［管理番号:7644］
性別:女性
年齢:38歳
病名:
症状:乳管拡張

たびたび失礼します。

妊娠・出産経験なし、現在妊娠しておりません。

私はとても心配性で、今から半年前の２月に病院でエコーをして異常なし。

そして昨日、予約を入れていた半年前と同じ病院でエコーをしてもらい異常なしでした。

６年前からある５ミリのしこりも大きさも変化なしで、他も特に異常ないと言われました。

ちなみに技師によるエコーです。

昨日、「まったく異常はないのですね」と聞いたところ、医師が「乳管が拡張しているけど」と言われました。

それを言われたのは初めてですが、詳しい説明はありませんでした。

その言葉に戸惑い「それは普通のことですか？」と聞いたら「異常です」とキッパリ言われました。

異常という言葉が衝撃的で、それ以上は何も聞けませんでしたし、何も言われませんでした。
どちらの胸のどこの乳管が拡張してるのかも聞けませんでした。

次は半年後にまたエコーをして様子見と言われました。

ここで質問です。

乳管が拡張しているというのは異常で、乳がんと関係しているのでしょうか？
こちらのＱ＆Ａを見て色々と勉強をしてみたものの、拡張して乳管にガン細胞があると乳がんになるということなのでしょうか？
乳管が拡張している＝乳がんの可能性が高いから半年後にエコーなのでしょうか。

ただ、半年後のエコーに関しては医師が私がとても心配しているから、念のためなのかもしれません。

拡張している乳管というのは、危険な状態なのですか？
ご回答をいただけると幸いです。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

検診結果が「異常なし」なのに「乳管拡張が異常」では、質問者が「ぶったまげる（失礼！）」のみ無理はありません。

★乳管拡張
　読んで字のごとく、乳管が拡張（拡がっている）している事です。
　その拡張度合が大きくなり、目立ってくると「嚢胞」へと名称を変えます。（出世魚のようですね）
　原因は乳管が詰まりがちになることによります。
　その詰まる原因は？　
　⇒ホースを例えにすれば解ると思いますが…

　　１．中から詰まらせる（石を入れる）
　　２．外から詰まらせる（指でギュッと締め付ける）

　乳管も全く同様です。
　乳管拡張の９９％以上は乳腺症に伴う所見です。それはホルモンの刺激で乳腺が硬くなった際に「外側から潰される（上記２ですね）」ケースもあれば、「内用液が固まって詰まる（上記１ですね）」ケースもあるのです。
　それでは残る１％未満はどうかというと…
　⇒腫瘍が乳管の中に発生して、中から詰まらせるケースです。
　　内用液が多くなると「嚢胞内腫瘍」のように見えるようになります。『今週のコラム　51回目　嚢胞内腫瘍　これは嚢胞ではありません』をご一読ください。

★ただ、質問者が「自身の乳管拡張が腫瘍が原因？」などと考える必要は全くありません。
　もしも、その疑いがあれば検診結果に「異常なし」となることは無いのです。

「乳管が拡張しているというのは異常で、乳がんと関係しているのでしょうか？」
⇒違います。

　９９％以上は乳腺症に伴います。

「こちらのＱ＆Ａを見て色々と勉強をしてみたものの、拡張して乳管にガン細胞があると乳がんになるということなのでしょうか？」
⇒違います。

　内部に腫瘍が無いのであれば、「拡張乳管」はあくまでも正常乳管なのです。

「乳管が拡張している＝乳がんの可能性が高いから半年後にエコーなのでしょうか。」
⇒「医師が私がとても心配しているから」のようですよ。

「拡張している乳管というのは、危険な状態なのですか？」
⇒もう、わかりましたね？

　乳腺症の所見です。
　ご安心を。