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生検で非浸潤癌と診断、術前診断にFDG PET/CTは必要なのか疑問

[管理番号:12514]
性別:女性
年齢:49歳
病名:非浸潤癌(生検の診断)
症状:
投稿日:2025年03月02日

田澤先生に以前も質問したことがあり、その時はありがとうございました。以前管理番号8693
先日、定期健診のマンモグラフィーで以前検査したときより、石灰化が急に増えている(1年3か月後)、これは早期癌の可能性があるとのことで、すぐに生検。その後、広範囲の非浸潤癌と診断されました。乳頭まで広がっているから全摘になるとのこと。
そのクリニックの先生に大学病院を紹介していただき、先日初診で若い研修医?の女性が二人おられました。外来の先生に診てもらう前にいろいろ検査のことを決めようとのことでした。私としては初診から担当の先生に診てもらえると思っていたので、
その時点で少しがっくり。造影剤使用のMRIの検査はいやですが、仕方がないとしてもFDG PET/CT検査もしてもらいますといわれ、術前に必要なのかと疑問に思いました。PETはやりたくないと言いましたが、その時は断れませんでした。質問1現時点、非浸潤癌の診断ですが、PETは必要でしょうか。浸潤していた場合や、以前手術した左側のこともあってか(8693ご参照下さい)、転移などあるか調べるとのことす。
質問2、なんとなく違う病院に変わりたいと直感で思ったのですが、今から転院可能でしょうか。
プレパラートなどはその大学病院にあるので、いまさら無理でしょうか。
PET検査は断りたいと思っています。(3日後に検査予約)よろしくお願いします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

大学病院「らしい」と言うか… 言い換えれば「あまりにも典型的なくらい」大学病院「過ぎる」診療と言えます。開いた口が塞がらないとは、まさにこのことです。
無駄な検査が多すぎて、それらの検査は「患者さんのため」ではなく「その医師達のために」行っていると言えます。(本来それは、あってはならないことです)

初診で若い研修医?の女性が二人おられました。外来の先生に診てもらう前にいろいろ検査のことを決めようとのことでした。私としては初診から担当の先生に診てもらえると思っていたので、その時点で少しがっくり。
⇒大学病院は「若い医師の教育の場」とは言え、これでは不満を持つのも至極当然と言えます。

「広範囲の非浸潤癌と診断されました。乳頭まで広がっているから全摘になる」
⇒全摘一択と説明しているのに「MRIは何のため?」

そもそもMRIは術式のため(温存可能なのかどうか?)に行うものです。
全く不必要な検査と言えます。

質問1現時点、非浸潤癌の診断ですが、PETは必要でしょうか。
⇒無論、不要です。

浸潤していた場合
⇒それは、手術して実際に浸潤していたら「術後に」行えば済むことであり、「術前に行う」理由には全くなりません。
そもそも患者さんが「やりたくない」と言っているのに「十分な根拠もなしに」ゴリ押しする神経がわかりません。

転移などあるか調べるとのことです。質問2、なんとなく違う病院に変わりたいと直感で思ったのですが、今から転院可能でしょうか。
⇒無論、可能だしそうすべきです。

プレパラートなどはその大学病院にあるので、いまさら無理でしょうか。
⇒無理どころか、全く問題ありません。

PET検査は断りたいと思っています。(3日後に検査予約)
⇒当然断りましょう。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/3/17
***

  

質問者様から 【質問2】

術前、非浸潤癌の診断で肝臓転移することがあるのか
性別:女性
年齢:49
病名:術前、左非浸潤癌
症状:
投稿日:2025年03月28日

先日、「生検で非浸潤癌と診断、術前診断にFDG PET/CTは必要なのか疑問」(12514)で質問をさせていただいたものです。
お忙しい中、回答して頂きありがとうございました。
その後、病院を転院し、手術の日も決まったのですが、単純CT検査で肝臓に影が映っているのが見つかりました。肝血管腫か癌の可能性ありとのことで手術は延期になり、来週、肝臓専門の先生にエコーをしていただくことになりました。
主治医は、あなたの場合は術前で非浸潤癌の診断なので、転移は考えにくい。癌だとしたら、原発ではないか。
かなり広がりのある左非浸潤癌、1年3か月後のマンモグラフィーで急に石灰化が増えていることからたちが悪い癌、進行が速い癌だろう、左のリンパが腫れている、リンパ近く?に識別不明なものが映っている、それに微小浸潤があるかもしれないとのことから、質問1,肝臓に転移している可能性はあるのでしょうか。
転移なんて考えられないのですが。
しかし、右の乳癌?(8693)のこともあるので、転移の可能性はあるのでしょうか。
今回の左乳癌を診断していただいた先生は右はリンパ大丈夫と言われていたので、右からの転移の可能性も考えられないのですが。今回乳癌手術が延期になり、ショックでかなりダメージ受けました。万が一、肝臓に転移していたとしても、10年ぐらい生きることはできるのか、とかいろいろ考えてしまい。
左非浸潤癌も広がりがあり、たちが悪いなら、質問3できるだけ早く手術した方が良いのでしょうか。
肝臓の結果次第でどうなるかわかりませんが4月中旬に乳癌の手術の仮予約は取っていただいています。
よろしくお願いします。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

先ず余計なことに頭を悩ませていると言えます。(仕方が無いのでしょうが)
普通に考えて(頻度的に)圧倒的に「嚢胞」もしくは「血管腫」でしょう。

確率の低いことに頭を悩ませる必要は全く無いし、「微小浸潤の可能性」など術前に考えても全く無意味。(術後の病理結果で確認するしかないのです)
考えても仕方がないことを考えるのは極力止めて、シンプルに。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/4/13
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質問者様から 【質問3】

術後病理の結果 微小浸潤癌 HER2陽性 術後の治療に抗がん剤は必要なのか
性別:女性
年齢:49歳
病名:微小浸潤多発のHER2陽性乳癌
症状:
投稿日:2025年05月28日

以前、管理番号12514で質問させていただいたものです。
お忙しいなか回答していただき、感謝しております。
その後、肝臓の検査で肝血管腫と診断され、無事に手術を終えました。術後の病理検査の結果が出ました。
術前は非浸潤癌の診断でしたが、微小浸潤癌に診断が変わりました。全体の大きさ54mm。浸潤部1mm未満(ただ多発している)。PT1min N0M0 ステージ1 グレード2 リンパ節転移なし HER2陽性 ki16%
微小浸潤だったためか、病理の1回目の説明の時にERとPgRが調べられていなくて、次の受診までに頑張って調べてみるとのことでしたが、やはり調べられなかったのか、ERとPgRは共に1パーセントと術前の病理診断と一緒でした。
主治医は、浸潤部が5mm以下ならガイドラインでは経過観察になるのだが、微小浸潤が多発していて、浸潤部全体では3cmあるのと、HER2陽性乳癌、1年3カ月後の検診でいきなり石灰化が増えて乳癌の診断になったことなどを考えると、術後の治療に抗HER療法、抗がん剤をした方がよいと思うと言われました。術後の治療について大学病院のセカンドオピニオンをしてもよい。次の受診まで考えておいてくださいとのことでした。
HER2陽性乳癌は予後が悪いタイプだが、近年は薬ができて、昔より予後は改善されてきている。もし転移したら治らないからとのことでした。主治医はHER2陽性、微小浸潤が多発ということを気にしておられました。私としては浸潤部が1mm未満なので術後は無治療だと思っていましたが、主治医の意見を聞いて不安になってしまいました。

質問1 田澤先生なら私のケースの場合は、術後の治療はどのようにされますか。
質問2 抗がん剤の副作用のことを考えるとやりたくないのですが、抗HER療法をやった方が再発率はかなり下がるのでしょう  か。HER2陽性、微小浸潤がぽつぽつと多発している場合は再発や転移する可能性は高いのでしょうか。
質問3 大学病院で術後治療のセカンドオピニオンは受けた方がよいのでしょうか。
よろしくお願い致します。
    

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

微小浸潤で抗癌剤など「とんでもない!」
無論無治療です。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/6/16
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質問者様から 【質問4】

微小浸潤が近接して多発、HER2陽性 主治医から抗HER2療法と抗がん剤をすすめられ
ているがどうしたらよいのか
性別:女性
年齢:49歳
病名:左乳癌
症状:
投稿日:2025年06月16日

先日は質問に回答していただきありがとうございました。田澤先生のお言葉にいつも
元気づけられています。

主治医と腫瘍内科医に「1mm未満の浸潤が近接して多発している。多発している部分
が同じ方向につながっている。広がりを見ると浸潤部全体は3cmある。病理では切っ
た面しか見えない。HER2陽性で無治療はリスクが高すぎる。抗HER2療法と抗がん剤を
すすめる。病理診断のセカンドオピニオンをやってもよい。」と言われ、かなり不安
になっています。
私は抗がん剤はやりたくないと言いましたが、2人の医師から上記のように抗HER2療法と抗がん剤をすすめると言われ、どうしたらよいのだと悩んでいます。

質問1、1mm未満の浸潤でも近接して多発している場合は、病理のスライスで見えていない部分のことも考慮すると浸潤部が1mm以上になる可能性が高いから危険ということでしょうか。

質問2、病理の結果や、浸潤部の位置など資料を見てもらって田澤先生にセカンドオピニオンをしていただこうかと考えているのですが、可能でしょうか。微小浸潤が近接して多発している場合は無治療、経過観察ではやはりリスクは高いのですか。

質問3、主治医が抗がん剤をするなら3、4ヵ月以内にした方がよいとのことで、早くどうするか決断した方がよいのでしょうか。手術で全摘、1mm未満の微小浸潤多発、HER2陽性の術後の経過観察にCTは必要でしょうか。

質問4、病理診断のセカンドオピニオンをすすめるとのことですが、ふと思ったのですが、病理の深切り?をやって調べなおせないのでしょうか。別の病院で術後の病理診断を再度してもらった方がいいのはなぜでしょうか。

よろしくお願いいたします。

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

回答に変更は一切ありません。「微小浸潤は無治療」一択です。

「だけど、主治医がこういう」「ああいう」は私にとっては「全く」無関係。大変申し訳ありませんがそのような『私の回答に対して、だけど主治医が…』的QAは行いません。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/7/1
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