[管理番号:3204]
性別:女性
年齢:76歳
田澤先生
お世話になります。
母のことでご相談です。
右側の乳がんで7月(上旬)日に全摘の手術をします。
腫瘍の大きさは、約3センチです。
母は、18年前にも左側乳房を乳がんで全摘しており、それ以来、年に一度のマンモグラフィと3か月に一度の診察に通っていたのですが、右側の乳がんは、病院では、指摘されず、母が自分でしこりを見つけて診察と検査を受け、発覚しました。
こんなにがんが大きくなるまで、病院で診察を受けながら見つからないことがあるのでしょうか?。
疑問に感じています。
田舎でもあり、手術はこの病院で受けますが、母が診察を受けていた医師は、心臓血管外科が専 門で乳がんは専門外(マンモグラフィ読影医ではあるようです)とのことで、手術は、他の医師がされます。
執刀医は、専攻医の若い女性医師で、外科部長(呼吸器外科がご専門ですが、乳腺も以前から診ているとのこと)と一緒に手術をされるとのことです。
執刀医の手術前の説明では、
・乳房に針を挿して細胞を調べたら、乳がんでした。
・腫瘍の大きさは、マンモグラフィでは、約3センチ。
・CTの結果、遠隔転移は無し
・脇の下のリンパ節も画像での形の乱れはない。
一つのリンパ節で腫れがあったので、注射で細胞を取って調べたが、悪性の細胞はでなかったので、センチネルリンパ節生検の対象とする。
・術後は、化学療法とホルモン療法は必要。
・薬剤の種類、組 み合わせは、切除した標本の病理検査の結果により決めるが、ホルモン療法は、アロマターゼ阻害薬が標準となる。
・化学療法は、以前は、どの患者さんにも、標準的な組み合わせの抗がん剤を使用していたが、今は、病理検査の結果により、患者さんにあった抗がん剤を決定する。
などの説明を受けました。
執刀医が、専攻医(2011年3月○○大学医学部卒業)とお若いので、不安はありましたが、説明の様子は、自身の言葉でしっかりと話された感じであり安心感はありました。
田澤先生。
執刀医の説明は、今の乳がんの標準的な適切な治療と考えてよろしいでしょうか?
専攻医と言われる医師の手術経験は、どの程度でしょうか?
母の予後の確率は、どの程度でしょうか?
ご教示くださいましたら幸いです。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まず、70歳以上での「術後補助化学療法の有効性は証明されていない」という事実があります。
以下3つの理由から私であれば化学療法は勧めません。
①76歳という「年齢」
②「少なくとも画像上リンパ節転移が疑われない」
③ホルモン療法の感受性がある
通常は「ホルモン療法単独」でしょう。
化学療法を勧める理由が不明です。
♯76歳ではたとえトリプルネガティブでさえ、化学療法には躊躇するところです。
「ホルモン療法と化学療法の両方を勧められている」ことから、おそらく「術前の針生検ではluminalBだったのだと推測します」
3か月毎に診察していたとありますが、「超音波など、きちんとした診察は行われていなかった」ことは間違いありません。
2011年卒業では正直、経験不足は否めません。
丁寧な手術がされることを願っています。
質問者様から 【質問2】
田澤先生 こんにちは、前回 管理番号3204でお世話になった者です。
再度、母(76歳)のことでご相談です。
7月(上旬)日に右乳房全摘の手術をうけました。
7月(下旬)日に以下の説明を受け、化学療法+抗HER2療法を進められました。
・浸潤性乳管がん
・大きさ3.2cm
・リンパ節転移なし(センチネルリンパ節生検で確認)
・腫瘍と離れた場所に乳管内の侵襲があったが、全て摘出されていた。
・ホルモンレセプター
ER(-)
PGR(-)
HER2 スコア3+
KI67 30%
主治医は、「年齢も考え悩みました。
臨床試験などでは、75歳以下で行われるのが通常なので、75歳を越える年齢の方のデータはありません。
ホルモンレセプターが陽性でしたら、ホルモン療法単独という方法もおすすめするつもりでしたが、残念ながらホルモンレセプターが陰性でした。
76歳とはいえ、お元気ですので、今後の再発のリスク低減を考え、化学療法+抗HER2療法をおすすめします」 とのことでした。
主治医からは、「化学療法は、FEC療法 と AC療法を検討しましたが、年齢を考え、AC療法を3週に1回×4回。
続いて、タキサン系(3週に1回又は毎週を12週)+ハーセプチン(3週に1回を1年間)を考えています。」とのことでした。
前回、田澤先生にご相談した際には、ルミナールBという前提でのご相談で「70歳以上での「術後補助化学療法の有効性は証明されていない」という事実があります。」ということでホルモン療法単独を進めていただきました。
主治医からの説明を受ける際に、そのことを申し上げようと思っていたのですが、
ホルモンレセプター陰性ということでしたので、なんとも申し上げることができませんでした。
田澤先生
私としては、母には長生きして欲しいので、効果があるなら再発のリスクは、減らしたいです。
ただ、母は18年前に、乳がんの化学療法(CAF)を受けた時の苦しさを覚えており、
気乗りしていません。
効果があるなら、なんとしても説得しようと思いますが、説得材料に悩んでいます。
効果がないなら、無理に薦めるのもどうかと思って悩んでいます。
母の術後補助療法として、主治医の提案は、適切な療法でしょうか? 母の適切な、術後補助療法は何でしょうか?
術後化学療法をしない場合の再発率、生存率と化学療法した場合の再発率、生存率はいかがでしょうか?
ご教示くださいましたら、幸いです。
田澤先生から 【回答2】
0歳以上ではエビデンスがないとはいえ)抗HER2療法を検討し
ても良いとは思います。
ただ「76歳」「CAF(アンスラサイクリン)を過去に受けている」からは当然
「非アンスラサイクリンレジメン」となります。
◎この状況で「EC等、アンスラサイクリンレジメンを勧めている」事自体、私には奇異に感じます。
「母の術後補助療法として、主治医の提案は、適切な療法でしょうか? 母の適切な、術後補助療法は何でしょうか?」
⇒適切ではありません。
当然「非アンスラサイクリンレジメンとすべき」です。
特にお勧めは「weeklyPTX+HER」です。
これであれば、副作用なく安全ん医行えます。
「術後化学療法をしない場合の再発率、生存率と化学療法した場合の再発率、生存率はいかがでしょうか? 」
⇒申し訳ありませんが、先日よりNewAdjuvantと繋がらなくなっています。
あまりに長期間繋がらない状態が続くようなら「アナウンス」するつもりでいます。
質問者様から 【質問3】
田澤先生 こんにちは、一度 管理番号3204でお世話になり、7月30日に再度
ご相談させていただいた者です。
7月30日の相談の際に、書きもらしをしていましたので追記させていただきます。
30日の相談の際に、主治医から術後治療として、「化学療法は、FEC療法 とAC療法を検討しましたが、年齢を考え、AC療法を3週に1回×4回。
続いて、タキサン系(3週に1回又は毎週を12週)+ハーセプチン(3週に1回を1年間)」
の提案があったと書きました。
その時のタキサン系薬剤について「パクリタキセルかドセタキセル」と言われたのですが、書きもらしていました。
貴重な相談の場で書きもらしをしまして申し訳ありません。
母のことが心配でたまりません。
よろしくお願い申し上げます。
田澤先生から 【回答3】
質問者様から 【質問4】
田澤先生 こんにちは、前回 管理番号3204でお世話になった者です。
再度、母(76歳)のことでご相談です。
前回、主治医から以下の説明を受け、化学療法AC+抗HER2療法を薦められたことを田澤先生にご相談したところ、田澤先生からは、AC療法を省略して毎週のパクリタキセルとハーセプチンが適切な治療との説明を受けました。
・浸潤性乳管がん
・大きさ3.2cm
・リンパ節転移なし(センチネルリンパ節生検で確認)
・腫瘍と離れた場所に乳管内の侵襲があったが、全て摘出されていた。
・ホルモンレセプター
ER(-)
PGR(-)
HER2 スコア3+
KI67 30%
主治医に、AC療法の省略について相談したところ「年齢、糖尿病の状況、術後の傷痕の一部壊死などの状況を勘案したら、副作用の現れやすいAC療法を省略し、毎週のパクリタキセルと3週毎のハーセプチンという選択もあります。
予後因子の良い2センチ以下の乳がんでは、AC療法を省略してもよい。
という臨床試験もあります。
今回は、腫瘍径が3センチ以上と予後が悪い部類に入りますが、パクリタキセル(毎
週を12週)とハーセプチン(3週に1回を1年間)でいきましょう」
となりました。
ただ、いまになって、主治医の言われた、「予後因子の良い2センチ以下の乳がんで
は、AC療法を省略してもよい。
という臨床試験もあります。
今回は、腫瘍径が3センチ以上と予後が悪い部類に入りますが」
という言葉が気になっています。
母の場合、予後が悪い部類であり、AC療法を省略したことにより、再発率が大きくあがったり、生存率が大きくさがったりするのでしょうか?どれくらい変わるのでしょうか?
AC療法なしの毎週のパクリタキセルとハーセプチンで再発率がどれくらい下がるのでしょうか?
私のせいで母の再発率をあげたり、生存率を下げてしまったのでは?と悩んでいます。
お忙しいところ何度もお聞きして恐縮ですがご教示くださいましたら幸いです。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
質問者は何が心配なのですか?
せっかく主治医がまともな提案(weekly PTX +HER)としたのに(患者さんから指摘されての変更なので、その言い訳として「予後が悪い部類だから、アンスラサイクリンは考慮した方がいいのに」みたいな無意味なコメントで)迷っているのですか?
アンスラサイクリンレジメンと非アンスラサイクリンレジメンの直接比較はありません。
私が当初からお勧めしていた「非アンスラサイクリンレジメン」を心配されているのであれば、これ以上、私からコメントすることはありません。
質問者様から 【質問5】
田澤先生、いつもご丁寧な回答をくださりありがとうございます。
田澤先生を不快なお気持ちにさせてしまったのであれば、お詫びいたします。
田澤先生の言われた
「予後が悪い部類だから、アンスラサイクリンは考慮した方がいいのに」みたいな無意味なコメントで)迷っているのですか?」
のとおり、「予後が悪い部類だから、」という主治医の言葉にショックを受けたための御質問でした。
田澤先生のおかげで、非アンスラサイクリンレジメンによる治療になったことについては、大変感謝しております。
田澤先生のご助言のとおりにAC療法をやめていたたくように主治医に一生懸命伝えました。
その結果、ご理解をいただいたと思ったところに、「予後が悪い部類だから、」という主治医の発言に、ショックを受け、田澤先生の言われるように「無意味なコメン
ト」と受け流す知識と余裕がありませんでした。
腫瘍径は32ミリでしたが、リンパ節への転移もなく、予後は良い部類と思っていたもので・・・。
母の予後は悪い部類なのでしょうか?
医師の前では、知識の乏しい私ども患者の立場は弱いものです。
田澤先生のご助言のおかげで、適切な治療を行うことができるようになりました。
御礼申し上げます。
ありがとうございました。
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
「母の予後は悪い部類なのでしょうか?」
⇒違います。
「腫瘍径は32ミリでしたが、リンパ節への転移もなく」という状況を、「予後の悪い部類」などと判断し、76歳に対して「アンスラサイクリン」を勧めようとしている担当医に対するコメントはこれ位にしましょう。
質問者様から 【質問6】
田澤先生 こんにちは、前回 管理番号3204でお世話になった者です。
いつも丁寧にお答えくださりありがうございます。
再度、母(76歳)のことでご相談です。
先週から、パクリタキセル(毎週を12週)とハーセプチン(3週に1回を1年間)の投与が始まりました。
その副作用のご相談です。
主治医(選考医)から、「基本は外来での投与だが、初回は状況を確認しながら入院での投与」ということでした。
火曜日からの投与ということで、火曜日に入院したのですが、カリウムの値がたかく、一旦その治療のため、パクリタキセルの投与は、1週間延期になりました。
その後、指導医の指示で、急遽、予定の2日後の木曜日にパクリタキセルとハーセプチンを投与し土曜日に退院しました。
退院までは、アルコールの影響のむくみ以外は、大きな副作用は無かったようですが、退院翌日の日曜日に、発熱・悪寒・関節や節々の痛みの症状が出て、非常につらかったようです。
翌週火曜になって症状も落ち着いてきたとのことです。
次回投与は、投与から1週間後の木曜日です。
母は、当初、抗Her2療法について副作用を恐れて気乗りしていなかったのですが、
ACを省略してパクリタキセル(毎週を12週)とハーセプチン(3週に1回を1年間)にしたことで「副作用については、18年前のCAFより軽く、たいしたことはなく心配しないでよい」 と説得して何とか、抗Her2療法を受けることについて納得していました。
母は、この度の、副作用? で、「前回のCAFよりつらい。
抗Her2療法をやめたい」 ということも言い出しております。
私としては、田澤先生から助言をいただいた再発防止の効果が大きく副作用が少ない抗Her2療法だけは、何とか続けて欲しいと思っております。
田澤先生。
母を説得するためのご助言をいただけないでしょうか?
この度の母の症状は、副作用でしょうか? それ以外の原因でしょうか?
副作用だとしたら、主治医に症状を伝えるだけでよいでしょうか? 何か、具体にお願いした方がよいでしょうか?
入院での投与をお願いした方が良いでしょうか?
抗Her2療法をした場合、しない場合の再発率はいかがでしょうか?
お忙しいところ、何度も申しわけありませんがよろしくお願い申し上げます。
田澤先生から 【回答6】
こんにちは。田澤です。
随分副作用が強くでたようですね。
以外の結果に驚いています。
「退院翌日の日曜日に、発熱・悪寒・関節や節々の痛みの症状が出て、非常につらかった」
⇒投与後3日目ということになりますね。
パクリタキセルによる副作用なのでしょうが、「非常につらい」のであれば、「減量投与」がいいと思います。
「母を説得するためのご助言をいただけないでしょうか?この度の母の症状は、副作用でしょうか? それ以外の原因でしょうか?」
⇒副作用です。
Weekly PTXの副作用はたしかに「投与3日目」あたりに「多少」でることもありますが、「この程度なら…」とおっしゃる方達が殆どです。
私が、ここ最近weeklyPTXを行っていて「副作用により減量を余儀なくされた方は僅か1名」なので「数パーセント未満」となります。
ただ「高齢」でもあるし、「減量投与」せざるを得ないと思います。
「副作用だとしたら、主治医に症状を伝えるだけでよいでしょうか? 何か、具体にお願いした方がよいでしょうか?」
⇒減量投与です。
一般的には8割でしょう。
「入院での投与をお願いした方が良いでしょうか?」
⇒入院は無意味です。(そもそも初回から)
入院しても「何もすることはありません」
「抗Her2療法をした場合、しない場合の再発率はいかがでしょうか?」
⇒抗HER2療法では3年のデータしかありません。
3年再発率は 「しない場合26%」⇒「した場合13%」となります。
♯抗HER2療法は「再発率を半分に減らす」のです。
パクリタキセルを減量しても、それ程の違いはないと思います。
質問者様から 【質問7】
田澤先生 こんにちは、管理番号3204でお世話になった者です。
いつも丁寧にお答えくださりありがうございます。
再度、母(76歳)のことでご相談です。
パクリタキセル(毎週を12週)とハーセプチン(3週に1回を1年間)の投与を始めたところ、初回から副作用がでたことについて、田澤先生にご相談し、80%の減量投与のご助言をいただきました。
主治医からも80%の減量投与の提案がありました。
田澤先生のご助言のとおりで安心したのですが、母が副作用による体調不良(今もしびれがとれない)と精神的な落ち込みで、「毎週投与となると、副作用がやっと終わるとおもったらまた苦しい思いをしなくてはいけない。
もう受けたくない」と減量投与を断ってしまいました。
主治医は、「気持ちが落ち着くまで待ちましょう。
エビデンスはないですが1~2ヶ月程度待っても許容できると思います。」と言われました。
また、後で、主治医から私に、「またパクリタキセル+ハーセプチンを減量、休薬週をつくる、で再開するか、または、ハーセプチン単独、というのも、これは有効性の確証がないのですが、パクリタキセルがどうしてもだめなときの選択肢として提案させていただくかもしれません」といわれました。
田澤先生
・7月上旬の手術なのですが、1~2ヶ月パクリタキセルを休んでも、がんが再発するようなことはないでしょうか?
・パクリタキセルの減量投与に加えて、休薬週を作っても効果はおちることなく大丈夫でしょうか?
・母が拒否した場合の最終手段として、主治医も有効性の確証がないと言われたハーセプチンの単独投与というのは、選択肢としてありうるのでしょうか?
・母は、パクリタキセルの毎週投与により、常に副作用があることに耐えられないということなのですが、仮に、3週毎のドセタキセルであったならば投与と投与の間は、楽な期間を確保できたのでしょうか?
お忙しいところ何度もお聞きして申しわけありませんが、よろしくお願い申し上げます。
田澤先生から 【回答7】
こんにちは。田澤です。
「・7月上旬の手術なのですが、1~2ヶ月パクリタキセルを休んでも、がんが再発するようなことはないでしょうか?」
⇒そんなに早期にはおこりません。
「・パクリタキセルの減量投与に加えて、休薬週を作っても効果はおちることなく大丈夫でしょうか?」
⇒RDI(このQandAでも数回取り上げています)を考えれば「効果は落ちる」とは思います。
「・母が拒否した場合の最終手段として、主治医も有効性の確証がないと言われたハーセプチンの単独投与というのは、選択肢としてありうるのでしょうか?」
⇒単独はお勧めしません。
「・母は、パクリタキセルの毎週投与により、常に副作用があることに耐えられないということなのですが、仮に、3週毎のドセタキセルであったならば投与と投与の間は、楽な期間を確保できたのでしょうか?」
⇒楽な期間は当然ありますが…
Weekly PTXの副作用で悩むようでは「3週投与のドセタキセル」に耐えられないように思います。
♯どうしてもという際には「最初から30%減量の」ドセタキセルという手もあります。
RDIからは問題がありますが、あくまでも最終手段として「ハーセプチン単剤よりはマシ」という考え方です。
質問者様から 【質問8】
田澤先生、以前管理番号3204でお世話になった者です。
いつも丁寧にお答えくださりありがとうございます。
77歳の母の乳がんの遠隔への再発後の治療法についての相談です。
6月(下旬)日に、CT検査で肺への転移がわかりました。
翌日から、造映剤によるCT検査、頭部MRI、骨シンチの検査などの全身の検査を行いました。
7月(上旬)日に主治医から説明を受ける予定です。
とても悲しく、動揺しております。
手術は、昨年7月に全摘で実施。腫瘍径32ミリ、リンパ節転移なし、ER-、PGR-、HER2スコ
ア3ブラス、KI6730%でした。
術後補助療法は、パクリタクセルとハーセプチンでスタートしたのですが、パクリタクセルの副作用が非常にきつく、パクリタクセルは1回で中止しハーセプチン単独で続けてきました。本人の意志がかたくパ
クリタクセルを中止したのですが、これが再発の原因ではないかと、私の中で残念な気持ちでいっぱいです。
7月(上旬)日に、主治医から話をお聞きするのですが、調べてみますと、遠隔への再発乳がんの場合、ハーセプチンとパージェタと化学療法の併用というのを見つけました。
完治の可能性があるなら、少々きつい治療でもしてほしい気持ちと77歳の年齢を考えると完治の可能性がないなら、生活の質を考えての治療にしていただこうかなど、悩んでしまいます。
本人は、パクリタクセルの副作用から化学療法への拒否反応が強いのですが。
①母の治療法として、先生ならどのような治療をされますでしょうか?
②もしハーセプチンとパージェタと化学療法の併用の場合、化学療法として、パクリタクセルより副作用少ないものがありますでしょうか?
③ハーセプチンとパージェタと化学療法の併用の場合、化学療法の副作用がきつい際は、ハーセプチンとパージェタのみで化学療法を省略した場合でも効果はありますでしょうか?
④母が完治する可能性はあるでしょうか?
⑤完治は見込めなくとも、治療しながら5年、10年単位での生存の可能性は見込めますでしょうか。
お忙しいところ申し訳ありませんが、ご教示くださいましたら幸いです。
田澤先生から 【回答8】
こんにちは。田澤です。
「①母の治療法として、先生ならどのような治療をされますでしょうか?」
⇒pertuzumab + trastuzumab + paclitaxelです。
Paclitaxelは1回しかやっていないようですので(当然)効果は狙えます。
(前回もコメントしましたが)「減量投与」すればいいのです。(例えば60%など)
「②もしハーセプチンとパージェタと化学療法の併用の場合、化学療法として、パクリタクセルより副作用少ないものがありますでしょうか?」
⇒eriblinも候補に挙がります。
ただし、効果のバランスから(私であれば)「paclitaxelの減量投与」を選択します。
「③ハーセプチンとパージェタと化学療法の併用の場合、化学療法の副作用がきつい際は、ハーセプチンとパージェタのみで化学療法を省略した場合でも効果はありますでしょうか?」
⇒ある程度「併用」した後であれば、期待できます。
「④母が完治する可能性はあるでしょうか?」
⇒肺転移の状況が解らないのではっきりとしたコメントは出来かねます。(一般的には遠隔転移での根治は5%程度と考えられています)
「⑤完治は見込めなくとも、治療しながら5年、10年単位での生存の可能性は見込めますでしょうか。」
⇒肺転移の状況が解りませんが…
抗癌剤が効けば可能性はありそうです。
質問者様から 【質問9 母の乳がん手術・治療について】
性別:女性
年齢:78歳
病名:乳がん
症状:乳がんの肺転移
田澤先生
お世話になります。
以前、ご相談させていただいてからの続いてのご相談てす。
肺への転移の後、主治医から以下の治療の提案がありました。
主治医からは、①を薦められました。
①ハーセプチン+パージェタ+パクリタキセル
②ハーセプチン+パージェタ+ドセキタキセル
③ハーセプチン+パージェタ+ビノレルビン
しかし、母はパクリタキセルのつらさが忘れられず、セカンドオピニオンを二十年前に一度目の乳がんの手術をしていただいた医師(62歳)が移っていた別の病院に求めました。
セカンドオピニオンの医師は、カドサイラによる治療を提案されました。
理由として、「副作用が比較的軽い」ことをあげられました。
私が、前の病院では「パージェタ」を薦められたことをお伝えしたところ「ハーセプチン治療をして再発しているので、パージェタではなくカドサイラがよい」とのことだした。
その言葉を受けて、母の希望で転院しました。
その後、カドサイラによる治療を開始しました。
生活に支障があるような副作用はありませんでした。
4ヶ月投与したところ、肺への転移巣が大きくも小さくもならなかったので、主治医から、「タイケルブ+ゼローダ」による治療を提案をされました。
この治療を六ヶ月続けたところ、肺への転移巣が大きく縮小して、CT画像から消えそうになるくらい小さくなりました。
しかし、母が副作用(指先が痛い。
下痢、食欲がない)に耐えられず、治療の中断を申し出、治療を4ヶ月中断したところ、肺への転移巣は、治療開始時より大きくなってしまいました。
そのため、主治医から「「タイケルブ+ゼロ-ダ」を例えば、4ヶ月投与して、その後、4ヶ月休薬する」という提案がありました。
主治医からは、「エビデンスでは、このような投与はしないが、副作用がつらいなら、これでいきましょう」とのことでした。
私が、「「タイケルブ+ゼロ-ダ」の投与を中断しなければ、肺への転移巣が完治したのではないか?悔いている」と主治医に申したところ、主治医からは、「肺への転移巣の縮小は、引き算ではなく割り算と思ってください。
小さくなっても完治はせず必ず再発します」と言われました。
現在、「タイケルブ+ゼロ-ダ」の投与を再開して4ヶ月が経過し、4月(下旬)日に肺の転移巣のCTを撮り治療の効果を確認する予定です。
その際に、主治医からどのような提案があるかわかりませんが、母は、副作用(指先が痛い、下痢、食欲がないなど)がつらいようで、休薬のタイミングを待ちわびています。
ただ、家族としては、休薬による肺への転移巣の増大や脳への転移が起こらないか心配でなりません。
(主治医は、全身の検査をしても生存期間を伸ばす意味はないため、肺への転移巣のチェックをしながら、治療の効果を確認していけばよいというお考えです)
田澤先生
・現時点の状態において、「タイケルブ+ゼロ-ダ」以外の副作用が比較的軽い治療法はありませんでしょうか?
・主治医からの提案があった「4ヶ月投与して、4ヶ月休薬」といった治療を行う場合、つらい副作用が「ゼロ-ダ」によるものなら、「ゼロ-ダ」のみ休薬し、分子標的薬の「タイケルブ」は続けるという選択はありませんでしょうか?
少しでも、肺への転移巣のコントロールになるのでは?と思いまして。
母には長生きしてほしいです。
田澤先生でしたら、どのような治療をされますでしょうか。
ご教示くださいましたら幸いです。
田澤先生から 【回答9】
こんにちは。田澤です。
前回の回答
『「①母の治療法として、先生ならどのような治療をされますでしょうか?」
⇒pertuzumab + trastuzumab + paclitaxelです。
Paclitaxelは1回しかやっていないようですので(当然)効果は狙えます。
(前回もコメントしましたが)「減量投与」すればいいのです。(例えば60%など)
「②もしハーセプチンとパージェタと化学療法の併用の場合、化学療法として、パクリタクセルより副作用少ないものがありますでしょうか?」
⇒eriblinも候補に挙がります。
ただし、効果のバランスから(私であれば)「paclitaxelの減量投与」を選択します。』
と何ら変更はありません。
「・現時点の状態において、「タイケルブ+ゼロ-ダ」以外の副作用が比較的軽い治療法はありませんでしょうか?」
→上記回答通りです。
Pertuzumab+trastuzumab+paclitaxel(60%量)
Pertuzumab+trastuzumab+eriblin
[「ゼロ-ダ」のみ休薬し、分子標的薬の「タイケルブ」は続けるという選択はありませんでしょうか?]
→私には…
副作用が強いのに「Lapatinib + Capecitabine」に固執する理由が解りません。
(上記点滴の方が100倍位楽でしょう)