[管理番号:4231]
性別:女性
年齢:39歳
田澤先生はじめまして。
3児の母です。
昨年、右乳房にしこりらしきものを見つけ7月に受診。
マンモとエコーの結果、
MMG:右M-O集簇~区域性の微小円形石灰化を認め、C-3
US:右乳腺
①C領域 8.1㎜のcystic lesion(+)分葉形、辺縁に石灰化(+)
②B領域 9.4×7.2×8.5㎜ 不整形 内部エコー不均一、内部に微細石灰化(+)
USでのC領域がMMGの石灰化に相当する部分と思われます。
DCISか乳腺症の疑い
左乳房に異常なし。
との診断をうけました。
先生からは針生検を薦められましたが、そこの病院は予約がいっぱいでしたので、別の病院を紹介してもらい、そこで針生検(バネ式だったと思います)をしました。
結果は、
〈C領域〉乳腺組織が採取され、腺症、乳管の軽度拡張などが見られます。
乳管上皮細胞には有意な核異型はなく、筋上皮細胞が混在して、上皮の二相性は保たれています。
全体像からは乳腺症が疑われます。
〈B領域〉乳腺組織が採取され、腺症、乳管上皮細胞の増生などが見られます。
増生した乳管上皮の核の極性は乱れており、非浸潤性乳管ガンを示唆するような所見は認められません。
その他の乳管では筋上皮細胞が混在し、上皮の二相性は保たれています。
全体像からは乳腺症が疑われます。
とのことで良性でした。
その後は経過観察となりましたが、5ヶ月後のエコー検査で、
右乳房 ①B領域4°、NT約5cm、径10.9×5.8×10.0㎜ 不整形な底エコー域(+)血流(-)内部に小石石灰化か。
②CD領域9°、NT約5~6cm、径3.8×2.2㎜ 乳管が9時方向に拡張し、その一部分で石灰化(+)上記は石灰化の範囲です。
拡張乳管にも石灰化の部分にも血流(-)また②に隣接して嚢胞(+)径3.8㎜。
径1.6㎜の石灰化 カテゴリー3b~4
との結果がでて少し困惑しています。
針生検で乳腺症と診断されれば、
そこがガンになることはないと田澤先生のQ&Aで拝見しましたので、この結果をどう捉えて良いのかわかりません。
針生検で良性と出た以上、
安心しても良い結果なのでしょうか?それとも、まだ癌の可能性はあるということなのでしょうか?病院の先生からはあまり変化はないので、
また3~5ヶ月後に来てくださいと言われました。
その時はマンモとエコーをしましょうとのことでした。
田澤先生、お忙しい中すみませんがご回答のほどよろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
メールを拝見しました。
同様のケースを心配されて当院を受診される方も多いので、良くあるケースと言えます。
問題点を2つ指摘しておきます。
1.石灰化(右M-O集簇~区域性の微小円形石灰化を認め、C-3)が解決していない 質問者が検査したのは、あくまでも「超音波の所見」を「超音波ガイド下」に(バネ式)「針生検」していますが、(石灰化そのものをターゲットとした)「ステレオガイド下マンモトーム生検」を行ってはいない
♯(針生検で採取された)組織所見に「石灰化の記載」がないことから、「マンモグラフィーでの石灰化所見と一致している」という証拠がない。
2.(バネ式の)針生検の精度の問題
きちんと狙った組織を採取できているのか?
そもそも、(腫瘤非形成性病変だとすれば)バネ式針生検では不十分であり、確定診断では「マンモトーム生検が必要」である可能性
「針生検で良性と出た以上、安心しても良い結果なのでしょうか?それとも、まだ癌の可能性はあるということなのでしょうか?」
⇒上記コメント通りです。
私であれば…
①ステレオガイド下マンモトーム生検を行い、「石灰化そのものをターゲット」とする
②その上で、(石灰化と一致していない可能性のある)「超音波で気になる所見」があれば、それは「超音波ガイドのマンモトーム生検で100%確定診断」とします。
○確定診断の筈が「ずるずるとグレーのまま」経過観察することは私が最も嫌うことです。(参考までに)