Site Overlay

再発骨転移(胸椎)への治療方針や現在の病状について

[管理番号:6696]
性別:女性
年齢:55歳

今年で55歳の母の治療の件でご相談です。

母は現在再発転移(胸椎への転移)で、ステージ4の治療中です。

<経過>
2016年11月:乳がんステージⅢbとの診断
※2,3年前からしこりを自覚していたようでした。

2016年12月~2017年6月:術前化学療法 EC+DOC
2017年7月:全摘手術
     (Ng2、Grade1b、ER70%、PR5%、HER2 FISH-)
2017年8月:放射線治療
2017年8月~:ホルモン剤(フェマーラ)を服用

手術後は、年に一度経過をみることとし、
2018年7月中旬に、約一年ぶりの血液検査、骨シンチ、CTを行いましたところ、
胸椎への集積が見られてMRIで詳細を調べ、1か所の骨転移と診断されました。

→「T11椎体は、T1強調画像で低信号、STIRで高信号、拡散強調画像で高信号を示しており、骨転移と考える。

  明らかな病的骨折の所見は認めない。
腫瘍の脊柱管内や傍椎間孔内への
への進展も認めない。」
 

その際の腫瘍マーカーは
CEA:9.1(2016年初診断時からほぼずっと横ばいで基準値超え)
CA15-5:11(初診断時25術後ほぼ横ばい)

今後の治療方針として、フェソロデックス+イブランス+ランマークで進めようという医師からの提案があり、先日8月頭から治療を開始しました。

薬の副作用からか時々胃のむかつきや痛み等があるようですが、
今のところ目立った大きな副作用はない状態です。

また、今のところ骨転移による疼痛等もまだないようで、
今まで通り仕事に行ったり家事をしたり日常生活を送れています。

今後、2週間に一度の通院(イブランスの処方、ホルモン剤等の注射等)をし、
3か月後位を目途に検査を行う予定でおりますが、仮に薬が効いていなかった場合、
次回の検査で一気に他臓器等に多発転移などまでして、命が脅かされてしまうのではないかと嫌な想像ばかりしてしまいます。

現時点で余命等については医師からは深刻なことは言われておりませんが、1ヵ月先、3カ月先と未来が不安です。

7月末時点では一か所の骨転移だったとはいえ、
転移する=がん細胞が全身に飛び散っている=ステージ4=末期癌で根治はできず、
遠からず命が脅かされるカウントダウン状態というイメージを持ってしまい、毎日怖くてたまりません。

骨転移だけで進行を抑えられれば、比較的長期の生存を望める例もあるとは聞いておりますが
特に手術後約1年という短期間の間に再発してしまったことが本人も家族も
何よりショックで、服用していたホルモン剤(フェマーラ)が効いていなかったのであれば、
今後の薬品による治療の効果についても不安感を抱いてしまっているところです。

半年後、1年後にはもういないのではないか、とばかり考えてしまいます。

(術後のホルモン治療があまり効果がなかったり、術後早期の転移は予後が悪いという話をよく目にするためです)

田澤先生の所見としては、基本的には叩けるうちに抗がん剤でたたくという方針なのかと思いまずが、現在着手している治療方針や、病状、進行リスク等についてどのようにお考えになりますでしょうかご意見お聞かせ願えればと思います。

拙い質問で恐縮でございますが、アドバイス頂けますと幸いです。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「田澤先生の所見としては、基本的には叩けるうちに抗がん剤でたたくという方針なのかと思いまずが、現在着手している治療方針や、病状、進行リスク等についてどのようにお考えになりますでしょうか」
→まさに、(質問者の)想像のとおりです。

 『今週のコラム 138回目 効果と副作用のバランスがとれた抗がん剤で「いい状態を維持」するやり方があることを知ってもらいたいのです。』をまずはご一読ください。

 
私であれば…
(疼痛や骨折のリスクが現時点で無いとはいえ)限局した骨病変には「放射線照射」を行います。(無論、ランマークは併用で行います)

その後「3か月間」もしくは「半年間」化学療法でたたく→(その後)ホルモン療法
±パルボシクリブで維持する(そういうことです)

Bevacizumab + paclitaxel もしくはeriblinがいいでしょう。