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遺伝性乳ガン

[管理番号:7097]
性別:女性
年齢:44歳
病名:浸潤乳ガン
症状:

田澤先生はじめまして。

現在44歳、30歳の頃から毎年触診、エコー、マンモを受け、毎年線維腺腫での経過観察で、去年の12月の検診で要精密検査となり、初めて乳腺外科を受診。
針生検の結果、左浸潤乳癌と診断されました。

左に2か所しこりがあり、大きいのは2.8センチ、もう1つは1.5センチです。

針生検は近隣の大学病院と検査機関の2か所に提出され、結果は以下でした。

(大学病院)
大きいしこり→腫瘍は組織学的にもIDCで豊富な繊維性間質を伴っていますが、むしろDCISが主体です。
IDC部分もDCIS部分も核異型が強く、異常分裂を含む核分裂が多数認められます。
タイプscirrtous主体と考えます。

小さいしこり→組織学的には上記と同様。

ここでもDCISが主体のように見えます。

(検査機関)
大きいしこり→線維性間質内に
hyperchromaticな大型の核をもつ異型の強い細胞が充実胞状に増生しています。

solid type ki-67陽性55%
小さいしこり→上記と同様です。

質問①
まだサブタイプは結果待ちで分かりませんが、針生検の結果からどのような状態と言えるのでしょうか?組織型はどちらになるのでしょうか?

私には妹がおり、33歳で乳癌を発症。
しこり1センチで発見しリンパ節への転移なし。
トリプルネガティブでした。
術後に抗がん剤をし、それから1年経たない内に肝臓転移をし、転移発覚後わずか3ヶ月でなくなりました。
医師からは非常にタチが悪い癌だったと聞きました。

今回、私が発症し、遺伝性乳ガンではないかと心配でなりません。
組織型が充実腺管癌とあったので、遺伝性は充実腺管癌でトリプルネガティブに多いと聞き、やはり私もトリプルネガティブかもしれないと不安が増しています。

質問②
私もトリプルネガティブで遺伝性の場合には、妹と全く同じ性質のがん(タチの悪い癌)ということになりますか?遺伝性でもトリプルネガティブでも性質が異なる場合もありますか?

生検結果でki-67が55%と高く抗がん剤は必須です。
次回、サブタイプも分かるので治療方針を決めます。
私は先生のサイトを拝見し、全摘をするので手術先行を決めていますが、主治医は術前だと抗がん剤の効果が分かる、知ることで、再発転移の場合の方針が経てやすいと言ってきました。

が、手術先行を希望してもよろしいでしょうか?

以上、とりとめのない文章でたくさん質問してしまいましたが、宜しくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「質問① まだサブタイプは結果待ちで分かりませんが、針生検の結果からどのような状態と言えるのでしょうか?組織型はどちらになるのでしょうか?」
→DCISが主体とありますので…

 勿論「早期」です。所謂「predominat DCIS」ということです。
 「どの程度、早期なのか?」は、実際には手術して「病変全体を評価」しないと解りませんが、「微小浸潤」の可能性はあります。

「今回、私が発症し、遺伝性乳ガンではないかと心配」
→家族歴から、それを心配する気持ちも理解できますが…

 実際のBRACAnalysisでは(トリプルネガティブでも)15%程度でしか陽性とはなりません。
 考えても仕方がないことを考えるのは止めましょう。

「遺伝性でもトリプルネガティブでも性質が異なる場合もありますか?」
→勿論。

 そもそも「本当に遺伝性乳癌なのか?」調べるにはBRACAnalysisは
(現時点では)再発乳癌にしか適応がないので、術後に「OlympiA」に参加するしかありません。(保険適応外で検査する方法もありますが、治療には意味がありません)

「生検結果でki-67が55%と高く抗がん剤は必須です。」
→「DCISが主体」とあるので、pT1a(浸潤径5mm以下)の可能性もあります。
(その場合には抗がん剤はしなくていいでしょう)

 手術病理を待ちましょう。

「主治医は術前だと抗がん剤の効果が分かる、知ることで、再発転移の場合の方針が経てやすいと言ってきました。」
→馬鹿馬鹿しい。(論外)

「手術先行を希望してもよろしいでしょうか?」
→勿論!(そもそも微小浸潤やpT1aの可能性ものこされているようなのだから、
術前抗がん剤をゴリ押しするのは如何なものか!)
 (再発を前提とした)主治医など論破してしましましょう。

 
 

 

質問者様から 【質問2 遺伝性乳ガン】

性別:女性
年齢:44歳
病名:
症状:

田澤先生こんにちは。

前回遺伝性乳ガンについて質問させて頂き
ました。
分かりやすく答えて頂き、前向きに治療を頑張ろうと思う事ができ感謝しております。

サプタイプとステージが分かりました。

左浸潤癌
腫瘍径 1つ2.8センチ、もう1つが1.5センチ
リンパ節転移、エコーとCT上なし
遠隔転移、CT上なし
よってステージⅡaと言われました。

サブタイプはやはりトリプルネガティブで、ki-67は55%でした。

前回、私は全摘をするので手術先行を希望しますと言っていて、それを主治医に伝えましたが『ki-67が高く、抗がん剤が効きやすい。
抗がん剤の効果が知りたい。
その方が戦略が立てやすい』と何度も説明され、結局化学療法先行になりました。

田澤先生がおっしゃっておられたデメリットとしての、抗がん剤が効かなかった場合の病状進行について心配だったので、術前抗がん剤中のこまめなチェックを確認し、
3週毎のエコー、6週毎のCTで経過を見ることになりました。

抗がん剤はEC療法、3週おき・4回投与
ドセタキセル、3週おき・4回投与になりました。

左胸に腫瘍を抱えたままで行うのでどうなるのか心配ですが、抗がん剤が効くことを信じて頑張ろうと思います。

質問①
他の多くの方が同じ質問をされていると思いますが、私の抗がん剤治療の内容や進行していないかのチェックはこれで大丈夫でしょうか?

②前回、遺伝性乳ガンではないかと心配していましたが、サブタイプがトリプルネガティブであったので、その可能性がより高まったと思ってしまいます。
すぐに転移をし亡くなった妹と同じ道を辿るのではないかと不安でなりません。
まだ子どもが幼く、せめて成人するまであと15年は元気でいたいです。
『考えても仕方ないので考えるのをやめましょう』と前回先生はおっしゃって下さいましたが、遺伝性のトリプルネガティブだったとして、私の場合の再発率や生存率を教えて頂きたいです。

質問③
化学療法後の手術となりますが、最後の抗がん剤投与終了から、白血球等の回復を待つ為に3週間あけての手術となると言われました。
手術まで3週間あきますが、その間に抗がん剤でも残ってしまった腫瘍が大きくなったり、転移をしてしまわないか心配です。
その点は大丈夫でしょうか?

以上、分かりにくくとりとめなく質問してしまい、申し訳ありませんがよろしいお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

全くその主治医の考えには「全く」賛成できない私に質問することで「板挟み」に会うだけの可能性があります。
今回は回答しますが、以後は「質問者自身のためにも」その主治医に聞くようにしましょう。

「質問① 他の多くの方が同じ質問をされていると思いますが、私の抗がん剤治療の内容や進行していないかのチェックはこれで大丈夫でしょうか?」
→そもそも非浸潤癌が主体なのに術前抗がん剤が正しいのか? 私には「それ以上」コメントできません。

 CT撮りすぎ!(身体のことを考えましょう)
 エコーで3週間毎でいいのです。

「遺伝性のトリプルネガティブだったとして、私の場合の再発率や生存率を教えて頂きたいです。」
→浸潤径が不明なので、不明です。(術前抗がん剤をすると、永遠にそれはわかりません)

「その間に抗がん剤でも残ってしまった腫瘍が大きくなったり、転移をしてしまわないか心配です。」
「その点は大丈夫でしょうか?」

→そもそも…
 「術前抗がん剤の意味が不明」と言っている私に質問する内容ではありませんね?

 それは、術前抗がん剤をゴリ押しする主治医に確認することです。