[管理番号:1763]
性別:女性
年齢:41才
田澤先生、初めまして。
いつも拝見させていただいています。
10月20日に乳ガンと診断されました。
ステージ1、左胸乳頭近くの10時方向に大きさ7ミリ×5ミリ、ホルモン陽性、Her2なし、ki67 10%、リンパ節転移なしで温存手術を11月30日にする予定でいました。
術後は放射線治療とホルモン治療5年とのこと。
先日の術前の造影MRI検査で5ミリの怪しいものが今のしこりの2センチ離れた12時方向に1つ見つかりました。すぐに生検して結果待ちなのですが、
もしこちらも悪性なら主治医からは切除範囲は当初より広くなりますので、温存手術と同時再建でいきましょうかとのことを告げられました。
生検をして下さった先生は
今回のも悪性であっても場所が近いから、もともとの切除の周り2センチにぎりぎり入るので当初予定より1~2セン切除が増えるけど、同時再建まではしなくて大丈夫ではないか。術後どうしても美容的に気になるなら期間をおいてから行ってもいいではとおっしゃいました。
温存手術の同時再建はどうなのでしょうか。
私は同じ再建手術するなら全摘手術をして再発のリスクがなくなったほうが
よいのではと思ってしまうのですが…
全摘なら放射線治療はなしと言われました。
あと母も今の私と同じ41才で乳ガンで他界いたしました。
私と自身、遺伝子検査も検討しましたがせずに、毎年の乳ガン検診を受けることにし、今回早期で発見していただけました。
温存手術の場合、もし私が母の乳ガンの遺伝があるとすればホルモン治療を行っても、10年先再発の可能性は遺伝がない場合よりも高くなるのでしょうか。
主治医からは温存手術でも全摘手術でも生存率は変わらないと伺いましたが、再発率は違いますよね?
温存手術の後、再発すれば次回は全摘手術が決定になるそうです。
再発の可能性が遺伝によって高いのなら全摘手術をして将来の再発の不安から逃れたいとも思っております。
長々とまとまりのない文章になってしまいましたが、先生のご意見を頂けるとありがたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「温存手術の同時再建はどうなのでしょうか」
⇒標準的ではありません。
形成外科医からは「温存後の再建は非常に難しい、やらない」と言われた事があります。
再建するなら「全摘後」がいいと思います。
「温存手術の場合、もし私が母の乳ガンの遺伝があるとすればホルモン治療を行っても、10年先再発の可能性は遺伝がない場合よりも高くなるのでしょうか。」
⇒「乳房内再発のリスクは高い」17% vs 11%
ですが、「遠隔転移再発」については不明です。
「温存手術でも全摘手術でも生存率は変わらないと伺いましたが、再発率は違いますよね?」
⇒再発は「局所再発」と「遠隔再発」に分けて考えなくてはなりません。
「局所再発率は高い」ですが「遠隔再発率は同等=生存率は変わらない」となります。