[管理番号:5529]
性別:女性
年齢:41歳
田澤先生、初めて質問させていただきます。
どうか宜しくお願い致します。
9/末に右胸温存手術、センチネルリンパ生検をし、リンパ節郭清なし、
今日退院予定で、数日中に病理検査結果が出るのでまた病院に行くのですが、その前に先生にお聞きしたいことがあります。
右浸潤性乳管癌
ステージ1
しこり1.5cm
骨、臓器、リンパに転移なし
ホルモン陽性
Her2陰性
ルミナールA
ki67 18%
グレード2
病理検査の結果にもよるのですが、今の所、術後は放射線治療→ホルモン療法へと進むと聞いています。
しかし私はチョコレート嚢胞を持っておりまして(右卵巣に3cm大)、この過程の中で、チョコの治療もした方が良いのでしょうか?
例えば放射線治療→チョコの治療もしくは手術→ホルモン療法といった感じで。。
ただでさえチョコレート嚢胞は40代になるとガン化しやすいと聞いてるのに、乳がんになった事で更にガン化しやすくなるのではないかととても心配で夜も眠れません。
ちなみに半年に1回のペースで婦人科で卵巣の検査はしております。
しかし、今回乳腺外科の執刀医の先生にはチョコレート嚢胞の事はまだ言っておりません。
先生でしたらどのような診断をされますか?
どうか宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
要点としては
1.タモキシフェンは子宮内膜症にも卵巣嚢腫に対しても「指摘的に作用」するので好ましくない
2.上記を考えると(タモキシフェンなしの)LH-RHagonist「単剤」か、もしくはタモキシフェン+LH-RHagonistの「併用」を選択する。
このどちらか(つまり、タモキシフェンを使用するかどうか)は「チョコレート嚢胞の状況」姿第と言えます。
「先生でしたらどのような診断をされますか?」
⇒上記です。
タモキシフェンを禁忌とする必要があるのかは婦人科医に聞いてみましょう。
質問者様から 【質問2】
乳がんとチョコレート嚢胞について
性別:女性
年齢:41歳
先日はありがとうございました。
長々と申し訳ございません。
再度ホルモン療法についてご教示の程お願い致します。
術後の病理検査の結果、放射線治療とホルモン療法を並行して始める事に決まり、来週から放射線治療を始めます。
しかし2日前に処方されたノルバデックスは実はまだ飲んでいません。
先日婦人科の先生の指示で下腹部のMRIを撮り、その結果を見て、乳腺科の医師からは、ノルバデックスのみで大丈夫でしょう。
と言われました。
しかし子宮内膜症の増殖、子宮体ガンのリスクはあるので、婦人科の方で2~3ヶ月ごとに検査をしていくようにして、もしチョコレート嚢胞が4cm以上になったら、腹腔鏡手術でとったらよいので、とも言われました。
今は乳がんの為には薬を飲まないといけないのは重々承知しているのですが、薬を飲む事によって子宮内膜症がひどくなることが恐怖でしかあ
りませんし、腹腔鏡手術でとったらよいと簡単に言われた事にショックを隠せません。
5年前に子宮内膜症剥離の手術をしており、もうこれ以上の手術は避けたいと思っており、飲む薬に関しては慎重になってしまいます。
先日田澤先生にご解答頂いた際に、
LH-RHagonistのことをおっしゃっていましたが、これは子宮内膜症増殖や子宮体ガンのリスクがノルバデックスより少ないという事でしょうか。
エストロゲンを抑える力はノルバデックスより劣るのでしょうか。
ノルバデックス以外の薬はないのか聞いたところ、ないと言われました。
他の病院に移転する事も考えた方が良いのでしょうか。
放射線治療までは今の病院で受けようとは思っています。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「LH-RHagonistのことをおっしゃっていましたが、これは子宮内膜症増殖や子宮体ガンのリスクがノルバデックスより少ないという事でしょうか。」
⇒むしろ、それを抑えます。
「 エストロゲンを抑える力はノルバデックスより劣るのでしょうか。」
⇒機序が異なります。
(タモキシフェンとは異なり)「卵巣そのもの」を抑えます。
通常は「コレ単独では標準治療とはならない」ものであり、下記のように使います。
1.(タモキシフェンによる卵巣や子宮への刺激作用を中和する目的で)タモキシフェンと併用
2.(35歳未満や化学療法閉経からの回復など、タモキシフェンと併用することで予後が改善される条件の場合に)タモキシフェンと併用
3.(何らかの理由で、タモキシフェンが使用できない際に)単独で使用