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ホルモンの乱れによる、乳房・リンパ節周辺の痛みの対処方法について

[管理番号:8177]
性別:女性
年齢:43歳
病名:
症状:乳房、リンパ節周辺の痛み

先日、浸潤性乳管癌の診断を受け、田澤先生に手術の申し込みをさせていただいたものです。
1月○日に診察の予約をいれていた
だきましたが、それまで少し時間があり、
不安要素があるため、いくつかご質問させてください。

まず、今回、乳癌の診断に至った経緯ですが、
2018/1月
市の触診検診で左胸上外側部の硬結を指摘される。
その後、マンモ、エコーの再検査
受けるも異常なし。
硬結の感じ方は医師それぞれとのこと。

2018/7月
左胸、腋窩に違和感を感じ、マンモ、エコーを受けるも異常なし。

2019/8月
左胸にいつもの痛み・違和感以外にピリピリとした痛みを感じ、マンモ、エコーを受けるも異常なし。
痛みの原因はわからないとのこと。

2019/12月
やはり痛み・違和感が強く、クリニック受診を決意。
その夜の自己触診で左胸上外側部にしこりを自覚。
翌日、エコーで約9mmの腫瘍を確認。
マンモトーム生検を受け、乳癌の診断。

病理組織検査報告書は、
充実型が優位な浸潤性乳管癌の所見。

Ki-67標準率14%
ER陽性90%
PR陽性90%
HER2陰性(1+)
のみの報告でした。

質問になりますが、乳房・リンパの痛みはホルモンの乱れによるものとで余計な心配はしないようにはしていますが、痛みが気になる時には鎮痛剤を飲んでもよいのでしょうか?
また、痛みを軽減させるよい方法はなにかありますでしょうか?

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

率直な感想として…
(2018年はいいとして)2019年8月のエコーで「異常なし」とされたのは少々残念な気がします。
もしかすると(勝手な想像ですが)「微妙な所見があった」としても「痛みがあるから、乳腺症か」と先入観が働いた可能性もあります。

乳腺外科医は(私自身も含めて)「乳房痛」に対しては(診察する前から)「どうせ、乳腺症だろう」という先入観が働きがちなのです。(経験を積むと、例外もあることを学ぶことになります)

一見「歪な形」を見つけた際に(特に症状がなければ)「乳癌かもしれない所見」として認識するものを、(乳房が痛いと言われると)「やっぱり乳腺症(の所見)なのかな」と判断に(微妙に)影響を与えがちなのは事実なのです。

「質問になりますが、乳房・リンパの痛みはホルモンの乱れによるものとで余計な心配はしないようにはしています」
→その通りです。

 そもそも「リンパ節に痛みなどない」のは事実です。
 「腋窩副乳の痛み」と考えるのが妥当です。

「痛みが気になる時には鎮痛剤を飲んでもよいのでしょうか?」
→それは構いません。

「また、痛みを軽減させるよい方法はなにかありますでしょうか?」
→卵巣を安定させる=ストレスがないように冷静になることです。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

乳房痛とエストロゲン
性別:女性
年齢:43歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2020年2月17日

1月下旬に左乳房切除術をしていただきました。
その節は大変お世話になりました。

またホルモンの刺激による痛み等について質問させてください。

前回の質問にも書かせていただきましたが、ホルモンの刺激によるとみられる痛みを昨年の夏より強く感じています。
術後の生理前後7日間に、術前と同じような強い痛みをまた感じました。
今回は左胸の端(胸骨付近)に間欠的なズキっ、チクっとした痛みです。

質問になりますが、ホルモンの刺激による乳房痛は、エストロゲンが関与しているのでしょうか。
術前検査でホルモン受容体陽性の為ホルモン療法の対象ですが、抗エストロゲン薬は、エストロゲンがつくられるのを抑える薬ではないため、痛みには作用なしでしょうか。

よろしくお願いします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

そもそも「ホルモンによる刺激症状」は「ホルモンが多すぎる」とか「ホルモンを抑えれば改善する」という単純なものでではありません。
実際には30歳代後半から「卵巣が衰えはじめ、ホルモン分泌が不安定となる」
 ここでKey Wordは「不安定」です。

分泌が少なくなると、受容体側(受け手側)が過敏となるため、少量でも激しく反応するようになっているところで、分泌が起こると「過剰反応」となるのです。

「質問になりますが、ホルモンの刺激による乳房痛は、エストロゲンが関与しているのでしょうか。」
→その通りですが、単純に「エストロゲンを抑えれば、刺激症状が弱くなる」わけではないのです。(上記)

「抗エストロゲン薬は、エストロゲンがつくられるのを抑える薬ではないため、痛みには作用なしでしょうか。」
→最初は「より不安定」となります。
 そもそも、更年期症状が出始めている中で、「手術」や「術後療法」などのストレスが加わっているわけだから、そのような症状が一時的に悪化することは想像に難くありません。(そのうち安定するでしょう)

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

BRCA1/2遺伝子検査について
性別:女性
年齢:43歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2020年5月28日

お世話になります。
来月に田澤先生の診察
を控えております。
診察時間の短縮と予習
を兼ねBRCA1/2遺伝子検査について、こちらでご教授いただければと思います。
よろしくお願いします。

今週のコラム 231回目 BRACAnalysis検査の適応拡大 拝読しました。

遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)の既発症者に対するリスク低減乳房切除術(RRM)ならびにリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)が保険収載となり、45歳以下での発症、60歳以下でのトリプルネガティブ発症、2個以上の原発性乳癌発症、
乳癌既発症者で第3度近親者内に乳癌または卵巣癌発症者がいる、これらの該当者はBRCA1/2遺伝子検査が保険適用になったと理解しております。

これまでは、BRCA1/2遺伝子検査は、オラパリブ投与の適応を調べることが目的だったと思いますので、再発した際に医師から患者に勧める事例が多かったのではないかと想像します。
今回の改定で、相当数の乳癌既発症者が対象になると思いますが、これからは、医師は積極的にBRCA1/2遺伝子検査を患者に勧め患者も積極的に希望し受けていくような流れになるのでしょうか。

該当者であっても医師側から検査を勧めるものではなく患者から希望があった場合に行う検査となるのでしょうか。
遺伝子検査を希望する際にもカウンセリングは行われるのでしょうか。

私は43歳で発症、曾祖母が乳癌に該当します。
もしHBOCならRRMもRRSOも受けたいと考えています。
ですがBRCA1/2遺伝子検査を受けることにまだためらいがあります。

今週のコラム 139回目 202x年には、術前診断時のサブタイプの検査が「ER,PgR, HER2, BRCA」となるのです!!
(おそらく)も拝読しました。

①病的変異
②病的変異疑い
③臨床的意義不明のバリアント(VUS)
④遺伝子多型の可能性
⑤遺伝子多型
HBOCと診断されるものは①のみとの理解でよろしいでしょうか。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

質問者は勘違いしています。
遺伝子検査の適応拡大はあくまでも「Risk-Reducing Mastectomyをするため」なのです。
RRMを医療者側から勧めるのは「お門違い」と言え、あくまでも「患者さん側からの自発的な希望で行うべきもの」です。

★医師が「保険適応となったから試しに遺伝子検査うけてみませんか?」とするべきものではなく、
 患者さん側が「(もしも自分が遺伝性乳癌だったら)RRMを受けたい」と強い意志がある場合に行うべきものなのです。

「該当者であっても医師側から検査を勧めるものではなく患者から希望があった場合に行う検査となるのでしょうか。」
⇒その通り。
 あくまでもRRMを希望している患者さんに「のみ」行うべきなのです。

「遺伝子検査を希望する際にもカウンセリングは行われるのでしょうか。」
⇒行われません。

 遺伝カウンセリングはBRACAnalysisが陽性であった場合のみです。

「HBOCと診断されるものは①のみとの理解でよろしいでしょうか。」
⇒その通り。

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