[管理番号:8766]
性別:女性
年齢:44歳
病名:乳がん
症状:
投稿日:2020年7月22日
ご教授よろしくお願いいたします。
現在、術後4年9か月(今年の10月で5年経過となります。)
術後は、抗がん剤TC療法 → その後、リュープリン注射とノルバデックス服用開始
(リュープリン2年で終了) → ノルバデックス服用のみで現在に至っております。
ノルバデックス服用は約4年3か月経ちました。
今回、生理のような出血が始まりました。
生理の時よりはさらさらとした出血で、量もとても多いです。
同じような出血が、約5か月前(2月)にもあり、約10日ほど出血が続きました。
乳がん治療をして以来、生理は全くなかったので、
その2月の出血時、婦人科を受診しました。
その2月時のフォローアップとしての再受診、そして再度検査も、先月6月にしました。
2月も6月も、検査結果では「現段階では問題ないでしょう」ということでした。
私からの「この出血は生理なのか?」という質問に対しては、
婦人科の先生は、「今の治療のノルバデックス服用中では、まず生理は基本ないはずですが」とおっしゃいました。
しかし、乳外科の先生は、同じ質問に「生理は戻る人も結構います(生理の可能性)」とお答えになり、
回答が全く異なりました。
また、今、結構な出血量ですので、これは生理なのか、、、そうでなかったらなんだろう、、、大丈夫なのだろうかと不安です。
ノルバデックス服用のみの治療になってからは、約2年は経ちますが、
不規則な周期で生理が戻ってきているのでしょうか。
先月、検査したばかりなので、
また婦人科を受診すべきか悩みます。
そうなると、また、検査???ですよね。
婦人科ではなく、乳外科の主治医の方をまず受診して相談すべきなでしょうか。
私のこの約5年の乳がん治療経過での、この状況は、普通にありえることなのでしょうか。
出血が、ノルバデックス服用の原因だと考えられたら、休薬なのでしょうか。
私の治療は、これからさらにあと5年はノルバデックス服用の予定だと思うのですが、大丈夫なのかと心配です。
生理が再開しているとしても、出血が生理ではないものだとしても、
婦人科の検査で問題なければ、
ノルバデックスを飲み続けるということでよいのでしょうか。
何か、違う方法にかわることもあるのでしょうか。
この約5年、「まず5年間再発転移なく経過できること」を目標に頑張ってきました。
でも、まだ5年です。
年齢もまだ44歳なので。
なんとか無事に、過ごしていきたいです。
いろいろと申し訳ありません。
田澤先生からご教授頂きたく、どのような見解か、何かご判断頂けるか、
どうか、よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
私から見れば、あまりにもシンプルなことです。
★化学療法閉経となり、(そのまま)LH-RHagonistにより抑えられてい
た卵巣機能が(LH-RHagonist終了後2年あまりで)復活した。
・年齢(44歳)から、化学療法閉経から回復する可能性はそもそも高い。
・タモキシフェンには卵巣を抑える作用はない。
・LH-RHagonist併用を2年で終了した理由が不明(現在の考えでは5年
は継続すべき)
「私からの「この出血は生理なのか?」という質問に対しては、
婦人科の先生は、「今の治療のノルバデックス服用中では、まず生理は基本ないはずですが」とおっしゃいました。」
⇒誤り!
タモキシフェンに卵巣を抑制する作用はありません。
「しかし、乳外科の先生は、同じ質問に「生理は戻る人も結構います(生理の可能性)」
⇒正解!
冒頭の通り。
「今、結構な出血量ですので、これは生理なのか、、、そうでなかったらなんだろう、、、大丈夫なのだろうかと不安」
⇒卵巣が復活してきているのです。
当然、LH-RHagonist併用を再開すべきです。
★化学療法閉経からの生理再開はLH-RHagonist併用したほうが予後を改善する。(SOFT試験)
「ノルバデックス服用のみの治療になってからは、約2年は経ちますが、不規則な周期で生理が戻ってきているのでしょうか。」
⇒まさに「その通り」
「婦人科ではなく、乳外科の主治医の方をまず受診して相談すべきなでしょうか。」
⇒LH-RHagonist再開してもらいましょう。
「私のこの約5年の乳がん治療経過での、この状況は、普通にありえることなのでしょうか。」
⇒(年齢的に)化学療法閉経から復活することは、極めて普通です。
ただし、本来はLH-RHagonist併用は5年はすべきですよ。
「出血が、ノルバデックス服用の原因だと考えられたら、休薬なのでしょうか。」
⇒全く違います。
LH-RHagonist併用再開です。
「私の治療は、これからさらにあと5年はノルバデックス服用の予定だと思うのですが、大丈夫なのかと心配です。」
⇒LH-RHagonist併用を(最低)3年は行いましょう。(計5年)
質問者様から 【質問2 】
ホルモン療法中 出血(生理かどうか)について②
性別:女性
年齢:44歳
病名:
症状:
投稿日:2020年7月31日
田澤先生、先日質問いたしました件、ご回答頂きありがとうございます。
また、他の方々の沢山のQ&Aでも、大変勉強になっております。
本当に感謝の気持ちです。
今回質問をして、ご回答を頂いたまでのその期間中に、
私は、この質問内容だった出血が原因で、、、なんと、、、5日間(7/(下旬)~7/(下旬)の間)入院して、
退院して帰ってきました。
(自分でもそんなことになるとは思いませんでした。)
まさに田澤先生への質問送信をした後、
生理なのかそうでないのかわからず不安だった出血が、どんどん増え、そして翌朝、これまで経験のないような量の出血だったため、焦りました。
そして救急外来で受診。
そのまま入院(出血量が多く、自宅に帰すわけにはいかない)となってしまいました。
入院中は、出血の処置として、止血剤点滴をし続け、出血はおさまり退院してきました。
それで、田澤先生から頂いているご回答と、現在の私の状況が、真逆の事態になっており、不安ですし、
どうしたらいいのかと、再度、質問させて頂きました。
申し訳ありません。
私は、出血を、「これは、もう生理という感じではない!大変だ!」と思ってしまったので、
そのようなことを婦人科の先生にも、乳外科の主治医にも、話しました。
その結果、次回の乳外科受診が9月中旬なので、その時まで 「ノルバデックスは休薬」 ということになりました。
入院した日から、ノルバデックスを飲んでいません。
現在、無治療状態です。
私は、生理ではなく、不正出血だと思っている(思ってしまった)のですが、そうではなくて、
田澤先生のご回答のように、もし今回の出血が、「リュープリンを終了したことで、不規則だが生理が戻ってきたこと」
だとしたら、、、
LH-RH agonist併用どころか、現在は、ノルバデックス(タモキシフェン)さえも、休薬してしまいました。
大丈夫でしょうか。
それから、もう一つ気になることがあるのですが、
私は5か月前の2月にも出血があったときに、乳外科主治医に
「これが生理が戻ったことだとしたら、またリュープリンをするのですか?」と聞いたのです。
しかし、その時はっきりと 「 しません。
今はリュープリンはそもそも使わなくなってますし、、、」と、
乳がんの治療はどんどん進化して、変わっていて、もうリュープリンはしない、、、
ということを、確かにおっしゃいました。
今回、田澤先生は、LH-RHagonist(リュープリン)を、5年と、おっしゃっています。
私に対しても、あと3年、タモキシフェンとLH-RHagonist(リュープリン)併用と。
そうすべきなのでしょうか。
たくさんの質問や不安があります。
乳がんホルモン治療中の、今回の私のような性器出血が、「生理」(生理復活)なのか生理ではない「不正出血」なのか、
どうやって、何で判断できるものなのでしょうか。
判断する方法は何かあるのでしょうか。
そして、私は、結局、ノルバデックス(タモキシフェン)休薬をしない方がいいのでしょうか。
今、無治療状態ですが、どのくらいの期間、無治療で大丈夫なのでしょうか。
今後、影響はどう出てくるのでしょう。
結局、出血は生理の復活だと判断して、LH-RHagonist(リュープリン)をも併用で、また始めるべきなのでしょうか。
私の主治医は、もうLH-RHagonist(リュープリン)をすることはないと言っていたわけですが、
話をして、自分から希望をすべきでしょうか。
4年半前に、乳がんになった時、乳がん治療のことを私なりに勉強したつもりで、
リュープリン併用2年、ノルバデックスはトータル10年ということを主治医を話しました。
それを頭に入れていたので、
田澤先生から今回ご教授頂いていることを理解することができる乳がん治療のガイドラインや、何か勉強できる書籍がもしあれば、ぜひ教えてほしいです。
今のまま、このままだと、9月中旬まで、約2か月、無治療で過ごすことになります。
9月まで待たず、改めて主治医のもとを受診して、まずノルバデックスを再開したほうがよいでしょうか。
本当に、ごちゃごちゃとした質問をたくさん、文章もまとめられず、申し訳ありません。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは田澤です。
月経過多による入院、大変でしたね。
しかし、物事は、いたってシンプルなものです。
色々なことがおこって、物事が複雑に感じているようですが頭を整理しましょう。
(そして、私の回答は永遠に変わりません)
「乳がんホルモン治療中の、今回の私のような性器出血が、「生理」(生理復活)なのか生理ではない「不正出血」なのか、どうやって、何で判断できるものなのでしょうか。
判断する方法は何かあるのでしょうか。」
⇒物事を複雑に考えすぎています。
子宮から出血する場合、
1.卵巣からの命令(ホルモンによる)による子宮内膜の肥厚⇒脱落による出血子宮には異常がない★
ホルモンが安定している際には、それを「月経」と呼びますが(更年期や、化学療法により不安定となっていても)其の機序は全く同様です。
2.子宮原発の出血
子宮体癌や子宮内膜症などによる出血 子宮に異常がある★★
質問者は婦人科で★を確認しているわけだから、1なのです。
質問者が気にしているのが「不正出血=★★」だとしたら、間違いなく1なので違います。
あるあるQにだします。