[管理番号:3570]
性別:女性
年齢:49歳
初めまして。
術後ホルモン療法についてご相談させてください。
今年5月にステージⅡa(リンパ節転移なし)で乳房温存手術を受けました。
術後の病理検査で腫瘍径が術前より大きかったため、断端が2ミリとなってしまった箇所があり、放射線療法で全房照射+ブースト照射を行いました。
高度ホルモン反応性、グレード2、HER2はゼロでした。
その後、タモキシフェン20mgによるホルモン療法開始と同時にCYP2D6の検査を受けた結果、低代謝の判定で、トレミフェン40mgに変更になり、現在に至っています。
トレミフェンはタモキシフェンのように効果を判定することができないため、もし効果がなかった場合を考えると不安です。
また、現在49歳
で、生理は今年1月と8月に少しあっただけで、もうすぐ閉経だとは思うのですが、まだ完全に閉経とは言い切れない状態です。
ここで気になっているのが、
1)完全に閉経ではないけれどもトレミフェンを使って効果があるのか?
2)トレミフェンに加えてLH-RHアゴニスト製剤も使った方が再発リスクは減るのか?
3)2)で、もしLH-RHアゴニスト製剤も使った方がいいのであれば、閉経が近い人には副作用が強く出ることはないのか?
4)まだCYP2D6の結果が出るまでのタモキシフェン服用中、副作用らしきものは殆ど感じなかったが、副作用が出ない=薬が効いていないということなのか?(28日間の服用のため、副作用が出るにはまだ早かったのかもわかりませんが、CYP2D6の結果として低代謝の判定が出たので。。。)
ということです。
よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
CYP2D6については以前にもQandAで取り上げられていますが、人種間の差もあり
「それにより治療法を変える」のは現時点では一般的ではありません。
「1)完全に閉経ではないけれどもトレミフェンを使って効果があるのか? 」
⇒トレミフェンは「適応外」治療です。(閉経後でしか、臨床試験のデータが無いからです)
ただし「タモキシフェンと同機序に」効果があると「想像」されます。
「2)トレミフェンに加えてLH-RHアゴニスト製剤も使った方が再発リスクは減るのか? 」
⇒LH-RHagonistの併用に関しては
①35歳未満や化学療法閉経後に月経再開した人に効果がある(SOFT試験)
②有る程度のリスクが有る場合には適応(ASCO 2016ガイドライン)
上記①②が「対象」として根拠となります。
その意味では質問者は該当しません。
「4)まだCYP2D6の結果が出るまでのタモキシフェン服用中、副作用らしきものは殆ど感じなかったが、副作用が出ない=薬が効いていないということなのか?」
⇒全く無関係です。
例として「術前抗がん剤で全く副作用が無かった」人がpCR(完全寛解)でした。