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右乳腺腫瘍1年以内の再発

[管理番号:8916]
性別:女性
年齢:45歳
病名:右乳癌
症状:
投稿日:2020年10月5日

初めて質問させていただきます。
ステージ1の浸潤性乳がんの患者です。

2019年12月(中旬)日に右乳房部分切除術とセンチネルリンパ節生検を受けました。

術前乳房MRI検査によると、右C領域に16×12mmとそれより外側に8.6mmの腫瘍が認められ切除。
針生検の組織所見は悪性、核グレード:Grade1 Nuciear atypiaScore:2 核分裂数Score:1 推定組織型:invasive ductal carcinoma.scirrhous type とあります。
病理結果ではルミナールB型HER2陰性で、Ki67が40%の高値のため術後補助療法として抗がん剤TC療法を4クール受けました。
その後2020年4月(上旬)日より、ホルモン療法を開始、月一回開始、月一回のリュープリン注射、タモキシフェン服用、放射線治療は主治医が必要を感じないと言われ、受けていません。

それから半年後の2020年6月に乳房造影MRIを撮り、その結果前回手術した同じ辺りに11mmの腫瘍が見つかり、今回は針生検の所見でルミナールB型HER2陽性、Ki67は10%でした。
HER2は2+だったそうです。
多臓器、リンパに転移はありません。

2020年9月(上旬)日に再度、部分切除しました。
今回はセンチネル生検はしませんでした。

退院した次の日に術後の病理結果がまだ出ていないのに、化学療法ドセタキセル、パージェタ、ハーセプチンを施行すると決定事項のように言われ、主治医からの詳しい説明もないので、不信感が募っています。

明らかに再発でしょうか?それとも取り残しですか?
初回に放射線をしていれば再発しなかったのではないでしょうか?
今回も全摘ではなく部分切除なら、また再発する可能性は高くないですか?
初回の抗がん剤の効果がなかったということですか?
こんなにも早く再発するなんて、速いスピードで悪性化しているのでしょうか?
それとも初回の病理判断が正しくなかったということはありますか?
今回、病理結果が出る前に化学療法を決定され、主治医は何か治療を焦っておられるような感じがします。
針生検の所見だけで治療を決定されることはあるのでしょうか?
パージェタのハンドブックに、「HER2タンパク2+の場合はISH法でHER2遺伝子の数が多いかいか少ないかを調べる必要があり、陽性となればパージェタの治療対象になる」とありました。
HER2が2+であっても効果が不確かなのでISH法での検査が必要とあったので、確認したところISH法では調べていないとのこと、早急に検査に出してもらい、10月(上旬)日から化学療法を始める予定でしたがキャンセルして今は結果を待っています。

治療に関して選択肢も出されず、詳しい説明もないまま納得して治療できません。

今回ISH法で陰性、陽性に関わらず、化学療法は受けた方がいいでしょうか?
ハーセプチンはHER2陽性に対してかなり有効な分子標的薬と知っていますが、初回も使ったドセタキセルを併用しなくてはいけないのでしょうか?
もしくは今回はホルモン療法と放射線治療だけで済ませられないものでしょうか?
これに加えて温熱療法(ハイパーサーミア)を受けようと考えています。

化学療法の有効性はどのくらいあるのでしょうか?
また、ホルモン療法で思ったほど副作用(ホットフラッシュなど)がきつくないのですが効いていないということはないでしょうか
いていないということはないでしょうか?
田澤先生なら、1年以内の私のような再発患者にどのような治療計画を勧められますか?
たくさん質問させていただきましたが、ご回答お待ちしております。

よろしくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

標準治療がされていないために、質問者が酷い混乱に陥っているようなので「敢えて」直接質問には回答せずに、コメントします。

1.温存手術なのだから、当然術後照射すべきでした。(照射してたら再発しなかったのか?は不明です)
2.HER2 2+であれば、FISHで確認しなくてはいけません。

通常、温存術後は照射しているので、乳房内再発は原則(もう一度照射はできないから)残存乳腺全摘となります。
 ただし、今回は(未照射なので)再度部分切除して、(今度こそ)放射線照射をすることは誤りではありません。

純粋な局所再発だから全身の薬物療法をしなくてはいけない根拠はありませんが、HER2 2+なのだから、FISHを行い(もしもFISH陽性ならば)「初回にしそびれた術後補助療法」としての抗HER2療法はしたほうが良いと思います。

以上、物事はシンプルに考え「あの時あーだったら…」みたいな邪念は一切捨てて、現状「やるべき事をやる」ことです。
初回治療には全く賛成できませんが、今からでも遅くないのです。

 
 


 

質問者様から 【結果2 】

右乳がん再発 温存手術後の治療
性別:女性
年齢:45歳
病名:浸潤性右乳管癌
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]

田澤先生 こんにちは
先日はご多忙の中、的確な回答をいただきありがとうございました。
加えて同じ日のブログも拝読しました。
その後の経過をご報告させていただきます。
FISHの結果は陰性でした。(75%の陰性に入っていました!)
主治医が再手術後、FISHの検査にも出さず、病理の結果も待たずに抗HER2療法を行おうとしていて(お察しの通り)まるで初期治療の不備を抗がん剤で取り戻そうと焦っておられるように見え治療方針に納得がいかなかったので、がん支援センターの方に相談したところ、担当医を変えていただけることになりました。
新しい担当医はすぐに放射線治療の手配を進めてくださり、追加のブーストを含め30回照射を受けることになりました。現在15回目が終わったところです。
先日ようやくFISHの陰性が分かり、抗HER2薬をしなくていいこと、今後はホルモン療法のみで経過観察していくということで安堵しております。
初回になぜ術後照射をしなかったのか?理由はわからないままですが、考えられるのは元主治医は内視鏡補助下乳房温存手術をされていて、「根治性と整容性」を追求しておられるようで(担当医が変わった後、乳腺外科ホームページがリニューアルされていて、その内容で知りました)これまでに同じ乳房内で4回温存手術をして今も元気にしている患者さんがいるんだと話しておられたこともあり、もし再発しても同じ乳房内なら何度でも手術ができるように放射線治療をしなかったのではないか?と思いました。
いずれにしてもインフォームドコンセントが適切になされず、不安と不信感が募る状態から解放され、納得のいく治療を受けられて本当に良かったです。
セカンドオピニオンは時間も費用もかかるので、なかなか踏み出せないと思っていた時に、この乳がんプラザで田澤先生に質問できると知り先生のコメントに大いに助けられました。
本当にありがとうございました。
不安を抱える患者にとって、この乳がんプラザの情報はありがたく、とても支えになります。
これからも是非続けていただき一人でも多くの患者を救っていただけることを願っております。

(文末を編集させていただきました。)