[管理番号:4360]
性別:女性
年齢:57歳
はじめまして。
先週、乳がん集団検診の触診の段階でシコリを指摘されました。
即日、クリニックを受診し、シコリは、1.2ミリ、エコー、マンモ、細胞診を受けました。
昨日、細胞診の結果がでて、クラス3との事、また先生は、画像を見る限り乳がんだと、がんセンターの先生を紹介をして下さいました。
本日、がんセンターを受診しまして、もう一度、マンモと針生検を受けて、結果は、一週間後です。
本日の先生も良性の可能性は、数パーセント、ほぼ乳がんとの見解でした。
何故、細胞診でクラス3なのでしょうか?と質問致しましたら、大人しいガンにはよく出るとの事でした。
画像を見ればほぼ乳がんと解るものなのでしょうか?
リンパに転移があったらどうしょう?
初めて乳がん検診を受けまして、今まで検診を受けなかった後悔、これからの恐怖ばかりが、先になり、来週の結果まで、どうしたらいいのか塞ぎこんでいます。
インターネットで乳がんプラザを知りご相談させていただきました。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「昨日、細胞診の結果がでて、クラス3との事、また先生は、画像を見る限り乳がん」
⇒しばしばコメントしていますが…
クラス3しか出せないようでは「診断能力に問題有」と思います。
「何故、細胞診でクラス3なのでしょうか?と質問致しましたら、大人しいガンにはよく出るとの事」
⇒そんなことを言うようでは…
その医師も「その程度」だと思われても仕方がありません。
「画像を見ればほぼ乳がんと解るものなのでしょうか?」
⇒全ての癌が「それらしい画像」をしているわけではありませんが…
「画像から、他(癌以外)が考えられない」所見なのだと思います。
「リンパに転移があったらどうしょう?」
⇒腋窩のエコーしていないのですか?
それについて言われていないのであれば「大丈夫」なのだと思います。
「これからの恐怖ばかりが、先になり、来週の結果まで、どうしたらいいのか」
⇒前向きになりましょう。
「1.2cm」で見つかったとすれば、「幸い」だと心を切り替えるようにしましょう。
早期乳癌の9割以上は根治するのです。
質問者様から 【質問2】
お世話になります。
本日、組織診の結果がでました。
Diagnosis
Invasive ductaI carcinoma,HistoIogicaI
grade 2,f(+)
HormonaI status:ER(+),PR(+),
HER2 score1+, Ieft breast,CNB
HistoIogicaI grade 2
(TubuIe and gIand formation 2
nucIear PIeomorphism 2
mitotic counts 1 )
HormonaI status:ER(+)[>90%]
PR(+)[80%]
HER2 score1+
CEA 1.9 CA15-3 8.9
最終診断表を書き写してみました。
英語が解らないのでミスタッチがありましたらすみません。
左乳房1.2ミリの浸潤性乳管ガンと考えられ、EncupsuIated carcinoma様
の部分が広く見られると書いてあります。
乳房温存手術、放射線治療、ホルモン療法をする予定とのお話しでした。
乳房温存は、今後MRI等の検査で、全摘もあると、言われ全摘になったらと思うと恐怖です。
CTでは、他の転移はなく、
今後MRIの検査です。
絶望ばかりで、どうしたらいいのか判断出来ません。
今は毎日がただ苦しくてなりません。
田澤先生の診断をお聞かせ願えますでしょうか?宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「癌と診断」されて、ショックの気持ちは良く解ります。(毎日、同様の患者さんを診ていますから…)
しかし、明らかな早期癌です。(CTは全く無用な検査であり、いかにも癌センターらしいと思いますが…)
私が注目したのは
Nuclear pleomarhism 2, mitotic counts1という所です。核グレードは1となります。
♯ちなみにHistological grade(組織学的グレード) 2となっていますが、計算間違いです。このケースでは1となります。
(以下に表を出します)
TubuIe and gIand formationとは③腺管形成のことであり、nucIear PIeomorphism
は①核異型、mitotic countsが②核分裂のことです。
質問者に当て嵌まる所に☆を付けます。
『核グレード』は①核異型の点数+②核分裂の点数の「2項目の和」です。
①核異型 弱い:1点
中間:2点☆
強い:3点
②核分裂 5個未満(10視野で):1点☆
5~10個 〃 :2点
11個以上 〃 :3点
○『核グレード(NG) 核異型の点数+核分裂の点数』
2点、3点 :核グレード(NG)1 ☆
4点 : 〃 2
5点、6点 : 〃 3
ここに「構造異型度(腺管形成スコア)」を加えて
①核異型の点数+②核分裂の点数+③腺管形成の点数の「3項目の和」としたものが
「組織学的グレード」です。
①核異型 弱い:1点
中間:2点☆
強い:3点
②核分裂 5個未満(10視野で):1点☆
5~10個 〃 :2点
11個以上 〃 :3点
③腺管形成 腫瘍の75%超で明らかな腺管形成:1点
〃 10~75% 〃 :2点☆
〃 10%未満 〃 :3点
○『組織学的グレード(HG)核異型の点数+核分裂の点数+腺管形成の点数』
3点~5点:組織学的グレード(HG)1☆
6点、7点: 〃 2
8点、9点: 〃 3
お解りでしょうか?
「早期」であり、しかも「グレード1」なのです。
あとはMRIによる「拡がり診断」を行い、「術式を決めるだけ」です。
前向きに頑張りましょう。