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胸のしこりについて

[管理番号:3008]
性別:女性
年齢:29歳
初めて質問させていただきます。
会社の健康診断で、左胸にしこりがあるとの事で要精密検査との通達があり乳腺外科を受診しました。
しこりは、2年ほど前からあり検診の先生に「脂肪の固まりだろう」と言われておりました。
エコーでは8ミリ程度のしこりが確認され、触診でも確認ができてるね。
との事でした。
マンモを撮った際に、分泌液が出て分泌液の検査を実施しました。
検査結果はクラス3という事で癌か良性かグレーゾーンだとの事でした。
マンモは乳腺が真っ白で、しこりが見つけられないと言われて一番精度の高い造影剤を使ったMRIの撮影をします。
と言われ実施いたしました。
結果、造影剤のMRIではしこりは発見できませんでした。
不思議なのは、触診やエコーでは確認できるのに精度の高いMRIで確認できない事はあるのでしょうか?
また、クラス3の分泌液というのも気になります。
一番精度の高いMRIでも、しこりが発見されていないのであればクラス1か2の判定ではないのか?と原因がわかりません。
今後、癌へと発展する場合はあるのでしょうか?
現時点では、定期検査と言われております。
このまま、定期検査で大丈夫でしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
質問者には大変申し訳ないのですが…
診断に(無意味な)MRIを用いたり、(これまた無意味な)「分泌液の検査」を用いたり、私にはとても見るに堪えない診療内容であり、コメントしずらいです。
 
「不思議なのは、触診やエコーでは確認できるのに
精度の高いMRIで確認できない事はあるのでしょうか?」
⇒その腫瘍が「造影効果がない」というだけのことです。
 「造影効果が無い」からといって良性とはいえません。(少なくとも典型的な癌のパターンでは無いとだけ言えますが…)
 
「また、クラス3の分泌液というのも気になります。」
⇒分泌液の検査など「何の参考にもならない」です。
 まず「分泌液の意義」を考えることです。
 分泌液は(それを分泌している)「乳管」の中に病変(乳管内病変といいます)が有る可能性を示唆します。
 重要なのは「単孔性かどうか?」です。
 自分で絞ってみて「1箇所の乳管孔から分泌している」のであれば、「乳管内病変の可能性がある」ということです。
 
「今後、癌へと発展する場合はあるのでしょうか?」
⇒良性は悪性には変化しません。
 ただし、今回の診療では「良性と郭清診断」されていません。
 診断が不十分です。
  
「このまま、定期検査で大丈夫でしょうか?」
⇒超音波で本当に気になる腫瘍であれば…
 「MRIで悪性には見えない」などということを根拠にせず、「細胞診なり、組織診(バネ式針生検やマンモトーム生検)」を検討すべきなのです。(組織診であれば、確定診断となります)