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再発後の治療方について

[管理番号:7094]
性別:女性
年齢:43歳
病名:乳がん
症状:

田澤先生はじめまして。

よく拝見させて頂いております。

宜しくお願い致します。

2016年8月(41歳)
左胸皮下乳腺全摘術+背中広背筋同時再建術
センチネルリンパ節生検

病理結果
腫瘍径 2*0.5
リンパ節 0/5
エストロゲン受容体 陽性
プロゲステロン受容体 陰性
組織学的異形度 グレード2
脈管浸潤 なし
HER2 score 1+
HER2判定 陰性
Ki67 40~50%

抗がん剤も勧められましたが、強い勧めではなかったので、ホルモン治療のみにしました。

リュープリン2~3年
タモキシフェン5~10年

2018年11月(43歳)
2年少し過ぎて腫瘍マーカー数値が少し上がっていたため再検査。

CT、骨シンチ、MRIを受けたところ左脇リンパに異常あり。

細胞診の結果、グレード4でリンパ節転移
12月末にリンパ節郭清手術済み

現在、病理結果待ちですが、きれいに取りきれたが思ったよりリンパ転移数が多そうと聞いているのと、前回同様Ki67がまた高そうで不安です。

そこで今後の治療法についてのご相談なのですが、

①放射線治療はリンパ転移の4つ以上のみで、それ以下はしなくても大丈夫でしょうか?
それは今回のKi67は関係なく転移個数だけの判断でいいのでしょうか?

②抗がん剤はやはりするべきでしょうか?
それは今回のリンパ転移の個数やKi67にも関係しますか?
するとすればTC療法(3ヵ月)でしょうか?
少しでも効果あるならしてみようかなとゆう気持ちになってきました。

③抗がん剤と放射線をどちらもする場合、術後4ヵ月ほど先スタートでも遅くないでしょうか?
それまでホルモン治療はしたいと思います。

④抗がん剤→放射線治療の順番でなく放射線治療→抗がん剤でも出来るのでしょうか?

OncotypeDXをする余裕は無いので最終的に自己決断になるかと思いますが、病理結果が出たら参考にさせていただきたいと思います。

よろしくお願い申し上げます。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

そもそも、純粋な局所再発は(所謂)遠隔転移再発とは完全に切り離して考える必要があります。

「①放射線治療はリンパ転移の4つ以上のみで、それ以下はしなくても大丈夫でしょうか?」
→その通りです。

「それは今回のKi67は関係なく転移個数だけの判断でいいのでしょうか?」
→そもそも、その「発想」に問題があります。

 Ki67は「ルミナールタイプの際の抗がん剤をすべきか?」のためのものです。
(放射線の範囲をどうすべきか?とは無関係です)

「②抗がん剤はやはりするべきでしょうか?それは今回のリンパ転移の個数やKi67にも関係しますか?」
→関係しません。

 純粋に(初回手術時に)Ki67=40~50だったのでルミナールBとして(本来すべきだった抗がん剤を)「この機会に、(仕切り直しして)行う」という発想となります。

「するとすればTC療法(3ヵ月)でしょうか?」
→そうなります。

「③抗がん剤と放射線をどちらもする場合、術後4ヵ月ほど先スタートでも遅くないでしょうか?」
「④抗がん剤→放射線治療の順番でなく放射線治療→抗がん剤でも出来るのでしょうか?」

→問題ありません。

 
 

 

質問者様から 【質問2 再発後の治療方について】

性別:女性
年齢:43歳
病名:乳がん
症状:

お世話になっております。

田澤先生からの回答より抗がん剤をする決心がついたのですが、リンパ節再発が思っていた以上に多く23/30でかなりショックを受けています。

エストロゲン受容体:陽性
プロゲステロン受容体:陰性
グレード 2
脈間浸潤 不明
HER2 score:0
HER2判定:陰性
Ki67:20%

今後の治療は
アンスラサイクリンFEC
アブラキサン
放射線治療
タモキシフェンの順で2月までにはスタートすべき

そこでまた質問させてください。

①やはり今回のリンパの個数が多すぎて再発転移リスクがかなり上がったのでしょうか?

②最初の病理結果だけならTCで良いのかと思っていたのですが、この組み合わせの方が良いのでしょうか?

③白血球のお薬ジーラスタはした方がいいのでしょうか?

④アブラキサンは標準治療ではないのでしょうか?

⑤放射線は30回の方がいいですか?

田澤先生の治療方法を教えて頂けたら、また参考にさせていただきたく思います。

よろしくお願い申し上げます。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「①やはり今回のリンパの個数が多すぎて再発転移リスクがかなり上がったのでしょうか?」
→純粋な局所因子と捉えれば、遠隔転移再発のリスクがそれほど高くはないでしょう。(鎖骨上リンパ節などには照射が必要)

「②最初の病理結果だけならTCで良いのかと思っていたのですが、この組み合わせの方が良いのでしょうか?」
→根拠はありませんが…

 「気になる因子」として、アンスラサイクリン+タキサンが勧められることはありそうです。

「③白血球のお薬ジーラスタはした方がいいのでしょうか?」
→適応がありません。(TCのようにジーラスタが最初から適応となる薬剤ではありません)
 ただし、投与してみて「発熱性好中球減少症」になった場合には適応となります。

「④アブラキサンは標準治療ではないのでしょうか?」
→今回は「局所」とはいえ、「再発治療」という(保険診療上の)位置づけとなるので、抗がん剤は「何でもあり」となります。

「⑤放射線は30回の方がいいですか?」
→リンパ節に「+5回(Boost)という考え方はありません。

 
 


 

質問者様から 【結果3 再発後の治療方について】

性別:女性
年齢:43歳
病名:乳がん
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]

ご丁寧にお答えいただきありがとうございました。
かなり落ち込んでいましたが、田澤先生のお言葉に救われました。

今後の治療は
アンスラサイクリンFEC(ジーラスタは必要に応じて)
アブラキサン
放射線治療(25回でしっかり鎖骨上もあてる)
タモキシフェン
の順に頑張っていこうと思います。

お世話になりました。

<Q&A結果>