[管理番号:6178]
性別:女性
年齢:45歳
初めまして。
日々、お忙しいところ失礼致します。
昨年、しこり発見してから何回も見させていただき、勉強させていただいています。
しこり発見から現在に至るまで、このサイトのおかげで、冷静でいることができました。
ありがとうございます。
昨年、BD領域に2センチのしこり自覚。
嚢胞内腫瘍疑いでCNB。
結果、鑑別困難。
その後、他医にて、前医のプレパラートで、
HE及び免疫染色結果からは被包型の乳管癌を考えます。
非浸潤癌である可能性は十分考えられますが、病変辺縁部の筋上皮細胞も不明瞭であり、DCISとは断定できません。
前医の検体のみでは浸潤の有無は確診困難な為、
ductal carcinomaとします。
でした。
温存可能でしたが、今年全摘をしました。
結果、Invasive ductal carcinoma
with intracystic papillary
carcinoma
嚢胞内成分30×28㎜ 浸潤巣8×4㎜
ER(+)PgR(+)HER2(1+)Ki67(10%)切除断
片(-)センチネル(-)組織HG(Ⅱ)
嚢胞性病変があり、腔内に細胞増生巣を認めます。
嚢胞壁の一部には浸潤成分も存在しf(+)になっています。
嚢胞内腫瘍成分を伴ったinvasive ductal caの診断となります。
嚢胞内増生巣は筋上皮を欠く篩型増生ですが、嚢胞liningには筋上皮を認める部分があることから嚢胞内成分はencapsulated
typeではなく、intracystic typeの
papillary caの判断となります。
でした。
術後治療は、経過観察(マンモ/1y)となりました。
経過観察になり、ホルモン療法はいい
のかな?と思い、相談させていただきたく、
質問させていただきました。
また、嚢胞内癌は調べてもあまりでてこなく、再発割合、気をつけること(検診以外で)
ありましたら、ご教示下さい。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「経過観察になり、ホルモン療法はいいのかな?」
→浸潤径8mmだから、確かに適応はありますが…
再発低リスクであり、副作用とのバランスで考えるべきです。
「また、嚢胞内癌は調べてもあまりでてこなく、再発割合、気をつけること(検診以外で)ありましたら、ご教示下さい。」
→「嚢胞内癌」という括りは全く無意味です。
嚢胞内癌とは、乳管内にできた腫瘍が(たまたま乳管を閉塞して)液体を貯留しただけの話です。『今週のコラム 51回目 嚢胞内腫瘍 これは嚢胞ではありません』をご参照のこと
単純に「浸潤径8mmの癌」として考えればいいのです。