Site Overlay

石灰化→線維腺腫→乳頭腺管癌→左乳房切除→ホルモン療法開始しました。

[管理番号:4160]
性別:女性
年齢:41歳
はじめまして。
田澤先生のお言葉に励まされています。
よろしくお願いします。
2年前の8月。
人間ドックにて左乳房石灰化が分かり,失意のまま乳腺外科受診。
針生検後(先生はうまく石灰化が採れたと言っていました),2週間後に良性と言われ,うれしさのあまりそれ以後のことはほとんど覚えていません。
ただ,次回に同じ所見(石灰化)で精密検査にならないように超音波,組織診の結果,良性所見情報をもらったことと,この石灰化ががんにならないことを何度も確認したことは覚えています。
毎年,検診を受けてください,と言われました。
ただ,この後,針を刺したところが自分で分かるほどのしこりになったことが気がかりでしたが針を刺したために起こったことだろうと思っていました。
昨年8月,良性所見情報を持って器官別検診(マンモと視触診)を受診。
(今,思えば,乳腺外科に行くべきだった,超音波もすべきだったと悔やんでも悔やみきれませんが仕方ありません。)
前年に針生検をしたこと,その後しこりが分かるようになったことを告げましたが,結果良性。
経過観察となりました。
今年8月,いよいよ,しこりがはっきり分かるようになりました。
良性の石灰化が悪性に変わることはない,大丈夫と自信をもって人間ドックを受診。
結果,超音波の最中に「おととしの診断名は?」と聞かれ,答えられない自分がいました。
「良性の石灰化」は診断名ではないことが分かりました。
良性と言われ,そこにあぐらをかいていた自分に反省です。
9月の再検査では,おととしの医院では心もとないと判断し,違う病院に行きました。
そこでもやはり,「おととしは何と言われたか覚えている?」と聞かれました。
(気になったので術後におととしの医院に行き,診断名を聞いたところ「線維腺腫」でした。
診断した先生が退職されていたため違う医師からの説明でした)
針生検の結果,ER(+),PgR(+),HER2(陰性),増殖機能(中),ステージⅠでした。
超音波からリンパ節への転移は見られず。
病変が広がっていて,石灰化が乳房全体に見られるため,全摘となりました。
11月に全摘,センチネルリンパをして病理の結果です。
センチネル(陰性 0/3),腋窩リンパ節郭清なし
組織型 乳頭腺管癌
腫瘤径 4.4cm
組織HG Ⅱ
ER(+),PgR(+),HER2(陰性),切除断片(陰性)
Ki-67 34.0%
11月後半から,ノルバデックスを服用しています。
おとなしい癌だと思っていたのですが,Ki-67が30%以上はオンコ(?)の結果も見て,という回答を見て,不安になりました。
また,
腫瘤(腫瘍?)が当初2cmくらいと言われてステージⅠと言われていたものが,病理で4.4cmでⅡとなったことで動揺しています。
検査はしておらず,ノルバデックス5年間だけで大丈夫なのでしょうか。
ほかにできることはないのでしょうか。
また,今さらですが,線維腺腫と診断されていたことを主治医に話していないのですが,このことを話した方がいいのでしょうか。
この場合,前の医院からカルテは出してもらえるのでしょうか。
おいそがしいところ,恐縮です。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
質問者には気の毒ですが…
世の中には確定診断ができない乳腺外科医が溢れている現状を聞かされると、とてもやり切れなくなります。
結果として2年間も「正しい診断されないまま」だったにもかかわらず、早期だったことは大変幸いでした。これが「進行」していたら、本当にやり切れなくなるところです。
「ノルバデックス5年間だけで大丈夫なのでしょうか。ほかにできることはないのでしょうか。」
⇒(質問者もご存じなように)Ki67=34%であれば、Oncotype DXして、「化学療法による上乗せが無いのか?」調べた方がいいでしょう。
 
 もしもOncotypeDXしないのであれば(つまりKi67だけでルミナールA/Bの判断をするのであれば…)化学療法を検討すべきです。
「また,今さらですが,線維腺腫と診断されていたことを主治医に話していないのですが,このことを話した方がいいのでしょうか。この場合,前の医院からカルテは出してもらえるのでしょうか。」
⇒治療に影響はありませんが…
 今までの経緯を(自分自身が)正しく理解するためには、その方がいいでしょう。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

いつも真摯で明快な回答に、迷わずがんばっていこうという気持ちをいただいています。
リュープリン上乗せについて教えてください。
11月に全摘,センチネルリンパをして、
センチネル(陰性 0/3),腋窩リンパ節郭清なし
組織型 乳頭腺管癌
腫瘤径 4.4cm
組織HG Ⅱ
ER(+),PgR(+),HER2(陰性),切除断片(陰性)
Ki-67 34.0%
11月後半から,ノルバデックスを服用
しています。
こちらで質問後、
オンコタイプDXの検査をしました。
31以上で抗がん剤と決めていましたところ、結果「20」でした。
抗がん剤をしないことにしました。
(日本語で結果が届きました。
タモキシフェン単独では、13%、タモキシフェン+化学療法の数値は出ておらず、グラフでの表示でした。)
先生からのオンコタイプ検査をしないのであれば、抗がん剤、というご回答のおかげで、すっきり、ホルモン療法に進めます。
ありがとうございます。
そのホルモン療法について、リュープリンもする場合がある、と2016年版乳がん診療ガイドラインで知り、主治医に聞きました。
タモキシフェンとの違いの説明を受けたあと、
40才までなら進めています、とのことでした。
こちらでの「ステージⅡ以上でも適用」という回答を思い出して、注射をお願いしました。
先生なら、タモキシフェン単独ですか?タモキシフェン+リュープリンですか?
もし、タモキシフェン単独とした場合、リュープリンは途中でやめても大丈夫ですか?
お忙しいところ、恐縮です。
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「タモキシフェン+化学療法の数値は出ておらず、グラフでの表示でした。」
⇒これは、是非「グラフから数値を読み取って」ください。
「先生なら、タモキシフェン単独ですか?タモキシフェン+リュープリンですか?」
⇒少し迷いますね。
 ASCOのガイドラインでは適応となるので、LH-RHagonistは提案します。
 ただ、「患者さんが躊躇」したら保留とします。
「もし、タモキシフェン単独とした場合、リュープリンは途中でやめても大丈夫ですか?」
⇒勿論です。