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乳がんの治療について

[管理番号:8566]
性別:女性
年齢:38歳
病名:乳がん
症状:転移
投稿日:2020年5月25日

こんにちは、初めての相談になります。
妻の乳がんに転移が見つかり、情報が欲しくてお力を貸していただきたく相談させていただきました。

今までの経過です。

35歳に乳がんステージ1リンパに転移なしでした。

エストロゲンレセプター陽性
プロゲステロンレセプター陽性
HER2陰性
増殖活性15で高い低いの中間
組織学的異型度2
核異型度1
ルミナールA
手術をして放射線後ホルモンタモキシフェンとリュープリンをしました。

リュープリンは妊娠希望だったため2年で中止。

3年目に入ってしばらくして右肋骨が自然に寝てる時に骨折。

その日に整形にいきましたが、レントゲンをとっても骨折はみえず、打撲だろうと診断されました。
湿布をもらいました。

一週間経っても痛みは引かずもう一度整形にかかりレントゲンをとりました。

その日前回と同じ場所が一部骨が太くなっていたので骨折をしてたんだねと言われました。

三カ月たっても痛みは引かず違う整形にかかりました。

そこも骨はしっかりついているから問題ないと言われたので安心して帰りました。

その後も痛みは時々ありましたが改善に向かってきたので様子をみてきました。

乳がんの3年検診で肋骨が折れてるどころが膨れていると言われ細胞を取り検査しました。

骨に転移がわかりました。

癌専門病院へ転院して話を聞いてきました。

ホルモン剤を変えるのと分子標的薬をプラスやっていくと効果がいいと言っていました。

調べたりしたら自家ガンワクチンの事が出てきました。
治療法は自家ガンワクチンと抗がん剤と放射線でした。

乳がん骨転移の方で完治に向かったと症例にありました。

分子標的薬と自家ガンワクチンとどっちが効果ありますでしょうか?
最近本で運動と自律神経を整える事ときのこを食べたり人参ジュースや玄米など食事療法もやるといいとかいてるため出来る事を始めてます。

まだ一カ月ぐらいですが、漢方のシベリア霊芝も飲んだりやっいます。

初期治療後再発の意識もなかったので食事、運動、自律神経のケアが大切な事を知らずにきてしまった事がとても私にとって反省すべき事です。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

再発治療には幅があります。
大事なことは「楽な治療」よりも「最善の治療」を選択することです。

「ホルモン剤を変えるのと分子標的薬をプラスやっていくと効果がいいと言っていました。」
⇒これは Fulvestrant + LH-RHagonist + CDK4/6
inhibitor(palbociclib/abemaciclib)のことです。

 具体的にいうと
  ホルモン剤の変更(tamoxifen⇒Fulvestrant + LH-RHagonist)
分子標的薬をプラス(CDK4/6 inhibitorの併用)

 是非、『今週のコラム 234回目 palbociclib① だけで著効、長期間継続している症例』をご参照ください。

ただし、是非『今週のコラム 235回目 palbociclib② (放射線+)抗がん剤先行で長期間維持している症例』も参照してください。
 ・骨転移(特に疼痛があるのであれば)には照射が有効 必ず「選択肢」にはいれるべき
 ・ここで抗がん剤することで(将来、多発する可能性のある骨転移を)未然に防ぐ可能性もある。

「調べたりしたら自家ガンワクチンの事が出てきました。」
⇒評価不十分です。
 エビデンスがないのに「効いた症例がある」だけで鵜呑みにしないようにしましょう。

「乳がん骨転移の方で完治に向かったと症例にありました。」
⇒上記

「分子標的薬と自家ガンワクチンとどっちが効果ありますでしょうか?」
⇒エビデンスの無い治療(がんワクチン)は決して勧めません。

「最近本で運動と自律神経を整える事ときのこを食べたり人参ジュースや玄米など食事療法もやるといいとかいてるため出来る事を始めてます。」
⇒エビデンスのある標準治療から目を背けて、後々後悔しないように気をつけてください。