[管理番号:7145]
性別:女性
年齢:47歳
病名:乳がん
症状:
はじめして。
お忙しいところ大変申し訳ございません。
去年の春頃、乳頭近くにしこりを発見
10年近く入れている
インプラントが拘縮を起こしているのかと思い
2018年10月にインプラントの入れ替えをしました。
その時、しこりを検査に出してもらったところ
初期の乳がんだと判明し
専門の病院Åを紹介してもらいました。
その病院Aではインプラントを入れた状態でも
全摘せず手術してくれるかもしれないから
ということで受診。
(症例数が多い有名な病院でした)
A病院で手術時
センチネルリンパ節生検も行い
改めて病理検査しました。
結果は
しこりが1.8cm
リンパ転移あり
グレード3
ステージははっきり聞いていません。
こちらで病理検査結果のコピーをいただきました。
一部省略して掲載します↓
切除した右乳腺組織及びリンパ節を全割し8個の標本を作製
(#8は乳頭側断片面)
#1-6では境界不整な結節性病変を認め
中程度から高度の核異型示す細胞が小型~中等第の
不整形胞巣を呈して繊維化を伴い浸潤増生しており
乳管内病変・線維化・脂肪浸潤・真皮浸潤・リンパ管侵襲もみられる
#8にも浸潤病変みられる
Cancerはしばしば切除断端に迫っており#1,2,6及び
乳頭側断端8で陽性
リンパ節はSLN(1/1)LN-I(6/9)とmetastases認める
ER 陽性90%
PgR 陽性40-50%
HER2 陰性 1+
Ki-67 陽性 31-35%
私は絶対ダメなら全摘は覚悟していましたが
残せるならとインプラントも取らず温存を希望をしました。
病院Aで
「温存でも今ある癌は取り除ける
再発の確率は全摘より上がるから
術後は慎重に経過観察しながら
抗がん剤やホルモン療法、放射線などの治療もしっかり行っていきましょう。」
ということで温存手術を希望。
ただし、がんの場所が乳頭部分にかなり迫っていたので
温存ならすぐに手術したほうがいいいとの事で
10月(中旬)日手術
術後約1週間後から抗がん剤開始
(タキソールだと思います。
透明の液で1週間に1回を3回が1クールで
2クールまで1週間休んでまだ、3回という形で
4クールを行う予定(現在4クール目))
11月初旬にドレーン挿入の傷口から感染症を引き起こし
2日間入院
11月下旬に今度は乳首の傷口部分が感染
仕事の都合で応急処置だけして
12月中旬から1週間入院し、インプラント摘出
1月中旬まで傷口から膿や液が少量ですが出ていました。
病院Aは傷口が乾いてきたら、
「局所麻酔で再度傷口を縫いましょう
日にち薬なので、もう少し経ったら治ります」
と言われ、抗がん剤もやって大丈夫だからということで
そのまま続けています。
で、病院Aに不満があったわけではなく
県外の病院だったので、通院が困難なため、
近くの病院Bに紹介状を書いてもらい
抗がん剤などの治療を引き継いでもらおうと思い
1月中にBを受診
病院Bで言われたのが
「手術の傷口がふさがっていない状態で液がでていて
こんな状態では抗がん剤はできません。
先に傷口を全身麻酔で治してそれから抗がん剤です。
局所麻酔なんかでちょっと縫うなんて無理ですよ。
1か月以上も傷口が治らないなんておかしいです。
この病理結果を見ると温存は適切な判断ではないです。
全摘が理想。
たぶん皮膚まで癌が広がっている可能性があります。
もし温存したとしても放射線をしっかりとかけないといけないので
たぶん、インプラントでの再建はほぼできないでしょう。
自家組織で再建しても元通りのきれいな状態にはなれないので
残しておいても元には戻らないのだから全摘して不安をなくしたほうがいいですよ。
このまま温存なら再発は50%以上の確率です。
抗がん剤の量も200と病院Aの紹介状に書いていますが
あなたの体積(44kg)身長(156cm)だと多すぎる
1週間に1回を3回、で2週間空けて2クールを始めるやり方も一般的ではない
いい加減な抗がん剤ですね。
もっとガイドラインに沿った治療をしたほうがいいですよ。」
と・・・
まったく違う意見を言われました。
田澤先生ならどのように判断されますか?
情報が少ない・・又は曖昧かもしれませんが
ご意見をいただけたら大変ありがたいです。
Q1、温存ではなく全摘がよかったのでしょうか?
再発してから全摘だと遅すぎるということでしょうか?
Q2、傷口がある状態での抗がん剤治療は適切ではないのでしょうか?
Q3、温存しても放射線を広範囲か回数多めか?・・・でしっかり入れるとしたら再建してもキレイにならないのでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「Q1、温存ではなく全摘がよかったのでしょうか?」
→断端陽性となっているので、そのB病院の医師のおっしゃることも理解ができます。
ただ、(それでも)「温存したい」という希望があれば一概には言えません。
「再発してから全摘だと遅すぎるということでしょうか?」
→きちんと経過を見れるのか?という問題です。
局所再発してから「どの程度、放置されてしまうのか?」が施設によって違うのです。(一般論として「温存乳房内再発は(その際に)全摘すれば、最初から全摘と予後は一緒」というのが大原則です)
「Q2、傷口がある状態での抗がん剤治療は適切ではないのでしょうか?」
→感染のリスクや創部治癒遅延の問題があるので適切ではありまえsん。
「Q3、温存しても放射線を広範囲か回数多めか?・・・でしっかり入れるとしたら再建してもキレイにならないのでしょうか?」
→不利にはなるでしょう。(ただ、仕上がりについては「満足度は人それぞれ」と思います)