[管理番号:1594]
性別:女性
年齢:50歳
田澤先生よろしくお願い致します。
オープンバイオプシーにて、右胸に28mmの浸潤性癌と42mmの非浸潤性癌が見つかりました。全摘手術をし、更に7mmと8mmの非浸潤性癌が見つかりました。
28mmの浸潤性癌は
ER+70%, PR+30%
HER2-
センチネルノードは、0/2
グレード2 、トータルスコア6(Nuclear Grade2,Tubule
Formation3,Mitoses1)
オーストラリアでの診断で、外科医は「ルミナールAと思う」腫瘍内科医は「多分ルミナールB」と言います。Ki67は標準検査になっていないとの事でした。
来週からTC療法を3週間毎に4回する予定だったのですが、昨日「アジア人にはAC療法の方が良い」との事で変更になりました。家に帰ってきて、日本でも幅広くTC療法が使われている事を知りました。
TC療法はどちらかと言うと新しいとも聞きました。先生なら、私にはどちらを使われますでしょうか?よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
オーストラリアですね。
国が異なると、医療環境も異なると言えます。
回答
『外科医は「ルミナールAと思う」腫瘍内科医は「多分ルミナールB」と言います。
Ki67は標準検査になっていない』
⇒私はルミナールAと思います。
注目すべきは「トータルスコアの中のMitosis1」です。
Ki67は「細胞分裂期にある癌細胞の割合(%)」を表しています。
そしてMitosisは「実際に核分裂をしている細胞が10視野でいくつあるか?」を示しています。
♯Mitosis1ということは「10視野で核分裂像が5個未満」であることを示しています。
つまり「Mitosis ≒ Ki67」のような関係です。
Mitosis1であれば、Ki67は(もし測定すれば)低値が予測されます。
○lumainal A相当として、(私であれば)抗癌剤はしません(ホルモン療法単剤です)
「先生なら、私にはどちらを使われますでしょうか?」
⇒luminalBならばTC療法ですが…
先のコメント通り、「luminalAとして」私は、化学療法はしません。