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卵巣の腫れについて

[管理番号:10226]
性別:女性
年齢:48歳
病名:左乳癌
症状:不正出血、卵巣の腫れ
投稿日:2022年4月15日

いつも参考にさせて頂いています。

2020年2月よりタモキシフェン内服しています。

2019年9月~化学療法閉経して、今までトラブルありませんでしたが、先日初めて不正出血がありました。
5日ほどで治りましたが、婦人科で子宮体がんの検査と血液検査をして結果待ちです。

血液検査は何を調べたのか詳細分かりません。
卵巣機能に変化が起こっている可能性があるからそれを調べるといった説明でした。

その際、エコーをして卵巣の腫れを指摘されています。

こちらの過去の質問などを拝見させていただき、それはタモキシフェンによる影響の可能性が高いということは理解したのですが、いくつか質問させて下さい。

今回初めての不正出血で、卵巣の腫れも初めての指摘でした(3ヶ月前は何の指摘もありませんでした)

現在は不正出血も治り、特に症状はないのですが、卵巣が腫れている→タモキシフェン休薬してみるor休薬してリュープリンを始めるにした方が良いのでしょうか?

もう少し様子をみて、出血が頻回する、量が増える、腫れが大きくなるといった変化があったら休薬を考えるでも良いのでしょうか。

リュープリンは更年期症状が強く出る印象で、あまりやりたくないのですが、リュープリンを始めるのはどういうタイミングが適切だと思われますか?

乳癌の再発防止という観点から。

今回の出血=生理の復活ということもありますか?

復活したと考えるとタモキシフェンでホルモンが抑えられていなくて、再発リスクが高くなるということはありますか?

再発リスクが上がるのを抑える目的でリュープリンを開始するということもあるのでしょうか?

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

ポイントは3点

1.タモキシフェンを内服していれば、その「卵巣刺激」により「卵巣腫大するのは当然」
2.「タモキシフェンと卵巣腫大の関係を何故か!! 知らない」婦人科医は多い!!(何でだろう??)⇒無駄にMRIなど検査を強要されるケースが多い
  ★是非『今週のコラム 303回目 閉経前ホルモン療法 まとめ』及び あるあるQの『タモキシフェン内服中の「卵巣腫大」について悩む方は管理番号7256『卵巣の腫大について』をご参照ください。
3.化学療法閉経から「月経回復することは、予後によくない」⇒月経が戻る兆候があったら(緊急ではないにしろ)LH-RHagonist併用すべき

上記3点、ご理解いただけたでしょうか?
つまり、質問者は(極めて典型的な)『化学療法閉経からの月経再開』及び『タモキシフェンの刺激による卵巣腫大』という状況であり、最も適切な対処は(無駄な卵巣の検査ではなく)『LH-RHagonist併用』の一択となります。
ご参考に

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2022/4/23
***

質問者様から 【質問2】

リュープリン継続期間について
性別:女性
年齢:49
病名:左乳がん
症状:
投稿日:2022年7月25日

以前、卵巣の腫れと不正出血のことでご相談させていただいたその後のご相談です。

経緯をまず

2019年9月~化学療法による閉経

2020年2月~タモキシフェン内服開始

2022年4月 初めての不正出血で婦人科受診

→内膜肥厚、卵巣の腫れを指摘

ホルモン値(エストラジオール値)も高いと言われました

2022年5月 4月と同じ時期に出血
       4月よりもかなり多量

2022年6月~1ヶ月ごとのリュープリン開始

現在、リュープリン2回投与したところです。

5月に多めの出血があってからは出血ありません。
2回目の後、婦人科フォローを受けましたが、

内膜も厚くなく、卵巣の腫れはまだあるけれど、改善していました。

今この状況での質問ですが、
乳がん再発予防という点で、今の状況でリュープリンをするとは効果があるのでしょうか?

現在の私の状態で、タモキシフェン単独と、タモキシフェン+リュープリンでは後者の方が再発率に関しては効果がありますか?

出血もなく卵巣の腫れも治まってくるとやめても良いのでは?という気持ちになってしまうのですが、リュープリンをいつまで続けるかという目安はありますか?

田澤先生から 【回答2】

こんにちは田澤です。

質問者のケースは
化学療法閉経⇒(化学療法閉経からの)回復 ⇒リュープリンによる卵巣抑制

★化学療法閉経から回復した状態を放置した場合には「予後に悪影響がある」ことが
解っているので、(化学療法閉経から回復した際には)リュープリンで抑制しなくてはいけません。
 つまり、質問者は正しい治療を行っているのです。
 ご安心を。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2022/8/2
***

質問者様から 【質問3】

リュープリン継続期間
性別:女性
年齢:49歳
病名:左乳癌
症状:
投稿日:2022年8月3日

お忙しい中、回答をありがとうございます。

私のようなタイプはリュープリンをいつまで続けるのが良いのでしょうか。
ホルモン療法開始と同時にタモキシフェンと併用する場合、年単位でリュープリンを併用している方が多い印象ですが、私みたいな
場合はどのくらいリュープリンを継続するのが良いのですか?

リュープリンをいつまで続けるかの目安はありますか?

田澤先生から 【回答3】

こんにちは田澤です。

リュープリンをいつまで続けるかの目安はありますか?
⇒5年間です

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2022/8/22
***

質問者様から 【質問4】

ゾラデックス継続期間について
性別:女性
年齢:50
病名:異時性両側乳癌
症状:
投稿日:2023年08月22日

いつも参考にさせて頂いています。

1年ちょっと前に10226で質問させて頂き、現在も月一回のゾラデックスとタモキシフェン内服継続中です。

2020年2月~タモキシフェン内服。
2022年4月に不正出血あり6月~リュープリン併用、転院にともない2023年~ゾラデックスです。

開始してから大きなトラブルなく順調に継続していますが、昨年質問後に、2回目の乳癌罹患し、異時性両側乳癌になりました。

1回目左 ルミナルHER2
2回目右 ルミナルA

前回の質問で注射併用の継続期間をお聞きして先生から5年間という回答を頂いております。

主治医からもタモキシフェン10年、リュープリン(ゾラデックス)5年を一般的には
推奨というお話はありましたが、私の場合リュープリン開始が49歳からと遅く、5年の間に何も治療していなくても閉経を迎える年齢になるのでは?というのもあり、主治医も5年やりきるかは悩ましいところとおっしゃっています。

またネット情報ではありますが、タモキシフェンを数年内服した後に、アナストロゾールに変える方がタモキシフェンを10年継続するより予後が良いという情報を目にしまして、だったら注射は2、3年続けて、アナストロゾールに変えた方が良いのではないか、そしたら最短であと1年でアナストロゾールに変える選択もあるのかなと思うのですが、先生はどうお考えになりますか?

5年続けるとなると、54歳まで続けることになるのですが、確かに55歳くらいまで生理がある人もいますし、確実を求めたらやはりそこまで注射併用を継続する方が良いと思われますか?

あと私の場合、術後10年ホルモン療法というのは2回目乳がんを基準に考えるのですか?

以上よろしくお願い致します。

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

余り先々まで考えるのは愚行というものです。
50歳と言う年齢からはとにかく5年はtamoxifen+LH-RHagonist行い、(5年後に)LHを終了したのちに月経が戻らないことを(少なくとも)2年間は確認してから
(更にその時点でE2も測定し閉経値であることも確認)aromatase inhibitorへ変更しましょう。
★現在、一般的に閉経年齢は遅くなっており(私の印象では)50歳代後半が多いと思います。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/8/30
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