[管理番号:13101]
性別:女性
年齢:42
病名:左浸潤性乳管癌(術後4年で肝転移)
症状:初発時も転移時も無症状
投稿日:2025年09月27日
【経緯】
・初発時38歳
・診断時の生検:ER95% PgR0% Her2 1+ Ki67 20% HG 2(PETでリンパ節転移1)
・術前抗癌剤:ddEC 4クール(あまり効かなかった)DTX 4クール(部分奏効)
・手術:全摘(浸潤径4.8cm)リンパ節郭清(転移数4/20)→T2N2M0 StageIIIA
・放射線治療:左胸壁・左鎖骨上リンパ節 50Gy(25日)
・術後治療:TS-1 1年+tamoxifen 10年+LH-RHagonist 5年の予定だった。
ホルモン治療を続けながら、年に一度のマンモ、半年に一度のエコーと血液検査をし、
転移再発なんて他人事だと思ってバリバリ仕事をしていたところ、
術後4年の血液検査でCA15-3上昇のためPET-CT→肝転移5箇所判明CDK4/6阻害剤(abemaciclib)・アロマターゼ阻害剤(letrozole)を始めたところです。(LH-RHagonistは継続)
想定外のことで、転移の診断時に質問を用意していなかったので、
まだ主治医ともあまり話ができていない状態なのですが…
初発時も、手術前後以外は休まずフルタイムで働いてきて、ある程度体力はあるつもりです。
やれることならなんでもやって、少しでも長く生きたいです。
【質問】
・コラム482, 491で多発肝転移を抗癌剤でcCRされた例が掲載されていましたが、
ECの効果が期待できなくても、bevacizumab+paclitaxel等でcCRを狙えるのでしょうか。
ECの効果が期待できない場合、ACなら効くということはあるのでしょうか。
・コラム488でMRI3箇所の肝転移で手術断念とありましたが、5箇所は手術適用外でしょうか。
・コラム488でPETで肝転移1箇所、MRIでさらに2箇所確認とありましたが、
PETよりもMRIのほうが転移巣が見つかりやすいのでしょうか。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
・コラム482, 491で多発肝転移を抗癌剤でcCRされた例が掲載されていましたが、
ECの効果が期待できなくても、bevacizumab+paclitaxel等でcCRを狙えるのでしょうか。
→無論、十分可能性ありますが…
ただ現在は(私の経験も含め)luminal typeであればdatopotamab deruxtecanがkey
drugとなります。
治療戦略としてbevacizumab/paclitaxelの奏功具合を見ながら(CA15-3でチェックできるはずです)有効ならば3クール(3か月)終了後datopotamab deruxtecanも4クール程度(3か月間)が第1候補だと思います。(その後、CDK4/6 inhibitor+hormone therapy)
ECの効果が期待できない場合、ACなら効くということはあるのでしょうか。
→術前化学療法で奏功しなかったことで「再発にも効かない」とは言い切れませんが…
少なくともepirubicinとdoxorubicinは「効くのも効かないのも同じ」と考えます。
・コラム488でMRI3箇所の肝転移で手術断念とありましたが、5箇所は手術適用外でしょうか。
→そう思います。
・コラム488でPETで肝転移1箇所、MRIでさらに2箇所確認とありましたが、PETよりもMRIのほうが転移巣が見つかりやすいのでしょうか。
→MRIで最終的に判断すべきです。(局所治療を考えるのであれば)
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/10/14
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