[管理番号:12609]
性別:女性
年齢:51
病名:乳がん
症状:
投稿日:2025年04月04日
乳がんと診断され治療方法と治療する病院について悩んでいます。
病理は 腫瘍の大きさが5㎝越え リンパ節転移有り(3個と小1個) ホルモン+ (陽性) HAR2タンパク(陰性、ゼロ) ki67 35~40% ルミナルB 右鎖骨のリンパ節に転移あるかも? ステージⅢc
先生からは術前化学療法抗がん剤を(4回、4回)7ヶ月余 →手術→ホルモン療法、放射線 と言われています。
大きさと症状からこちらの順番になるのでしょうか?(先に手術でなくて良いのでしょうか?)
それから私は抗がん剤にかなりの抵抗を感じています。私の症状(大きさとルミナルB)ですと、やはり抗がん剤治療は避けては通れないのでしょうか?
私が抗がん剤に抵抗があると先生に話をしたら、手術→放射線治療、ホルモン治療。
その後もし転移したら抗がん剤治療ということもと、あくまで仮定的な感じでもおっしゃっていました。(この方法で治療したことはないそうです)
ですが、手術とホルモン療法、放射線だけではやはり不十分でしょうか?
今の病院で治療するかも迷っている状態です。
田澤先生のご意見と治療方法を教えてください。よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
抗癌剤は術前に行っても術後に行っても予後は同等であり、術前抗がん剤をゴリ押しする理由は全くありません。
本来、術前抗がん剤は(その時点:初診時)手術不能状態であり、手術ができることを目的で行われてきたものです。
♯手術不能状態とは(質問者とは異なり)広範な皮膚浸潤を伴い(その部分の皮膚も切除したら)皮膚が不足するくらいの状態をいいます。
質問者のようにに「腫瘍が大きい」ことは、何ら手術に影響を与えません。
それよりも寧ろ「抗癌剤が必ず効くとは限らない(ちゃんと、そのような可能性についても説明されていますか?)」リスクを考えれば「手術先行の方が安全」です。
★ただ術前抗がん剤の適応として質問者自身が「術前に抗癌剤をして(小さくして)
温存手術を狙いたい」と言うご希望があるのであれば話は別です。温存目的の術前抗がん剤は正しいのです。
大きさと症状からこちらの順番になるのでしょうか?(先に手術でなくて良いのでしょうか?)
⇒手術先行の方が安全です。
冒頭で記載したように「術前抗がん剤には以下のリスク」が存在します。
1.そもそも抗癌剤が効くとは限りません。(奏効率100%の薬剤など無論、この世に存在しません)
♯この奏効率という点でいうと、HER2陽性の場合のanti-HER2 therapyは「奏効率が、(安心できるほど)高い」という事実があります。
ただ、「かなり高い」とはいっても(無論)奏効率100%の薬剤など存在しませんから(しつこい?)「HER2タイプは術前抗ガン剤が必須」としている施設が多いことには違和感を覚えます。
ついでに「サブタイプ」で言えば、「トリプルネガティブが抗癌剤が効きやすい」と勘違いしている医師もいますが、実際には「トリプルネガティブ」自体、「ER,PgR,HER2が陰性という共通点を持つだけの」雑多な集団なので、当然「もの凄く抗癌剤が効く」タイプ~「全く効かない」タイプまで、様々なのは論理的に考えれば解る筈です。
それでは何故、その医師は「術前抗がん剤ありき」で話を勧めているのか?
⇒一つの理由に(おそらく)鎖骨下リンパ節転移があるのに「鎖骨下リンパ節郭清ができない」ことがありそうです。
乳腺外科医、それも専門医なのに「鎖骨下リンパ節郭清ができない」ってどういうこと?と思うかもしれませんが(本来、その疑問は当然です)
⇒その理由は、私がYOUTUBEでも話していますが、
鎖骨下郭清は「狭い」視野で、損傷したら大変なことになる(大出血)鎖骨下静脈と接しているからなのです。
私は慣れてしまったから「キチンとした視野」を作り普通に感じますが、(慣れるどころか)鎖骨下郭清を「見たことも無い」乳腺外科医が殆どなのです。(それは、仙台時代にも大学病院に居た頃には薄々感じていましたが、東京へ来てこちらの医師達を見ていて確信に変わっています)
話は(やや)脱線しましたが、この医師が(もしも)質問者を「手術先行」した場合には、『郭清はレベル2までしました。 鎖骨下リンパ節は術後の放射線で対処しましょう。』となるわけです。
その医師にとっても「外科医として、手術で取れなかった」というのも「癪だから」術前抗がん剤で「鎖骨下リンパ節を小さくして、(見えなくなったのだから)手術で取れずに、術後放射線かけることは正しい」と自分自身が思いたいのでしょう。
このあたりは本日掲載予定のQAである「両側乳がんにおける治療方針について」を読むといいでしょう。
田澤先生のご意見と治療方法を教えてください
⇒もう、お解りでしょう。
質問者に上記★の希望が無い限り、術前抗がん剤を勧める理由がありません。
無論「手術先行」
私であれば当然、鎖骨下郭清もキッチリ行います。
手術先行であれば、術後補助療法はあくまでも「再発予防」となるので、ガイドライン上は「リンパ節転移4個以上あれば、抗癌剤や放射線は推奨される」ことを承知の上で(患者さん自身の)ご希望で治療に幅が存在します。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/4/19
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