[管理番号:8193]
性別:女性
年齢:52歳
病名:浸潤性入管癌(硬化型+充実型+浸潤性微小乳頭癌)
症状:特にないです。
お忙しい中、年明けにオンコタイプDXを受けるか、主治医に返事をする為、宜しくお願い致します。
1ヶ月前に 右乳房温存手術を受けて、術中のセンチネルリンパ節生検も行い、その後、病理検査の結果が年末に出ました。
↓↓
浸潤性入管癌(硬化型+充実型+浸潤性微小乳頭癌)
ステージ:2B
Ki67:24%
ホルモン感受性:あり(ER.PR両方共)
HER2:陰性 HercepTest(2+)
FISH:1.16
大きさ…肉眼的(20×10×25㍉)
顕微鏡的…(42×30×17㍉)
病理学的T因子…pT2
リンパ節転移:
pN1mi【SLN1(+1mm)、
SLN2(―)】
断片:陰性
脈管侵襲:Ly1、V0
組織学的波及度:f
核グレード:2
in situ病変:solid
cribriform pagetoid
who分類:invasive carcinoma
NST
その他:腫瘍の一部は
micropapillary様に著明なリンパ管侵襲を示す。
肉眼的サイズよりも広範囲に腫瘍は広がっていますが、切除断端は陰性。
放射線とホルモン療法はやるとのことです。
micropapillaryですと転移が早く
起こるようなので?、抗がん剤は後の転移の為にやった方が良いのであれば、わざわざオンコタイプDXの検査を受けなくても良いものか、お聞きしたいです。
オンコの検査結果が、抗がん剤をしなくてよいタイプの場合、ホルモン療法と放射線で、このマイクロパピラリーのタイプの癌には効くのでしょうか?
ホルモン療法だけより、放射線もしたほうが良いと思われますか?
また、micropapillaryならば、乳房温存ではなく全摘が良かったのではないかとも思ってしまいます。
もう、パニックで、、文面がおかしいかもしれませんが、どうぞ宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「micropapillaryですと転移が早く起こるようなので?」
→根拠がありません。
余計なことを心配するのは厳に慎みましょう。
そもそも質問者の場合には、腫瘍の「一部」がmicropapillary様とありますよ??
「転移の為にやった方が良いのであれば」
→それが「わからない」からOncotypeDXをするのですよ??(OncotypeDXは「そのため」の検査です)
「わざわざオンコタイプDXの検査を受けなくても良いものか」
→本当に「抗がん剤が意味があるのか?」知りたいならOncotypeDXしましょう。
「オンコの検査結果が、抗がん剤をしなくてよいタイプの場合、ホルモン療法と放射線で、このマイクロパピラリーのタイプの癌には効くのでしょうか?」
→その通り。(それがOncotypeDXの目的なのです)
「ホルモン療法だけより、放射線もしたほうが良いと思われますか?」
→ナンセンス!
治療は「局所」療法と「全身」療法に明確にわけてください。
「局所」療法として温存なのだから、放射線は必須
「全身」療法である「ホルモン療法や抗がん剤」とは完全に分けて考えてください。
『今週のコラム 159回目 乳癌診療の基本1 『乳癌の治療で最も重要なことは治療を「局所療法」と「全身療法」に分けることなのです。』』を是非、熟読してください。
「また、micropapillaryならば、乳房温存ではなく全摘が良かったのではないかとも思ってしまいます。」
→組織型と術式(拡がり)は無関係
ご安心を。