Site Overlay

乳がん診断後の治療について

[管理番号:4667]
性別:女性
年齢:32歳
昨年の12月頃より右胸の鎖骨下辺りにしこりを自覚しており、乳頭から茶色の分泌物が出るようになりました。
生理の前の症状だったので、様子を見ていたのですが、症状が変わらず2月下旬に乳腺専門の病院を受診。
エコー、マンモグラフィで石灰化が
あり、念のため生検まで行いました。
その時の医師は、年齢の事を考えると良性で線維腺腫の可能性が強いが、悪性の乳がんの可能性もあるとの説明。
念のため細胞診検査を行い、次の診察で悪性の疑いがあるとの診断で針生検を行い非浸潤癌の診断。
その間の医師の説明が、曖昧でわかりにくいという印象でした。
PETとMRI検査を受け、非浸潤癌だか、一部浸潤しているかもしれない、大きさは7cm程あるとの説明。
今の所は転移なし。
(自分ではしこりは5cmはあるかもと思っていましたが、最初は2cmと説明を受けていた。)
最初よりセカンドオピニオンを希望していることを伝えていましたが、
曖昧な説明と感じることが続き、治療に不安があったので他の病院での治療を希望し現在受診待ちの状況です。
最近、生理前に関係なく、右胸周囲や腕、首から肩にかけてのジリジリとした痛みがあり、しこりの部分を押さえると黒い出血が見られるようになりました。
進行や転移をしているのではないかと、次の診察まで不安でたまりません。
また、前の病院では手術は全摘となると説明を受けました。
大きさを考えるとやはり全摘しか選択肢がないのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
画像は見ていませんが…
1.分泌
2.非浸潤癌
3.広範囲
以上のkey wordからは「乳管内病変(非浸潤性乳管癌)」として(乳管沿いに)「広範囲に拡がった」という想像ができます。
「針生検を行い非浸潤癌の診断。」
⇒非浸潤癌の診断なのに「PETを撮影」(しかも32歳)⇒とんでもない診療です。
私はそんな診療は認めません。質問者が転院したのは正しい判断です。
「最近、生理前に関係なく、右胸周囲や腕、首から肩にかけてのジリジリとした痛み」
⇒典型的な「ストレス」による「女性ホルモン刺激症状」です。
 もしかして「癌と関連」づけていますか??
 全くの誤りです。
「進行や転移をしているのではないか」
⇒全くありえません。
 どう考えても早期です。(微小浸潤があるかないか?というレベルです)
 乳がんと診断されると、その「ストレス」で「上記症状」を訴える患者さんが多いのです。
 症状から1000%間違いありません(そんな、「変な」症状を起こす転移など絶対にありません)
「大きさを考えるとやはり全摘しか選択肢がないのでしょうか?」
⇒画像を見ていないので…
 
 MRIで7cmあれば「安全な温存」は困難とは思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日は質問にお答えいただきありがとうございました。
また質問なのですが、転院先で受診を受け再度マンモグラフィーとエコーを受け同じ診断で全摘となると説明を受けました。
その病院は地元では有名であり、患者さんが多く手術の日程がまだ決められないと言われ、現在は術前検査のため受診しています。
診察は全て予約制であり、術前検査や診察のため先週はほとんど通院していました。
(予約制で同じ日に複数の診察が受けられないためだそうです。)
ここ2週間以上毎日乳頭からどす黒い出血少しずつが1日1回~数回見られるようになりました。
(特に入浴時に胸に触れなくても出血することもあります。)
転院後の医師にも伝えており、乳頭下に腫瘍があるためだろうとの事でした。
現在は、以前質問させていただいた時の胸周囲や首~肩にかけての痛みは落ち着いています。
全摘となるという事実はまだ充分には受け入れられていませんが…
出血する乳頭を見ることが辛く、病状の進行への恐怖心から早く手術して欲しいという気持ちが強くなっています。
転院先の病院での詳しい説明は後日ですが、ドレーンありの2週間程の入院だと言われています。
先生の乳がんプラザを乳がん診断前後より拝見しており、先日やっと質問ができ、早いお返事をみてやはり先生に手術していただきたいという思いが強くなりました。
遠方なのですが先生の病院での手術は可能でしょうか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
心配な気持ちも十分に解りますが…
重要なことは「乳管内病変として(微小浸潤があるかは不明ですが)広範囲に拡がっている」ことと、「病状が進行している」こととは全く無関係です。
「ここ2週間以上毎日乳頭からどす黒い出血少しずつが1日1回~数回見られる」
「転院後の医師にも伝えており、乳頭下に腫瘍があるためだろう」

⇒「乳管内病変の考え方」を理解していないようです。
 「乳頭分泌と乳頭との距離は無関係」です。
 乳管内病変として拡がり、そこで出血すれば、(乳管は当然乳頭と連続しているのだから)「乳頭分泌として認識される」のです。
「胸周囲や首~肩にかけての痛みは落ち着いています。」
⇒卵巣が安定してきたようです。
 精神的に「一時期のような強い不安」から解放されたのでしょう。
「遠方なのですが先生の病院での手術は可能でしょうか?」
⇒可能です。
 『今週のコラム67回目 「術前や術後に、一体何回くらい外来受診が必要なの?」』を見るとイメージが沸くでしょう。
 ちなみに…
  温存(2泊3日)
  全摘(3泊4日) 希望があれば、2泊3日にしています。(時々若い方からはリクエストがあります)
  全摘同時再建(6泊7日)
 もしも希望がある場合には「秘書メール」してください。

秘書室へメールは、
各ページの右上にある 「秘書室へメール」からご相談ください。
もしくは、こちらのリンクをクリックしてください。

 
 
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生の病院で手術希望とお伝えしたのですが、遠方のため地元の病院での手術を受けるか悩んでいます。
田澤先生の手術を受けられることは私にとって魅力的だと感じています。
しかし、家族や周りの人に相談すると、手術前後や同時再建する場合の治療の通院についてなど不安が残るとの意見もあり悩んでいます。
そこで、私の解釈が間違っていないか確認させて下さい。
手術前の通院はなく、手術前日の診察や検査を受け手術となる。
手術の後は抜糸は不要であり、病理の結果を聞いてからの退院で間違いないでしょうか?
田澤先生の病院で手術を希望した場合はいつ頃の手術となりますか?
また、同時再建とはどのように行われ、再建後の通院はどのようになるのでしょうか?
実は費用のことも気になっています。
また、田澤先生の手術を受けることが出来たら、可能な限り田澤の病院に通院したいと思っていますが、地元の病院で経過を見ていくことになった場合、田澤先生と治療方針を相談して決めてもらえるのでしょうか?
度々の質問すみません。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
勘違いが幾つかあるようです。
勘違いの原因となる箇所を修正します。
前回の回答通り、
入院期間は
・同時再建しない場合
 温存(2泊3日)
 全摘(3泊4日) 希望があれば、2泊3日にしています。(時々若い方からはリクエ
ストがあります)
・同時再建する場合
 全摘同時再建(6泊7日)
「手術前の通院はなく、手術前日の診察や検査を受け手術となる。」
⇒勘違いです。
 手術前の外来通院は1回必要です。
 「術前検査」「説明同意書」「入院案内」は(入院の)「最低1週間前」までに行わなくてはなりません。
「手術の後は抜糸は不要であり、病理の結果を聞いてからの退院で間違いないでしょうか?」
⇒全く違います。
 手術病理の結果は2週間以上かかり、(免疫染色など)全ての結果が出るまでには3週間以上かかります。
 当然、退院までに病理結果がでることはありません。
 術後 1日(質問者の勘違いを受けて、「術後 外来受診1回」という記載へ変更しました。) 
術後創部処置は行いません。
術後創部確認と病理結果の説明を同日に行います。
⇒これは、退院後に1回(1日)外来受診が必要だという意味であり、通常「術後3週~4週後」に外来受診をしてもらいその際に「病理結果」と「創部の確認」を行います。
「田澤先生の病院で手術を希望した場合はいつ頃の手術となりますか?」
⇒「同時再建無し」なのか、「同時再建」なのかで異なります。
 
「また、同時再建とはどのように行われ、再建後の通院はどのようになるのでしょうか?」
⇒乳腺を摘出した後、(引き続いて)形成外科医により乳房再建することです。
「実は費用のことも気になっています。」
⇒費用のことも(その後の)通院のことも「自家組織再建」なのか「シリコンインプラントによる再建」なのかにより異なります。
 ♯同時再建を考えている場合には、(当院の場合)「形成外科の外来日に合わせて」木曜日に受診(「乳腺外科外来」受診⇒(ひきつづいて、同日に)「形成外科外来」受診)が必要となります。
  その場合には、形成外科での手術枠(木曜日)となるので、手術日程は「形成外科外来受診後」に決まります。
 ♯♯同時再建出ない場合には「乳腺外科外来」受診してもらいますが、「乳腺外科の手術枠(月と金)」を予め(受診前に)仮押さえしておくことも可能です。
 ★いずれ検討する場合には「秘書メール」してください。

秘書室へメールは、
各ページの右上にある 「秘書室へメール」からご相談ください。
もしくは、こちらのリンクをクリックしてください。

 
 
 
 

 

質問者様から 【質問4】

以前乳がんの診断を受け、手術についてご相談させていただいた者です。
転院のご相談をさせていただいたのですが、悩んだ結果やはり遠方のため地元の病院で6月上旬に乳房全摘、センチネルリンパ節生検を受けました。
手術後の病理結果は、
浸潤性乳管癌
浸潤径70mm、広がり1mm
断端陰性
リンパ節転移(0/1)
グレード1
Ki67 10%
ホルモン受容体 陽性
HER2 陰性
という結果でした。
これ以上の細かい説明はなく、私もその時に質問が出来ませんでした。
今後は、年齢、腫瘍の大きさ、対側乳がん予防の為にもホルモン療法
(ノルバテックス5年間)を勧められ、ノルバテックスを服用し始めました。
(現在服用を始めて1週間程になります。)
田澤先生はどのような治療をされますか?
また、手術日の数時間後よりドレーンから出血(1時間程で100ml程、止血剤を使い、手術後1日だけ400ml程の出血)し、傷の周りに血腫が見られている状態でしたが、徐々に腫れも引いてきた所です。
ただ、手術後より傷に触れると傷の中央部分辺りに何かが溜まっているような違和感がずっと残っています。
また、傷周りの突っ張り(夜目が覚める程から少し落ち着いてはきましたが…)と傷周りとドレーンを抜いた跡のジリジリとする痛みが時々続あります。
定期受診の時には問題ないと言われたのですが、これは傷の状態が落ち着ついてきたら少しずつ良くなってくるのでしょうか?
お忙しいところ申し訳ありませんが、田澤先生のご意見をお聞かせ下さい。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
術後出血は私は(幸いにも)もう何年も経験してませんし、これからも経験する気もありませんが、とても嫌なものです。
お気持ちお察しします。
「田澤先生はどのような治療をされますか?」
⇒同じです。
「これは傷の状態が落ち着ついてきたら少しずつ良くなってくるのでしょうか?」
⇒術後出血もしているし、私にはコメントできないことですが(一般論として)徐々に良くなるとは思います。