[管理番号:5714]
性別:女性
年齢:44歳
田澤先生はじめまして。
お忙しい中このようなサイトを運営いただき、とても心強く大変感謝しております。
術後の治療について、ご意見を伺いたく、こちらにおじゃましました。
9月上旬に乳がんと診断され、10月下旬に右乳房の全摘出手術を受けました。
しこりの大きさとリンパ節転移が1ヵ所あったため、術後治療に抗がん剤を追加するか、ホルモン治療単独(10年)でいくか判断に迷い、オンコタイプdxを勧められています。
術後病理検査の結果
浸潤癌
腫瘍径 → 3.4×2.0×1.4
ki67 → 20%
HG → 2
ER → 100%
PR → 100%
EHR2 → マイナス
リンパ節転移 → T2N1M0
(センチネルリンパ生検陽性のため、レベル2まで郭清)
もし抗がん剤を行う場合は、1クールとのことです。
ki67の数値もギリギリグレーゾーンに入るくらい(ルミナールAと言い切っても問題ない値ではあるとのこと)で、ホルモン治療単独でも問題はないと思うが、年齢も考慮し個人の遺伝子を細分化したデータを見て納得して治療できる方がいいのでは、と言われています。
副作用もあるので、可能であれば不要な抗がん剤治療は避けたいとの考えもあります。
オンコタイプdxには中間リスクもあり、もしそうなった場合の判断が不安ですが、このまま不安をいだいたままどちらかの治療を選択するより、検査を受け数字化されたデータで確定できるのはやはり有益でしょうか。
田澤先生のご意見をお聞かせいただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「しこりの大きさとリンパ節転移が1ヵ所あったため」
⇒これが「抗癌剤を追加すべきか?」とは全く無関係であることは、このQandAを読んでもらえばご理解いただけていることでしょう。
「ki67の数値もギリギリグレーゾーンに入るくらい(ルミナールAと言い切っても問題ない値ではあるとのこと)で、ホルモン治療単独でも問題はないと思う」
⇒正しい見解です。
私であれば、「ルミナールA」としてホルモン療法単独とします。
「オンコタイプdxには中間リスクもあり、もしそうなった場合の判断が不安」
⇒誤りです。
中間リスクは「化学療法の上乗せはない」ことをご確認してください。
『今週のコラム98~101』をご参照のこと。
今週のコラム 98回目 ♯このグレーゾーンを「AとBに分ける」ためにOncotypeDXがあるのです。
今週のコラム 99回目 ★グレードは「参考程度」ということでいいですね?
今週のコラム 100回目! 「若いから」抗ガン剤をしましょう。は過ちなのです。
今週のコラム 101回目 (Ki67が20代はluminal Aの可能性が圧倒的に高く)本当に「Aなのか、Bなのか迷うのは30代以降」と言えるのです。
「検査を受け数字化されたデータで確定できるのはやはり有益でしょうか。」
⇒ルミナールAとしてホルモン療法単独で問題は有りませんが…
不安なのであればOncotypeDXをお勧めします。(実際に数字を見れば納得するでしょう)