[管理番号:5831]
性別:女性
年齢:47歳
お忙しいところ、お手数ですが、よろしくお願い致します。
先日、多発性乳がんで乳房切除・リンパ節郭清手術をしました。
病理結果から、下記内容にて悩んでおります。
先生のご判断をお聞きしたく質問させていただきます。
浸潤径 35×15ミリ
波及度 f
nuclear grade2
ly1、v0、pN1(SLN 1/18)
ER90%、PgR20%、HER2スコア2 、Ki67 30-40%
?現在、HER2 検査中です。
HER2陽性の場合は抗がん剤とハーセプチン治療と認識していますが、私の場合は抗がん剤はTCが妥当ですか?
(HER2陽性はアンスラタキサンが標準ということも聞くので・・・主治医はFECおすすめ)
?HER2陰性の場合は、ki67値から抗がん剤が本当に必要か悩んでおります。
(病院では20%カットオフとのことで、主治医は浸潤径大きさとリンパ節転移ありということで抗がん剤ありきの考えです。)
やはりオンコタイプをした方がいいと思われますか?
よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「HER2陽性の場合は抗がん剤とハーセプチン治療と認識」
⇒その通りです。正しい理解です。 確立は25%です。
「私の場合は抗がん剤はTCが妥当ですか? (HER2陽性はアンスラタキサンが標準ということも聞くので」
⇒TCでいいでしょう。
アンスラタキサンはゴールドスタンダードですが、特に(心疾患の多い)欧米を中心に「非アンスラサイクリン」の流れは加速しています。(直接比較はありません)
「?HER2陰性の場合は、ki67値から抗がん剤が本当に必要か悩んで」
「オンコタイプをした方がいいと思われますか?」
⇒その通りです。「今週のコラム101回目」参照のこと
・今週のコラム 101回目 (Ki67が20代はluminal Aの可能性が圧倒的に高く)本当に「Aなのか、Bなのか迷うのは30代以降」と言えるのです。
「病院では20%カットオフとのことで、主治医は浸潤径大きさとリンパ節転移ありということで抗がん剤ありきの考え」
⇒この基準だと…
抗癌剤がかなり多くなりそう(無駄な抗癌剤が多い)です。
質問者様から 【質問2 生存率について】
性別:女性
年齢:47歳
先日は早急なご回答ありがとうございました。
前回の検査中でしたHER2ですが、結果は陽性でした。
下記について質問させていただきます。
HER2 FISH検査で増幅比が2.09という結果で陽性になりました。
2.00以上だと陽性ということで、わずかな数値の差で化学療法とハーセプチンをやる必要が本当にあるのかと思わずにはいられません。
そこで、前回お知らせした病理結果と今回のHER2陽性での私の10年生存率を下記の条件においてお教えいただけますよう、よろしくお願い致します。
?ホルモン療法のみ
?TCH + ホルモン療法
?FEC→T+H +ホルモン療法
早々に結論を出し、治療を開始する予定です。
お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
NewAdjuvant.comでは抗HER2療法の成績は3年であることにご注意ください。(長期予後のデータがないのです)
「10年生存率を下記の条件において ?ホルモン療法のみ ?TCH + ホルモン療法
?FEC→T+H +ホルモン療法」
⇒ホルモン療法のみ 10年生存率64%
抗HER2療法を行うと 3年生存率95%(アンスラタキサンとTCなど抗HER2療法間での直接比較はありません)