[管理番号:28]
性別:女性
年齢:32歳
3日ほど前から乳房の端が痛みます。
ブラジャーのワイヤーが当たる辺り、肋骨の境目です。
触るとかなり奥の方に3センチくらいのしこりというか、固まりみたいなものはあります。
形はブドウみたいな粒が集まったような感じです。
産後1年経ち、まだ3時間おきに授乳しており、張ったりすることはほとんどありません。
1年前に別のしこりで細胞診でのう胞と診断され、8ヶ月前に乳腺炎の疑いでエコーはしていますが、毎日不安で仕方ありません。
表面は若干痣のように赤いような気もしますが、あまり目立ちません。
乳癌が怖くて仕方ないです。
A.回答
こんにちは。田澤です。
「授乳中に、乳房の端に痛みがあり、その部分が3㎝くらい固くなっている」ということだと思います。
乳癌かどうか気になって仕方がない。という気持ちが伝わりました。
お気持ちを察します。
それでは回答いたします。
回答
可能性が高いのは「乳腺症」です。
ご本人が上手に表現されている「触るとかなり奥の方に3センチくらいのしこりというか、かたまりみたいなものがあり、形はブドウみたいな粒が集まったような感じ」というのは正に典型的な「乳腺症」の所見です。
乳腺症は 乳腺が女性ホルモンで線維化を起こし固くなり痛みを伴うものです。
触診上は、まさに「表面がごつごつ、つぶつぶした全体的にザラッとした塊」です。まさにご本人が表現された通りのものです。
参考にしてください
1年前に別のしこりが細胞診で「のう胞」といわれていることも、乳腺症が起こりやすい乳腺と言えます。
※ のう胞は「水の貯まった袋」であり、乳腺症でよく見られます。
但し、稀に「乳腺症」に非常に紛らわしい乳癌が存在します。 非浸潤癌といって通常の乳癌(=浸潤癌)とは異なり「はっきりとしたしこり」を作らず、部分的に乳管拡張を起こし触ると「やや平べったいザラザラ」となります。
◎乳癌の可能性 は高くはありませんが、「白黒をつけるためには」針生検をして確定診断を付けておくことが一番の安心です。
医療機関を受診して「確定診断のために針生検を希望する」旨を伝えるべきでしょう。
良性であることを組織学的に確認することは、不安を取り除く最良の方法です。
患者さんを安心させることも重要な医療なのです。