[管理番号:379]
性別:女性
年齢:37歳
こんにちは。
先日乳がん検診を受けに病院へ行くと、エコーでしこりを発見されました。
マンモグラフィーもやりました。
1センチぐらいの良性のしこりだろうと言われました。
細胞診やMRIをすればある程度はっきりするのでやりますか?と言われたのですが、そのときは私も混乱してしまい、3ヶ月後の経過観察でもいいとのことで帰ってきました。
乳腺線維腺腫の可能性が高いと言われました。
もう一つ嚢胞のようなものもできつつあるそうです。
一年前の検診ではマンモグラフィーで良性の石灰化があり、1年後の検診をと言われてました。
石灰化は問題なさそうで安心したのですが。
3ヶ月を待たず精密検査を受けようかと思っています。
19歳の時にも良性のしこりを切除したことがあるのですが、37歳でも乳腺線維腺腫はできやすいのでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「エコーで1cmの線維腺腫」を指摘されたのですね。
「細胞診やMRIをやりますか?」なんて無駄な検査を推奨しているのでしょうか?
メールを読んでいて大変残念に思います。
それでは回答します。
回答
「細胞診やMRIをすればある程度はっきりするのでやりますか?」
⇒どちらも無駄な検査です。「MRI」など診断目的では全く無用な検査です。
当然(細胞診であれ、MRIであれ、せっかく行っても)「ある程度」しかはっきりしません。
何故「針生検」しないのでしょうか?
全く意味が解りません。
★針生検をすれば、100%はっきりするのです。「ある程度」ではありません。
「3ヶ月を待たず精密検査を受けようかと思っています。」
⇒いい判断です。
是非、精密検査を受けてください。
但し、「細胞診やMRIなどという無駄な検査」ではなく『針生検』で確定診断をつけてください。
もしも「1cmの良性腫瘍には針生検は行わない」などと言われたら、転医をお勧めします。
「針生検をやりたがらない(自信がないのか?)医師が多い」ことに驚かされます。
「37歳でも乳腺線維腺腫はできやすいのでしょうか?」
⇒37歳という年齢を考えると要注意です。
◎是非、「針生検による確定診断」をお勧めします。
20歳代~30歳代前半と比べて、「線維腺腫」は新たにできにくい事は間違いありません。
ただし、「一年前の検診ではマンモグラフィー」と記載があるので、1年前には超音波を行っていなかったとすれば、「1年前には見逃されていた(マンモでは小さな腫瘤は見逃されやすい)可能性も十分ありますが…」
質問者様から 【質問2】
お返事どうもありがとうございます。
やはり詳しい検査を受けた方が良いのですね。
一年前はマンモグラフィーとエコーも受けたのですが見落とされたのでしょうか…
そのときの先生は、◯◯さんは乳腺が太くて多いので何かできても見つけにくいかもしれないみたいに言われました。
今回のエコーで診て頂いたしこりは、私自身が触ってもわからないので確認もできず余計に不安です。少し奥の方にあると言われました。
エコーで見る限り良性のしこりと思っても、先生ならその日のうちに組織診を受けるよう薦められますか?
やはり年齢でそのあたりは変わってくるでしょうか?
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
それでは回答します。
回答
「一年前はマンモグラフィーとエコーも受けたのですが見落とされたのでしょうか…」
⇒(マンモグラフィーはともかくとして)エコーで「見逃された可能性」はあります。
「乳腺が太くて多いので何かできても見つけにくいかもしれないみたいに言われました」
この表現からも「その可能性は大いにありそう」です。
逆に「もし本当に1年前に無かった」としたら、『37歳で新たにでた腫瘍』として「見過ごす」ことはできません。
「エコーで見る限り良性のしこりと思っても、先生ならその日のうちに組織診を受けるよう薦められますか?」
⇒私であれば、その日のうちに針生検(もしくは超音波ガイド下マンモトーム生検)を行います。
「1年前にエコーで所見がなかった(見逃しの可能性は残るものの)」だけで、(エコー像に関わらず)十分に「針生検の適応」があります。
「やはり年齢でそのあたりは変わってくるでしょうか?」
⇒20歳代で、「エコー像が扁平(平べったい)」場合には、「ご本人の意思」に任せます。
※逆に言えば、30歳代後半で「1年間で新たにでた腫瘍」であれば「針生検すべき」と思います。
質問者様から 【質問3】
たびたびすいません。
しこりは一つではなく、もう一つ嚢胞のようなものもできかけていると言われたのですが、そちらは針生検、もしくは違う検査を行うべきでしょうか。
来週針生検の予約をしてきました。
田澤先生から 【回答3】
おはようございます。田澤です。
「1cmの腫瘍」と「嚢胞のようなもの」がある場合どうするか?ですね。
回答
「もう一つ嚢胞のようなものもできかけている」
⇒何とも「はっきりしない」表現ですね。
- 超音波で「明らかに嚢胞」と確認できる
⇒「何もする必要はない」 - 「断言はできないけれど(嚢胞の)可能性が高い」
⇒「細胞診をするべき」です。 - 嚢胞ではない可能性の方が高い」
⇒「針生検をするべき」です。
◎「はっきりしないから」様子を見ましょう。ではなく、上記のように「きちんと」対応してもらいましょう。
質問者様から 【質問4】
来週の検査まで不安ですが、落ち着いて待ちたいと思います。
最後にもう一つ質問なのですが、複数のしこりを同時に組織診、細胞診は可能なのでしょうか。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「1cmのしこり」で相談された方ですね。
それでは回答します。
回答
「複数のしこりを同時に組織診、細胞診は可能なのでしょうか。」
⇒全く問題ありません。
私であれば、3個くらいは「その日のうちにしてしまいます」
患者さんにとっては「別の日に改めて」は大変だと理解しています。
★質問者の場合
「1cmのしこり」と「嚢胞のようなもの」ですね。
⇒「1cmのしこり」は針生検(もしくは超音波ガイド下マンモトーム生検)をしてください。
「嚢胞のようなもの」については是非、主治医に確認してください。
①腫瘍の可能性がある場合⇒(細胞診では2度手間になるだけなので)針生検
②「嚢胞の可能性>腫瘍の可能性」⇒細胞診
③「嚢胞と断言できる」⇒経過観察も不要
質問者様から 【質問5】
以前にしこりができたことを相談させていただいた者です。
先日針生検を行いました。
その日は胸全体的に痛みというか違和感がありました。それは仕方ないかと思っていたのですが、翌日は針をさしたあと(切開した部分)を押さえたりしても痛みはほぼありませんでした。
しかし、組織をとったであろうと思われる辺りに痛みを感じます。ひどい痛みではないのですが…
あまり気にしなくてもいいでしょうか。
その部分は授乳中にもよくしこりができたりして、今でもたまに何となく痛いことがあります。
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
「1cmのしこりを針生検したのですね。いい判断だと思います。
ただ、「嚢胞のようなもの」はどうされたのでしょうか?「嚢胞と断言」できるのであれば、いいのですが。
回答
「組織をとったであろうと思われる辺りに痛みを感じます」
⇒これは心配ありません。
針生検による「組織反応」なのか、「若干の血腫」となっているのか。
どちらにしても心配はありません。いずれ改善します。
ちなみに「乳腺の奥の方」にある場合には「例え、その部分で出血して血腫となったとしても…」表面上(皮膚面からは)解らないのです。
質問者様から 【質問6】
こんにちは。
先日も質問させていただき、また質問なのですが、針生検をした部分の近くにしこりのようなものが触れるのですが…
結果待ちで不安の中、新たにしこりが触れたので、さらに不安が増しています。
先生の以前に答えられてた質問で、細胞診のあとにできたしこりは血腫の可能性というのを見たのですが、私の場合もこれに当てはまるのでしょうか。
針生検後、10日ほどしかたってないので心配するしこりではないといいのですが…
田澤先生から 【回答6】
こんにちは。田澤です。
「針生検後のしこり」ですね。
回答
これは全く問題ありません。
針生検後は「多少の皮下出血」はありますが、「しこりのように触れる」のであれば、「血腫」で何ら問題ありません。
その内、消失しますので心配しなくてもOKです。
質問者様から 【感想7】
先日は何度もの質問にお答えいただきありがとうございました。
今日、針生検の結果を聞きに行ってきました。
先生からすぐに悪いものは見られませんでしたと言われ、本当にほっとしました。結果を聞くまでのあいだ考えすぎて、かなり参ってしまいましたが、今回のことで、病気ではないことが当たり前では決してないのだなと痛感しました。
今後も自己検診、定期検診はしていこうと思います。