[管理番号:7044]
性別:女性
年齢:48歳
病名:乳がん
症状:
はじめまして。
今年9月に乳がんの告知をされてから、毎日こちらサイトのQ&Aを読んで勉強しております。
私、海外在住の為、ドクターは英語なので、こち
らのサイトで日本語で質問、理解出来る事がとても有難いです。
<乳がんについて>
2018年10月に乳房温存手術、センチネルリンパ節生検
結果:
2mm Grade2 infiltrating carcinoma, No special type, Associated with 6mm of intermediate grade ductal carcinoma in-situ.
Lymphovascular invasion: absent
Excision Margins: clear, 4mm to the closest superior margin
AJCC(2017) prognostic stage: pT1a pN0 G1 HER2 – ER + PR-
Stage group:1A
現在は放射線治療中です(合計30回)。
乳がん手術頃から、下腹部に痛みがあり、乳がん手術後に腹部の造影CTとエコーを撮ったところ、左卵巣に「Complex cyst」との事。
婦人科のドクターに私の年齢(48歳)と乳がん(エストロゲン陽性)を考えて、卵巣を2個とも摘出したらどうか、と言われております。
実は、昨年9月にも同じ左側の卵巣の腫瘍のみを摘出しております。
放射線治療が終わったら、卵巣摘出(2個とも)の手術をする予定です。
・質問1
卵巣の問題が発覚する前は、放射線治療終了後はタモキシフェンを5年間飲む予定でしたが、そもそも卵巣を2個とも摘出してしまったら、乳がんとしての今後の治療はどうなるのでしょうか。
違う薬を飲むのでしょうか。
田澤先生でしたらどのようにされますか。
(現在、私の担当のメディカルオンコロジードクターが決まっておらず、誰にも質問する事が出来ません)
・質問2
もし、卵巣摘出を左側1個だけにした際には、予定通りタモキシフェンを飲むのですが、乳がんの再発転移のリスクが下がる事、2年連続で卵巣に腫瘍が出来た事(去年は良性。
今回の腫瘍が良性か悪性かは手術しないとわかりません。
腫瘍マーカー上は問題無)、今後卵巣ガンの心配もしなくてはならない事から、卵巣は2個とも取ってしまおうと思ってます。
卵巣を2個とも取ることについて、田澤先生のご意見を聞かせてくださいませ。
・質問3(心配な事)
乳がんについてですが、実は昨年のマンモグラフィでもひっかかり、生検を勧められたのですが、日本に一時帰国の際にMRIとエコーをやり、
問題無しと言われたので、生検をやらずにそのまま放置しておりました。
そして今年のマンモグラフィでまたひっかかり生検した結果、乳がんと告知されました。
せっかく見つけてくれたのに1年以上放置してしまった事を後悔しております。
手術時のセンチネルリンパ節生検が、私の場合1個のみの摘出で、結果は転移無しですが、手術前から腕の痛みとツッパリ感があり(現在も)、
実は転移してた、なんてことが無いかと未だに心配です。
このまま腕の痛みとツッパリ感が取れなかったら、再度リンパ節の転移を調べる方法はあるのでしょうか。
何卒よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
2mmの浸潤癌。
早期発見おめでとうございます。
私の患者さんであれば「無治療」を勧めます。(効果と副作用のバランスを考えると、5mm以下は無治療でいいと思っています)
「田澤先生でしたらどのようにされますか。」
→私であれば(卵巣取る取らないにかかわらずに)無治療とします。
★もしも、ホルモン療法をどうしてもしたい場合には、「閉経後のホルモン療法=アロマターゼ阻害剤」となります。
「卵巣を2個とも取ることについて、田澤先生のご意見を聞かせてくださいませ。」
→私から言わせれば…
そもそもホルモン療法は不要なので、「どちらでもよい」となります。
(乳がん治療とは無関係に)卵巣2個とると、「ホルモン欠乏症状」が大変なのでは?
「日本に一時帰国の際にMRIとエコーをやり、問題無しと言われたので、生検をやらずにそのまま放置」
→そもそも、この「MRIで診断しよう」というのが間違いなのです。『href=”http://週のコラム 56回目 超音波で異常所見があるのに、MRIで異常がないから大丈夫。など、とんでもない診療です。“>今週のコラム 56回目 超音波で異常所見があるのに、MRIで異常がないから大丈夫。など、とんでもないす。』
しばしば目撃情報が寄せられる(特に首都圏に生存する)「MRI的免罪符の使い手」ですね?
「手術前から腕の痛みとツッパリ感があり(現在も)、実は転移してた、なんてことが無いかと未だに心配」
→全くナンセンス!!!
是非『今週のコラム111回目 大事なことは、これら①~④の病気など世の中には無いのです。それは(我々医師には)自明なことなのです。』『脇 腫大リンパ節で痛み 手のしびれ』を熟読ください。
「このまま腕の痛みとツッパリ感が取れなかったら、再度リンパ節の転移を調べる方法はあるのでしょうか。」
→全く必要ありません。
そもそもリンパ節転移には症状など無いのです。
★「腕とか脇が痛い=リンパ節転移?」という発想は100000000%間違いです。(考え改めましょう)
質問者様から 【質問2 】
7044 の追加質問です
性別:女性
年齢:48歳
病名:乳がん
症状:
ご回答いただき有難うございます。
的確なお返事に感謝いたします。
精神的にもかなりラクになりました。
(卵巣摘出の個数は、腹部エコーと卵巣の腫瘍マーカーの再検査後に決め
ます。
良性の可能性が高いなら、腫瘍がある方の卵巣1個のみの摘出にする予定です)
お忙しいところ恐縮ですが、追加質問をさせてください。
質問1:
私の場合、pT1a pN0 G1 HER2 ? ER + PgR - ですがルミナールB
となるのでしょうか。
ki67の数値は不明です。
(Diagnostic summaryの一番上の行には、「2mm “GRADE TWO “
infiltrating carcinoma」と記載があるのですが、
Invasive Carcinomaの下のHistological grade(Bloom and
Richardson,modified) には、”GRADE: One” ,Total Score:5,
Nuclear Grade:2, Tubule Formation:2, Mitoses:1 (2 per 10hpf)と記載があり、実際のグレードは1なのか2なのか、恥ずかしながら不明です。
ドクターからは術後結果で「グレード2」と言われました。
生検の結果
もグレード2でした。
次回ドクターに会った際に再度確認しますが、
グレード1の場合と、グレード2の場合のルミナールタイプを教えていただければ幸いです)
質問2:
田澤先生のお考えでは、ルミナールBでも、2mmの浸潤癌なら「無治療」とされますか。
質問3:
卵巣が1つ残っていて、ホルモン療法をする際には、
「ER ?(95% ) PgR ?」の場合でもタモキシフェンとなりますか?
そもそも、ホルモン療法で問題ないのでしょうか。
抗がん剤をしなくて大丈夫なのでしょうか。
質問3:
センチネルリンパ節生検の結果、negativeですが、現在の放射線治療で
は、センチネルリンパ節生検の傷のところも、脇の下も半分くらい放射
線の範囲に入っておりました。
これは問題無いのでしょうか。
既に26回が終了し、残りboost4回です。
何卒よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
2mmの浸潤癌にルミナールAもBもありません。
私なら無治療です。