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抗癌剤と放射線治療の必要性について

[管理番号:8558]
性別:女性
年齢:46歳
病名:硬癌
症状:ステージ2a
投稿日:2020年5月24日

はじめまして
お世話になります
右皮膚温存乳房切除+腋窩リンパ節郭清+同時再建を受け今後の治療法について悩んでいます
癌の大きさ
浸潤癌の部分 1.5cm×1.5cm×1.5cm
全体の広がり1.5cm×1.5cm×1.5cm
切断断片の状態 陰性(癌はとり切れている)
リンパ節転移の状況 リンパ節転移 あり
7個切除うち転移は3個
リンパ管侵襲有 静脈侵襲無
波及度 乳腺、脂肪
核、組織の異型度 グレード1
免疫染色の結果 ホルモン感受性 有
ER99 PgR99 HER2蛋白の発現 無(2+)
Ki-67 10%
手術検体も病理結果をふまえた病期 PT1
N1 M0 ステージⅡa

リンパ節転移、なによりリンパ管侵襲があるため抗癌剤6ヶ月とホルモン療法10年安心のため放射線治療も付け加えたいくらいとのお話

オンコタイプDXはリンパ節転移がある以上信頼できるデータにはならないとの事(私も経済的な事もあり考えていません)
上記情報だとルミナールAだと思えるので、抗癌剤はあまりきかないのでは?と確認してもリンパ節、リンパ管の事をおっしゃり標準治療は抗癌剤+ホルモン療法ですと言われるばかり抗癌剤をやった時とやらなかった時の再発の発生率等を聞いてもデータがないからわからないといわれました
大人しい癌だと言われている割にはリンパに転移、浸潤があると言われると、とても恐ろしいですが、私としては抗癌剤をやる意味がわかりません
HER2が2+だとルミナールBに近い癌と言う事があるのでしょうか
またはリンパ節、リンパ管に行ったと同時にルミナールA等のタイプが関係無くなるものなのでしょうか
放射線治療も同時再建をし、今、ティッシュエキスパンダーを入れている状態では出来ないですよね?と言ったら(シリコン予定)再建が終わってからやりましょうとの事。
放射線治療は再建する時は不可と思っていたのですが、再建が終わったあとなら問題なく受ける事が出来るのでしょうか
ちなみに私としては放射線治療も受ける必要性を感じていないのですが、受けたほうが安心なのでしょうか
なにより再建の終わった皮膚に受けても大丈夫なのか
抗癌剤についてと放射線治療の必要性があるのか確認させてください

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「HER2が2+だとルミナールBに近い癌と言う事があるのでしょうか」
⇒無関係

「またはリンパ節、リンパ管に行ったと同時にルミナールA等のタイプが関係無くなるものなのでしょうか」
⇒誤り
 『今週のコラム 188回目 このデータを見ても、まだ「リンパ節転移があると(ルミナールAでも)化学療法が必要だと思いますか??」』ご参照のこと

「再建が終わったあとなら問題なく受ける事が出来るのでしょうか」「再建の終わった皮膚に受けても大丈夫なのか」
⇒その通り。問題ありません。

「ちなみに私としては放射線治療も受ける必要性を感じていないのですが、受けたほうが安心なのでしょうか」
⇒本来「リンパ節転移3個」なら不要ですが…

 「皮膚温存」というところが気になります。

「抗癌剤についてと放射線治療の必要性があるのか確認させてください」
⇒抗がん剤は不要(OncotypeDXしないと正確には解りませんが80%の確率で不要となります)『今週のコラム 220回目 30までは(抗がん剤の対象となる可能性が)十分に低く、OncotypeDXの恩恵を受ける中核は「31-45」だと理解できます。』ご参照のこと

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

放射線治療の必要性(皮膚温存乳房切除、リンパ管侵襲、リンパ節転移ありの場合)
性別:女性
年齢:46歳
病名:硬癌
症状:ステージ2a
投稿日:2020年5月31日

田澤先生
お世話になります。
前回の質問時には、お忙しい中、早急な回答をいただき驚きと共に感謝しております。

前回いただいたの回答で私のタイプには抗癌剤は(OncotypeDXを受けないままのデータのみを基にするなら)10人中に2人にしか効果がないとの事で見送ろうかと思っております。

今回は放射線治療の
『本来「リンパ節転移3個」なら不要ですが…

 「皮膚温存」というところが気になります。』
との回答を受け心配になり調べたのです。
が皮膚温存の記載が少なく、迷っております。
田澤先生でしたら放射線治療は入れますか?

全摘とオーダーしたので皮膚温存でも全摘と変わらないのかと主治医に確認する事も考えませんでした。
自分の無知さが残念です。

私は同時再建の為、エキスパンダーが入っています。
前回、再建の終了してからなら放射線治療可能との回答をいただきましたが、放射線治療は手術後5ヶ月以内に始めるのが望ましいと記載の有るものを見かけました。
それまでに受け始めるのは難しく感じているのですが、それ以降でも効果は期待できるでしょうか?

また、どうしてもリンパ節転移(3個)とリンパ管侵襲の件が気になるのですが、
・リンパ節転移のみ
・リンパ管侵襲のみ
・リンパ節転移+リンパ管侵襲ありだと予後が変わってきますよね?
リンパ節転移とリリンパ管侵襲の違いもわからず不安に思っています

お忙しい所、申し訳ありませんが、今回も宜しくお願い致します

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「また、どうしてもリンパ節転移(3個)とリンパ管侵襲の件が気になる」予後が変わってきますよね?
⇒物事は整理して考えましょう。

 放射線はあくまでも「局所再発」防止のために行うものです。
 皮膚温存の場合には(本来、切除されるべき)腫瘍直上の皮膚が残っているので、
放射線を照射することでその部位の局所再発のリスクを下げてもいいように思います。

 「予後」に関しては、単純に「リンパ節転移があるとステージが上がる」わけだから「リンパ節転移が無い場合に比べ再発率は上がる」ということです。(それは放射線とは無関係)