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抗がん剤治療について

[管理番号:4208]
性別:女性
年齢:43歳
抗がん剤をした方がいいのか迷っています。
初めてメールさせて頂きます。
お忙しいとは思いますが宜しくお願いします。
7月頃授乳中に左胸のシコリを見つけ針生検をし乳がんと言われました。
(エコーでは1.2cm)
全身転移などの検査はしておりません。
11月に皮下乳腺全摘手術、同時再建をしました(現在ティッシュエキスパンダーを入れてます)
12月に病理検査の結果がでました。
コピーは病院の決まりで頂けず、自分のわかる範囲で聞いて書いていただいた内容です。
浸潤がん(充実腺管)
ステージ1
大きさ1.5cm
広がり3.5cm(g)
センチネルリンパ生検 転移なし
核異型度3、分裂度3、悪性度3
増殖スピード早い
ki67 45%
断端 陰性
脈管浸潤 あり
皮膚浸潤 なし
ホルモン陽性(ERたぶん80%、PgRたぶん50%)
HER2 陰性
顔つきが悪いタイプで増殖スピードが早く、
抗がん剤が効くタイプとのことで
TC4回→ホルモン治療5年という提案がされました。
抗がん剤をするかどうかは考えて決めてくださいと言われました。
何も治療しないと再発率20%
ホルモン治療すると半分の10%
+抗がん剤するとその半分の5%になると言われております。
ということは生存率は80%、90%、95%ということでしょうか?
まだ子どもが1才と5才なのと、増殖が早いタイプだということなので、抗がん剤をした方がいいのならばしようと思っていますが、子どもへの暴露も注意しなければいけないとネットで知り、どうすればいいか迷っています。
それと、左乳房のしこりがあった場所らへんに(脇側下)腕を動かすとしこりが2つほど浮き出てきます。
これは大胸筋に転移しているんでしょうか?
その場合は再手術になるんでしょうか?
転移していれば抗がん剤は必須ですか?
いろいろ質問して申し訳ございませんが、
田澤先生のご意見をお聞かせ願えればと思います。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「増殖が早いタイプだということなので、抗がん剤をした方がいいのならばしようと思っています」
⇒物事はシンプルに考えましょう。
 「増殖が速いタイプ」とか、そんなバカバカしい表現は忘れましょう。
 そうではなく、抗ガン剤の適応は「質問者がルミナールB」だからあるのです。
 ♯ルミナールタイプ(ER陽性、PgR陽性)であり、Ki67=45%だから(Ki67だけでAとBを分ける場合にはルミナールBとなります)
  Oncotype DXをすれば、(Ki67だけで判断するよりも)より正確に解ります。
  『今週のコラム53回目 Ki67が「30未満」ならホルモン療法単独、Ki67が「30以上なら、Oncotype DXを推奨」しています。>』を一度読んでみましょう。
「子どもへの暴露も注意しなければいけないとネットで知り」
⇒ネットの情報は誤りです。
「これは大胸筋に転移しているんでしょうか?」
⇒大胸筋に転移することなど絶対にありません。
 あるとすれば「局所再発(つまり、手術時に大胸筋膜に癌細胞を残してしまい、それが徐々に増大したもの)」となりますが…
 11月に手術して「2カ月で局所再発」するなんて、到底考えられないことです(執刀医を信用してあげましょう)
「その場合は再手術になるんでしょうか?」
⇒局所再発であれば(殆ど、その可能性は無いですが…)手術が必要となります。
「転移していれば抗がん剤は必須ですか?」
⇒(転移ではなく)局所再発ならば(殆ど、その可能性は無いですが…)「全身療法である抗ガン剤ではなく、あくまでも局所療法(手術や放射線)が必要」となります。
 ♯ 局所と全身は明確に区別しましょう。