[管理番号:1749]
性別:女性
年齢:40歳
今回、乳癌の疑いがあり針生検の結果待ちです。
乳頭陥没があり受診しました。
しこりも感じず、超音波でやっと見つかり、乳頭下にあり10ミリくらいだと言われました。
乳頭陥没、皮膚ひきつれなどの症状は、乳癌として症状が進んでいるから出る症状でしょうか?
陥没は初めて気がついたのは半年前です。
時間がたちすぎですか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「乳頭陥没」ですね。
これは別に「進行したから」出る症状ではなく、「たまたま腫瘍の部位が乳頭直下だった」だけにすぎません。
回答
「乳頭陥没、皮膚ひきつれなどの症状は、乳癌として症状が進んでいるから出る症状でしょうか?」
⇒質問者の場合は違います。
○「腫瘍が10mm位」であれば、「単に乳頭直下で皮膚表面に近い部位にある」からに過ぎないと思います。
「陥没は初めて気がついたのは半年前です。時間がたちすぎですか?」
⇒大丈夫です。
「乳頭の傍に発生した」ことで「早期で気が付いた」と言えます。
質問者様から 【質問2】
先日の質問に対し、心強いお返事をいただき、感謝しております。
ありがとうございます。
まだ針生検の結果はまだですが、癌であると仮定して質問してもよろしいでしょうか?
一昨年は触診のみ、昨年は触診とエコーの乳がん検診を受けていました。(異常はありませんでした)
半年前から乳頭陥没があると申しましたが、その時に気になって大きな総合病院の乳腺外科へかかりました。
その時にマンモグラフィーとエコーの検査をしましたが、異常がないとのことで、経過観察と言われたのです。
それから半年経ってしまいましたが、こちらのQ&Aで、エコーは技術に左右されることを知りまして、別の乳腺外科へ
行くことにして、現在の状況になります。
症状はしこりなどは感じず、乳頭陥没のみ、マンモグラフィー異常なし、エコーでも見つけにくいと言われました。
大きさは10ミリくらい、脇もエコーで見た限り映っているものはなさそうとのことでした。
田澤先生から見て、どのようなステージ、所見だと思われますか?
針生検の時に聞けばよかったのですが、頭が真っ白になり聞くことが出来ませんでした。
江戸川病院に行きたかったのですが、少し遠いため、市内で手術数の多い病院を探し(医師は二名で小人数でした)、そ
の病院にかかっています。
こちらのQ&Aで勉強させていただいたおかげです。
ありがとうございます。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「半年前から乳頭陥没があると申しましたが、その時に気になって大きな総合病院の乳腺外科へかかりました。その時にマンモグラフィーとエコーの検査をしましたが、異常がないとのことで、経過観察と言われ」
⇒「大きな総合病院」とは「技師さんのエコー」でしょうか?
誤解を招いているとしたら申し訳ありませんが、
「技師さんのエコーが悪い」と言っているわけではありません。
もともと「無症状のひと(つまり検診ドックなどで)に丁寧にエコーを行う」場合には「技師さんのエコーは素晴らしい」と言えます。
実に仔細に「観察」します。
しかし、例えば、今回の場合でも「乳頭陥没と言う症状」に対して「エコーをする際には、臨床的にどのような所見の可能性が高いのか疑ってかかる目が必要」だと言う事です。(それを技師さんに求めるのは酷と言えます)
○普通に「検診のような感覚でエコー」しても「見つからない所見」も、『陥没乳頭を起こすには、この辺にこんな所見かな?』と想像しながらエコーをするには「臨床経験が豊富な医師」でないと難しいのです。
「どのようなステージ、所見だと思われますか?」
⇒ステージは1期となるでしょう。早期癌です。
進行した状況はありえません。
ただし、「乳頭を引っ張る」ということは「非浸潤癌ではない」ことも予想されます。
質問者様から 【質問3】
たびたびの質問にもお答えいただき、ありがとうございました。
半年前に受診した総合病院でのエコーは、技師さんによるものでした。エコーの際、乳頭陥没のある方の乳頭付近を重点的に見ていただいたはずでした。
田澤先生の「早期発見である」というお言葉に安心致しました。ただ、「非浸潤ではない」可能性とのこと。それでも予後は良いと考えて良いでしょうか?
リンパも超音波では見えなかったようですが、結果待ち、手術待ちをしている間にもリンパへ転移するのではないか、腫瘍も大きくなるのではないかと不安です。
針生検の後何日かしてから、背中や首、肩、腰などが痛く、転移という言葉が頭をよぎります。
ストレスからくるものでしょうか?
何度も質問してしまい申し訳ありません。
よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
乳頭直下は「通常のスクリーニングエコーでは、見逃しの最頻部位」と言えます。
その意味では「半年前」は仕方がないでしょう。
ただ、(もしも癌だとしても)現時点で「微妙な所見」との事ですので「早期」であることは間違いありません。
回答
「結果待ち、手術待ちをしている間にもリンパへ転移するのではないか、腫瘍も大きくなるのではないかと不安」
⇒これは皆さんが必ず感じることです。
余程「肝の据わっているように見える」と人でも「不安の無い人は皆無」です。
ただ状況的には「心配無用」です。
「背中や首、肩、腰などが痛く、転移という言葉が頭をよぎります。」
⇒この可能性は間違いなくゼロです。
「ストレスからくるものでしょうか」
⇒そう思います。
質問者様から 【質問4】
先日はご回答いただきありがとうございます。
針生検の結果が出ました。
小葉癌、乳頭のすぐ真下にあり大きさは10ミリ、大きく見積もっても11ミリ、ステージ1と言われました。
もっと詳しく聞きたかったですが、術前の検査結果と術後の結果では数値なども変わってくることがあるので、術後にお知らせしますとのことでした。
告知の日に採血とCTを撮りました。不安でしたが、「転移はないと思います。治りますよ。」と言っていただき、少し安心しました。とは言え結果は明日出るのですが、万が一を考えて時折不安になってしまいますが。
小葉癌については以前田澤先生がご回答されていましたが、再発しやすいのではなく、新規に癌ができやすい、と解釈しましたが、対側に新規に癌が出来る可能性は何%くらいなのでしょうか。
もともと全摘を希望していました。全摘した場合、私のようなケースでは予後はどうでしょうか?
お忙しい中申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
cT1b(10mm) or cT1c(11mm), cN0, cStageⅠですね。
文句なしの早期乳癌です。
CTに異常所見はないのでご安心を。
「小葉癌については以前田澤先生がご回答されていましたが、再発しやすいのではなく、新規に癌ができやすい、と解釈しました」
⇒多中心性発癌です。
再発では無く、「全く別個に」できやすい(同側にも対側にも)
「対側に新規に癌が出来る可能性は何%くらいなのでしょうか」
⇒いろいろなデータが出ていますが、どれも信頼できるものではありません。
通常の組織型で6~7%とされていますが、「小葉癌では10%前後」と思います。
「全摘した場合、私のようなケースでは予後はどうでしょうか?」
⇒勿論早期だから、(担当医のいうように)「予後良好」です。
実際には「核グレード」とか「リンパ節の状況」や「浸潤径」などが「術後に確定」しないと「正確な数字がだせませんが、10年無再発90%位はいくでしょう(ホルモン療法が効くタイプでホルモン療法をすれば)
質問者様から 【質問5】
度々の質問にもご回答いただき感謝しております。ありがとうございます。
先週、CTの結果が出ました。
転移などは見られませんでしたが、腫瘍のある場所から少し白く伸びている部分があり、拡がりが見られるかもしれないとのこと。詳しくはMRIの結果が出てからとなり、MRIも撮りました。
この「拡がり」とはどういうものなのでしょうか?
腫瘍(しこり)は10ミリと言われましたが、「拡がり」がある場合は腫瘍の大きさとしてプラスされるのでしょうか?
ステージ1と言われていましたが、ステージが上がるのか、予後も変わるのか、心配です。(手術は全摘予定です)
お忙しい中申し訳ありませんが、ご回答お待ちしております。
(先週、同じ内容の質問を送信したかもしれません。重複していましたら申し訳ありません)
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
「CTでの拡がり」ですね。
通常は「乳管内進展」など「非浸潤癌としての拡がり」と考えられます。
ただし、「癌」というのは「しこりから足を延ばすように周囲に浸潤」するわけなので、「浸潤部分としての拡がり」も有る程度はあります。
♯これは質問者だけに(特別に)当てはまったわけではなく、(癌である以上)「多かれ、少なかれ」あるのです。
回答
「腫瘍(しこり)は10ミリと言われましたが、「拡がり」がある場合は腫瘍の大きさとしてプラスされるのでしょうか?」
⇒その「足を伸ばした部分」が「浸潤部分」であれば、プラスされます。
「ステージ1と言われていましたが、ステージが上がるのか、予後も変わるのか、心配です。(手術は全摘予定です)」
⇒もともと10mmだから、「多少浸潤部分の足がある」にしても「浸潤径>20mm」とまではいかないでしょう。(非浸潤癌としての拡がりが20mmを超えてもステージはあがりません)
しかも「全摘」であれば、「全く気にする必要」はありません。
と、いうか「全摘ときまっている」のに、「MRIを撮影する必要があるのか?」
そちらの方が疑問です(医療費の無駄遣い)
質問者様から 【感想6】
お忙しい中、ご回答いただきありがとうございました。
乳癌と告知され、不安に押しつぶされそうになりましたが、田澤先生の心強く的確なご指導により、手術までの間、穏やかな気持ちで暮らしていくことが出来ています。(穏やかすぎて、こんなに普通にしていて良いのか?とふと思うくらいです)
こちらで勉強させていただき、命を救っていただいた気持ちでいます。
手術を終えて病理結果が出ましたら、また治療法について質問をさせていただくと思いますが、よろしくお願い致します。
質問者様から 【質問7】
おはようございます。
気になることがあり、度々の質問お許しください。
右胸浸潤性小葉癌、腫瘍は1センチと言われていますが、ここ1ケ月くらい、右胸のみ固いような気がします。
しこりと言うより丸い弾力性のあるゴムボールが乳房の中にあるような感じです。(乳房より一回り小さいくらい)
超音波、マンモ、CTを終えていますが、腫瘍については診断されましたが、右胸だけちょっと固い気がするとは医師に伝えましたが、それについては特にコメントはなかったです。
(腫瘍が見つかったのでこちらも忘れていました)
浸潤性小葉癌と診断されたので、超音波でも見つけづらいなどで、実はそのゴムボールのように感じている部分までも腫瘍だったらと思い至り不安になりました。田澤先生から見てどうでしょうか?
お忙しい中すみません。お答えいただけたら幸いです。
田澤先生から 【回答7】
こんにちは。田澤です。
「しこりと言うより丸い弾力性のあるゴムボールが乳房の中にあるような感じ」「右胸だけちょっと固い気がする」
⇒針生検の影響と思います。
心配ありません。
「実はそのゴムボールのように感じている部分までも腫瘍だったらと思い至り不安になりました。田澤先生から見てどうでしょうか?」
⇒考え過ぎです。
誰しも「術前には、あちこち気になる」ものです。
一通り検査しているのだから「信じる」べきです。