[管理番号:4845]
性別:女性
年齢:45歳
このような素晴らしいサイトがあり感謝します。
毎日読ませて頂いてます。
私も質問させて下さい。
よろしくお願い致します。
30歳の時に、脂肪注入による豊胸手術を受けています(後悔してます)。
それ以来2度目になる乳ガン検診を先月受け、マンモ、エコーをしました。
マンモでは左右に石灰化が数か所見つかっただけでしたが、エコーでは以前からある線維腺腫(1.2cm程の楕円形)のシコリの中に白ゴマのような点が1つ写り、エラストグラフィーをして頂いたらレベル6でした。
先生には、「線維腺腫もガン化する事があるし、石灰化してるから、細胞診しておこう。」と言われ、細胞診をして頂きました。
(20代のの頃からコロコロ動く小さいしこりがあり、28歳の時に細胞診を受け、線維腺腫と言われました。)ですが、今回の診察時に貰った説明書には、線維腺腫と葉状腫瘍のところに両方○がしてありました。
こういう経緯でしたので、線維腺腫がガン化しているものと思いすっかり落ち込んでいましたが、細胞診の結果は、「異常細胞を認めるが良性:クラスⅡ 成熟脂肪細胞や双極裸核細胞と共に、二相性を示す結合性良好な乳管上皮細胞の集塊が認められる。
異型性は無い。
(円柱上皮
細胞1+ 赤血球1+ 好中球1+ リンパ球少々)」と書いてあり、先生には「良性だから半年後にまた経過観察に来て。」と言われただけでした。
・それで、ご経験豊富な田澤先生のご意見をぜひ伺いたいです。
シコリの中の白ゴマのような白い点は、やはり石灰化だと思われますか?このような所見は良くあるのでしょうか…?
レベル6なので、細胞診では良性という結果でも、もっと詳しく調べた方が良いと思われますか?こちらのQ&Aを読ませて頂いて、エコーで異常な所見がある場合、細胞診ではなく針生検の方が良かったのではないかと思っています。
半年待たず組織診をしてはっきりさせて欲しいとお願いした方が良いでしょうか?その場合、どの種類の生検が良いですか?マンモではシコリは写りませんでした。
・これは私の勝手な想像なんですが、、脂肪注入の際、このシコリ内に注入の注射針が刺さり、脂肪が入り込み、それが中で壊死し石灰化しているというような事は考えられないでしょうか…?
・細胞診の時、先生が針を刺しながら、「うーん、軟らかいな」とおっしゃっていたのですが、エラストグラフィーで6なのに軟らかいという事事はあるのでしょうか?また、そのエラストグラフィーでは、ネットで書いてあるように硬い部分(シコリ全体)は青ではなく黒で表示されていました。
青より更に硬度が高い場合、黒で表示されるのでしょうか?
・今は良性でも、ガン化する可能性が将来的にあるなら、今のうちに切除して貰いたいと思っています。
ガン化してるかどうかはっきり分からないまま手術する場合、切除の範囲はガンや葉状腫瘍と同じようにマージンを十分取らないといけないですか?
・色々読んでいて、たぶん自分のシコリはずっと大きさもあまり変わり無いようなので、葉状腫瘍ではなく線維腺腫かな…と思うのですが、葉状腫瘍でも良性ならこんなに長い間あまり大きさの変わらないものもあるんでしょうか?
脂肪注入していますので、これから先も色々不安です…。
大勢の方が命にに関わる状態で田澤先生のところを受診されている中、私も本当はこれからの経過観察も含めて田澤先生に診て頂きたいのですが、皆様のようには切羽詰まった感じでもなさそうですし、無理でしょうか…?検査、結果、手術、抜糸など含めて、何度ぐらいの受診ですみますか?
つまらない質問で申し訳ありませんが、ご回答何卒宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まずご指摘したいのは「粗大石灰化を伴う線維腺腫」はむしろ「粗大石灰化を伴っているから」癌ではないな。と安心できる材料だということです。
その意味で「石灰化してるから、細胞診しておこう」というのは誤った考え方です。
♯特に今回はマンモグラフィーで(微細石灰化ではなく)粗大石灰化を確認しているわけだから、(粗大)「石灰化はむしろ安心材料」と捉えるべきです。
また「線維腺腫もガン化する事がある」というのも誤りで、(実態は)形状だけで「長年線維腺腫だと思われていた、実は大人しい癌」などを(非難をかわすために)「線維腺腫が癌化した」などと表現しているにすぎません。(乳腺症からの癌化も全く同様)
「レベル6なので、細胞診では良性という結果でも、もっと詳しく調べた方方が良いと思われますか?」
⇒不要です。
エラストグラフィ―は私も使っていますが…
あくまでも「参考程度」です。
「脂肪注入の際、このシコリ内に注入注入の注射針が刺さり、脂肪が入り込み、それが中で壊死し石灰化しているというような事は考えられないでしょうか…?」
⇒そのような「神がかり的な」偶然よりも…
普通に「線維腺腫が陳旧化」する過程でできる「粗大石灰化」だと思います。
「青より更に硬度が高い場合、黒で表示されるのでしょうか?」
⇒違います。
嚢胞(内容が液体)でも「黒」となります。
「今は良性でも、ガン化する可能性が将来的にあるなら、今のうちに切除して貰いたいと思っています。」
⇒癌化する事はありません。
「切除の範囲はガンや葉状腫瘍と同じようにマージンを十分取らないといけないですか?」
⇒その大きさ(1.2cm)の線維腺腫であれば、マージンは不要です。
粗大石灰化を伴う「典型的な」線維腺腫であれば(摘出してみたら葉状腫瘍だったというリスクは極めて低いので)マージンは不要です。
「葉状腫瘍でも良性ならこんなに長い間あまり大きさの変わらないものもあるんでしょうか?」
⇒ありますが…
質問者の場合は(粗大石灰化を伴っているのであれば)「線維腺腫」でしょう。
「私も本当はこれからの経過観察も含めて田澤先生に診て頂きたいのですが、皆様のようには切羽詰まった感じでもなさそうですし、無理でしょうか…?」
⇒無理ではありません。
ただ、緊急性は全くないと思いますので冷静になりましょう。(「メディカルプラザ市川駅」で普通に)予約してみましょう。
「検査、結果、手術、抜糸など含めて、何度ぐらいの受診ですみますか?」
⇒手術を希望するのであれば(たとえ、線維腺腫でもご本人が気になるなら摘出してもいいのです)その大きさの線維腺腫であれば「局所麻酔で十分」と思います。
その場合は「術前の診察」「(局麻)手術(勿論日帰り)」「術後の病理結果(+創部の確認)」 以上、3回です。
♯吸収糸(解ける糸)で縫合しているので抜糸はありません。そして消毒も不要なので(術後は)「病理結果の日だけで十分」なのです。(全麻の乳癌の手術もこれは同様です)