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乳がん腋窩リンパ節再発 イタリアにおける18年ぶりの化学療法の選択

[管理番号:11710]
性別:女性
年齢:57
病名:
症状:
投稿日:2024年04月02日

はじめまして、イタリア在住の57歳です。
田澤先生のYouTubeを拝見し、先生や江戸川病院の取り組みを知り、情報共有させて頂いています。
特に、「乳がん、再発への挑戦~腋窩再発~後編」 を参考にさせていただきました。
私のケースに当てはまると思い、イタリアでこの手術が出来る先生に巡り合うことが出来ました。
2006年に乳がん治療した左胸の腋窩リンパ節レベル2と3の間に再発しました。
エコグラフィーで疑い、マンモとMRIはnegative、生検は難しい位置のためPET/CTで最終診断、外科手術を受けました。

化学療法について、現在通っている病院の腫瘍内科の先生とセカンドオピニオンの先生で治療方針が異なるため、
どちらの方針に進むべきか迷っています。
治療は、イタリアで行います。
差し支えなければ、先生のご意見を頂きたく、投稿しました。
私の健康状態は、骨粗しょう症の治療(プラリア+カルシウムとビタミンD3)をしている以外、心臓を含め問題ありません。
経済的には、国民健康保険とプライベート保険を利用出来るため、考慮する必要はありません。
将来的にQOLを下げず、再発の可能性をなるべく低くする治療方針を望みます。

2006年(40歳)にイタリアで乳がん(左胸)の治療を受けました。
乳房温存手術+腋窩リンパ節18個切除(レベル1)→化学療法FEC(600/90/600) 6クール
→放射線療法 total 50Gy + Boost 10Gr(温存部分の傷跡に追加・リンパ節に照射なし)→ホルモン療法5年
病理検査の結果は、切除した腋窩リンパ節18個のうち1つ(0,2mm)陽性
ER90%, PGR90%, ki67%:5%, HER2:2+ FISH(不明)

2024年2月末(57歳)イタリアで腋窩リンパ節(左胸)レベル2と3の間のリンパ節をROL技法(放射性物質にて染色)で取り除く手術をしました。
先週、病理検査の結果をもとに、今後の治療方針を伺ったところ、次のような診断でした。
病理検査の結果は、腋窩リンパ節7個切除(レベル2,3) うち5個陽性
(静脈にくっついた状態で見つかり、その周囲を含め丁寧に静脈からはがす作業をしたとのこと。筋肉にも一部浸潤していた。)
ER95%, PGR12%, ki67:22%, HER2: 2+ FISH negative
治療方針A:
化学療法 TC療法(タキソテール+エンドキサン)3週間ごとに4クール
放射線療法
ホルモン療法
BRCA1/2遺伝子検査の結果により追加治療

治療方針B(セカンドオピニオン):
化学療法 EC療法(75/600) (エピルビシン+エンドキサン)3週間ごとに4クール
追加でタキソールを毎週12週間
放射線療法(リンパ節123に加え、鎖骨上まで)
ホルモン療法(アロマターゼ阻害剤)+ ベージニオ(アベマシクリブ)
BRCA1/2遺伝子検査の結果により追加治療

治療方針Bの方が、肉体的には辛そうですが、より根治を目指す治療なのかなと思っています。
一方、エピルビシンによる治療について、18年前に使用していることから、私のがんに薬剤耐性のリスクはないものか?
エピルビシンの恩恵の方が、薬剤耐性のリスクを上回ると考えて良いでしょうか。
本来なら、御病院を訪問し、受診したいところですが、海外在住につき叶いません。
お忙しいなか恐れ入りますが、田澤先生のご意見、よろしくお願いします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

化学療法 TC療法(タキソテール+エンドキサン)3週間ごとに4クール
放射線療法
ホルモン療法
BRCA1/2遺伝子検査の結果により追加治療

治療方針B(セカンドオピニオン):
化学療法 EC療法(75/600) (エピルビシン+エンドキサン)3週間ごとに4クール
追加でタキソールを毎週12週間
放射線療法(リンパ節123に加え、鎖骨上まで)
ホルモン療法(アロマターゼ阻害剤)+ ベージニオ(アベマシクリブ)
BRCA1/2遺伝子検査の結果により追加治療

⇒既治療FECでのEpirubicinが90mg/m2であり、治療方針Bの75が75mg/m2だとしても
「Epirubicinの総投与量」は90x6+75x4=540+300=840mg/m
2となるので許容範囲と言えます。
★生涯投与量は900mg/m2以下が望ましいため

其の意味では「治療方針B」も十分許容範囲の治療法と言えます。
「根治を最優先」であれば、(私であれば)治療方針Bの「タキソールを毎週12回」⇒「bevacizumab+paclitaxel」としまず。(他は全て治療方針Bと同じ)

「BRCA1/2遺伝子検査の結果により追加治療」というのは無論「Olaparib」のことでしょう。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/4/15
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