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術後の病理検査の結果は、癌でなかった

[管理番号:8693]
性別:女性
年齢:44歳
病名:右乳癌
症状:乳頭分泌、胸のしこり
投稿日:2020年6月27日

乳腺クリニックで初期の乳癌と診断され、2月に全摘しました。
(しこりの位置が乳首の真下、母が乳癌で亡くなっている、放射線治療をやりたくないから、全摘を選択。)術後、主治医から病理医が「癌でなかったと言いにきた。」と言われ、癌でなかったのですかと聞くと、「色々症状あったんやし、癌や」と言わはり、釈然としないけれど、現在、ノルバティクスを飲んでいます。

最大の疑問は、術後の病理検査で癌でないという結果が出ても、やはり、癌であるということもあるのでしょうか。
術前と術後の病理医は違う人です。

別の病院で診てもらっている卵巣内膜症が2ミリから4.4ミリに大きくなっていることも気がかりです。
薬の副作用でしょうか。
このことを主治医に伝えると、リュープリンという注射とアロマシンという薬に変更するかと言われました。

もし、癌でなかったとしたら、何のためのホルモン療法なのかと不安になっています。
術前の病理組織検査では、「広い範囲において増殖細胞のMIB1陽性率は1%程度であるが、散在性に高い陽性率を示す部分が散見された。
それらの部位では、13%程度の陽性反応が認められた。
以上の結果とHEによる組織所見を総合的に判断しepithelial hyperplasiaの一部が悪性化して浸潤性となったものと考えられる。」と書かれています。
よろしくお願いします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「最大の疑問は、術後の病理検査で癌でないという結果が出ても、やはり、癌であるということもあるのでしょうか。」
⇒状況が不明なので、回答不能です。

 ただ、術前組織診で「癌と言える部分は取りきれてしまっていた」という可能性はあります。

「薬の副作用でしょうか。」
⇒状況的に…

 ほぼ間違いありません。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

術後の病理検査の結果
性別:女性
年齢:44歳
病名:右乳癌
症状:乳頭分泌、胸のしこり、
投稿日:2020年7月5日

以前は、お忙しい中、回答していただきありがとうございました。

主治医から術後に「リンパには飛んでいなかった。特に何もなかったしな。」という
言葉以外に詳しく病理検査結果を聞いていなかったので、先日、もう一度、術後の病理検査結果を詳しく、説明してほしいと言いに行きました。

その時の主治医の説明は、「術後の結果は、非浸潤癌と出た。癌や。」
病理組織検査を書面でもらいました。

書面には「検体 右乳房全摘術検体と腋窩リンパ節(Level 1)です。
E領域に硬結をふれ周囲に拡張乳管をみとめます。
脂肪組織以外は全て標本としています。

組織学的所見 乳腺:病変部は乳頭腫を示します。
(6.0×5.0×1.0センチ)背景には
通常型乳管過形成、乳管拡張、アポクリン化生をみとめます。
免疫染色では、腫瘍細
胞はER不均一な陽性、CK5は筋上皮および乳管上皮の一部に陽性、
P63,SMA,calponinは筋上皮に陽性でした。
これらの結果は乳頭腫に合致します。

リンパ節:悪性所見を認めません。」と書かれていました。

この報告書には、非浸潤癌という言葉が書かれていませんが、この結果は、非浸潤癌ということでしょうか?(質問1)

主治医は、卵巣が腫れているなら、遺伝子検査(母が乳癌で亡くなっている)をやって、遺伝と出たら、卵巣を取ってしまったらいいと言われましたが、急いで検査をする必要はあるのでしょうか。
(質問2)

質問3、術後に、今後診てもらう病院を変えることは可能でしょうか。
もう手術してしまっているので、難しいのでしょうか。

質問4、術後の病理検査結果を見ると、今後、ホルモン療法をする必要があるのだろうかと疑問に思うのですが、やはり薬を飲んだ方が良いのでしょうか。

卵巣が腫れてきている副作用を思うと、どうなんだろうと思います。

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「この報告書には、非浸潤癌という言葉が書かれていませんが、この結果は、非浸潤癌ということでしょうか?(質問1)」
⇒このレポートは良性(乳頭腫)です。
 もしも疑問なら「病理のセカンドオピニオン」という方法もあります。

「主治医は、卵巣が腫れているなら、遺伝子検査(母が乳癌で亡くなっている)をやって、遺伝と出たら、卵巣を取ってしまったらいいと言われましたが、急いで検査をする必要はあるのでしょうか。」
⇒そもそも(ホルモン療法の副作用で)腫れている卵巣に対処するためにBRACAnalysisを行うという発想は「ぶっ飛んでいる」と思います。
 素直に、「タモキシフェンを辞める」か、「リュープリンを追加する」べき。但し「(術前の)生検で取りきれてしまう」程度の癌なら、(副作用が出れば)止めるべきです。★

「質問3、術後に、今後診てもらう病院を変えることは可能でしょうか。
もう手術してしまっているので、難しいのでしょうか。」

⇒「何らかの理由」があれば、可能です。

「質問4、術後の病理検査結果を見ると、今後、ホルモン療法をする必要があるのだろうかと疑問に思うのですが、やはり薬を飲んだ方が良いのでしょうか。」
⇒上記★のとおり、無理して続けるなど論外です。

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

術後の病理診断のセカンドオピニオン
性別:女性
年齢:44
病名:右乳癌
症状:胸のしこり 乳頭分泌
投稿日:2020年9月11日

以前、質問させていただき、その際は、回答していただき、ありがとうございました。

術後の病理診断のセカンドオピニオンをしようと決心し、先日、大学病院の受診予約を取りました。

受診予約を取る前に、大学の病理診断科に病理のセカンドオピニオンが可能か問い合わせると、乳腺科を受診すれば可能と教えていただき、予約を取ったのですが、予約をしていた医師から
主治医に「そういった内容は受け付けられない。キャンセルさせて欲しいと。」と連絡があり、受診できなくなりました。
残念です。
他にも京都の乳腺専門病院など病理診断科のある3つの病院に病理のセカンドオピニオンが可能か問い合わせましたが、病理のセカンドオピニオンはやっていないと言われました。

質問1、乳癌の術後の病理診断のセカンドオピニオンを受け付けてくれる病院は、きわめて、少ないのでしょうか。

私は、京都在住ですが、京都で病理のセカンドオピニオンを受けることは、難しいのでしょうか。

主治医は、「癌は癌や。非浸潤癌か浸潤癌かはっきりしないだけ。
あなたの場合は、非浸潤癌であろうが、浸潤癌であろうが、再発率もそんなに変わらない。
病理のセカンドオピニオンは、諦めなさい。」と言われます。

もし非浸潤癌だったとしたら、全摘していたら、その後の治療もホルモン療法などしなくてもあまり心配しなくても良いのですが、早期でも浸潤癌だっとしたら、やはり不安を抱えて生活していかなくてはいけないと思います。
卵巣が腫れていることから、ノルバティクスの服用を7月からやめて、9月に卵巣の経過観察をしました。
4.4ミリから3.3ミリに少し、縮小していました。
婦人科の医師は、卵巣はこのまま経過観察で大丈夫とのことで、少し安心しました。

薬の服用をやめたことで、主治医は、少しご立腹され、「もう薬やめたらよいやん。経過観察も1年に1回で良いくらい。」と言われ、突き放された感じがしましたが仕方がないのかなと思います。

質問2、非浸潤癌か浸潤癌かはっきりしない場合(もしかしたら、癌でない可能性もあるかもしれない)、田澤先生なら、どのように対処されますか。

質問3、このような状態でもし、浸潤癌だったとしたら、早期癌であっても、ホルモン療法をせずに、無治療で経過観察だけでもあまり心配せずに今後生活していても問題ないでしょうか。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは田澤です。

「質問1、乳癌の術後の病理診断のセカンドオピニオンを受け付けてくれる病院は、
きわめて、少ないのでしょうか。」

⇒そんなことはありません。(少なくとも東京では)

「私は、京都在住ですが、京都で病理のセカンドオピニオンを受けることは、難しいのでしょうか。」
⇒京都の事情は解りませんが…

 京都に拘る必要は無いのでは?

「質問2、非浸潤癌か浸潤癌かはっきりしない場合(もしかしたら、癌でない可能性もあるかもしれない)、田澤先生なら、どのように対処されますか。」
⇒無治療(一瞬も迷いません)

「質問3、このような状態でもし、浸潤癌だったとしたら、早期癌であっても、ホルモン療法をせずに、無治療で経過観察だけでもあまり心配せずに今後生活していても問題ないでしょうか」
⇒その「もし」の根拠が全くありません。
 余計な心配をしないように。

 
 


 

質問者様から 【結果4 】

術後の病理診断のセカンドオピニオン
性別:女性
年齢:44歳
病名:乳癌
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]

田澤先生
質問に回答していただき、ありがとうございました。
田澤先生の「無治療。(一瞬も迷いません)」というお言葉にふっきれました。
ほんとうにありがとうございます。
今後は、経過観察を時折やりながら、心配せずに生きていこうと思います。

乳癌のQ &Aも拝見させていただき、勉強になりました。
ありがとうございました。

<Q&A結果>