[管理番号:8774]
性別:女性
年齢:37歳
病名:右胸癌
症状:
投稿日:2020年7月28日
田澤先生はじめまして。
妻の乳がん発覚以来、こちらで勉強させて頂いております。
本当にありがとうございます。
大変感謝しております。
よろしくお願い致します。
経緯
4月下旬に生検にて右胸乳がん発覚。
リンパ転移なし。
5月中旬に右胸全摘手術を受けました。
病理結果
腫瘍の大きさ 4.5センチ
リンパ節転移 2箇所
ER 陽性
P R 陽性
HER2 陰性
ステージIIb
主治医からは、初めから抗がん剤治療をすすめられていましたが、抗がん剤に抵抗があったため、オンコタイプDXを受けました。
オンコタイプDXの結果
再発スコア 26
リンパ節転移陽性(1~3個)
9年遠隔再発率
タモキシフェン単独 21%
化学療法上乗せ効果 化学療法の効果を否定できません
ER 10.0 陽性
PR 6.8 陽性
HER2 10.3 陰性
オンコタイプDXの結果からの抗がん剤治療をやるしかないと言われました。
ただ、スコアは中間リスクだということ、しかし、
再発率は21%と思ったよりも高いことで、迷っております。
主治医から、抗がん剤治療の上乗せ効果を聞いても、そういうものはない。
と言われ、抗がん剤治療をする理由としては、癌が大きかったことと、まだ若いこととのことです。
抗がん剤治療をするのであれば、納得して行いたいと思っているので、この説明では正直納得できません。
また、手術の際に、皮膚近くまで癌が広がっていたので、放射線治療も行うとのことです。
質問は、
①オンコタイプDXスコアの26、再発率21%は、抗がん剤治療を
するべきなのか?主治医が言うように、癌が大きかったこと、若いことは、関係してくるのか?田嶋先生なら主治医の言うように抗がん剤治療を勧められますか?
②オンコタイプDXの上乗せ効果で、「化学療法の効果を否定できません」とは、どう解釈したらいいのか?上乗せ効果は、何%になると予想されるのか教えてください。
③上乗せ効果のグラフを読み取るとき、どこを見ればだいたい何%になるのか?教えてください。
主治医は、7月中には結論を出してほしいとのことで、あまり時間のないところですが、どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
『今週のコラム 220回目 30までは(抗がん剤の対象となる可能性が)十分に低く、OncotypeDXの恩恵を受ける中核は「31-45」だと理解できます。』で記載したように
★ 現在は「低―中―高」のリスク分類の意味は疑問視され、「RS=25」で分ける考え方(RS≦25は抗がん剤不要)が優勢となっています。
「①オンコタイプDXスコアの26、再発率21%は、抗がん剤治療をするべきなのか?」
⇒勧めます。(上記)
「主治医が言うように、癌が大きかったこと、若いことは、関係してくるのか?」
⇒100%無関係!(そんなこと言っていたら、OncotypeDXする意味がない)
「田嶋先生なら主治医の言うように抗がん剤治療を勧められますか?」
⇒主治医とは「理由」がちがいますが、(結果として)RS=26なので抗がん剤を勧めます。
「②オンコタイプDXの上乗せ効果で、「化学療法の効果を否定できません」とは、どう解釈したらいいのか?上乗せ効果は、何%になると予想されるのか教えてください。
③上乗せ効果のグラフを読み取るとき、どこを見ればだいたい何%になるのか?教えてください。」
⇒グラフを見てください。
Tam + chemo と Tam _Alone の差です。(RS=26での)