょうか。」
⇒?
 根治術(手術)が為されて、これから術後治療(サブタイプに応じた治療)をしようという状態です。
 
「ステージはいくつですか。」
⇒pT2(42mm), pN1(1), pStage2Bです。
 あくまでも早期の部類です。
「小葉癌とは細胞が細かくて身体に散らばりやすく再発、転移しやすいのでしょうか。」
⇒考え過ぎです。
 実際は「大人しい小葉癌」です。
「HG II とはグレード2ということで、リンパにも転移があったし予後は良くないのでしょうか。」
⇒グレードは無関係です。
 リンパ節転移も(ステージが上がりはしますが)遠隔転移と直接の関係はありません。
「5年、10年生存率はいくつになるのでしょう」
⇒それが知りたければ…
 OncotypeDXしましょう。
 ルミナールタイプはAとBが混ざっている統計は無意味なのです。